また連休がやってきた。
かみさんの生前、3連休が近づくたびに、俺は3日間の「過
ごしかた」を考えた。

容ちゃんと二人で美味しいモノを食べに行こ
うか。
容ちゃんと一緒に映画を観に行こうか。

いつもの週末のとおり、
容ちゃんと二人でたくさん散歩をしようか。
容ちゃんと一緒に小旅行
に出かけてみようか。

俺は連休の「過ごしかた」をあれこれと思案する。
そうしていると、気分は次第に高揚していく。

だが、俺が「
過ごしかた」を考えても意味はない。
最終的な決定権は、かみさん
が握っているからだ。

俺がイタリアンでも食べに行こうと提案して
も、かみさんはフレンチがいいと言う。
俺が洋画を観に行こうと言
っても、かみさんは邦画が観たいと言う。

俺がお台場あたりに散歩
に行ってみようと誘っても、かみさんは有楽町方面に行きたいと言う。
俺が温泉に行こうと提案しても、
かみさんは海を見に行きたいと言う。

それならそれで構わない。
かみさんの想いに委ねてしまおう。
やりたいことは、
かみさんに決めてもらおう。
俺はカネを出すだけだ。

しかし、
俺に不満はなかった。
仕事から解放されて、自由を満喫する。
かみさんと二人っきり。
家族の団欒に癒されて、家族の大切さを噛みしめる。

かみさんと俺は、
3連休を迎えるたびに、そんなふうに過ごしてきたんだ。

・・・

かみさんはいなくなった
けど、あいかわらず3連休はやってくる。
そのたび俺は、連休の「
過ごしかた」を考える。
かみさんの生前からの”癖”のようなものなんだろう。

だが、考えたって意味はない。
あらかじめ分かっ
ているからだ。

3連休は空疎な時間になるだろう。
どうやって過ごすのか…ではない。
どうやって潰すのか…を考えざるを得ないのだ。

やらなきゃならない
ことは、いくらでもある。
だが、やりたいことなんて何にもない。

だから俺は、酒を飲もう。
酔ってしまえば意識は薄れ、いつの間にか眠ってしまうことができるだろう。

目が覚めれば、そこには過酷な世界が広がっている。
しかし、わずかであったとしても、世界の残酷さに目を背ける時間は必要なのだ。


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