楽しい時間が過ぎるのは速い…
誰から教わったのかは忘れたが、幼少期には既に知っていた言葉だ。

かみさんが元気だったころ。
1日はあっという間に過ぎ去った。

1週間が始まれば、早く週末が来ないかなぁ…と思ったが、すぐに金曜日の夜はやってきた。

毎年の夏に海外旅行をするたびに、そろそろ帰国する日が近づくと、早く来年の夏にならないかなぁ…と思ったが、翌年の夏はあっという間にやってきた。

年末年始に北海道(かみさんの実家)に遊びに行って、そろそろ東京に戻らなければならない日が近づけば、来年も北海道で正月を過ごしたいなぁ…と思ったが、1年はあっという間に経過した。

かみさんが何度も言っていた。

こんなに速く時間が過ぎちゃうと、
すぐにお爺ちゃん、お婆ちゃんになっちゃうね(笑)

俺もかみさんの言うとおりだと思った。

早く年を取り、あっという間に人生が終わってしまう。
ちょっぴり寂しい気もしたが、かみさんと一緒ならば、それも良いんじゃないか…と感じたことを覚えている。

・・・

時間の流れがとても速い。
最後にそう感じたのは、かみさんの闘病中の日々だった。

時間が速く過ぎたのは、当然のことだが、闘病が楽しかったからではない。

かみさんと一緒にいられる最期の時間になるかもしれない。
そう思っていたからこそ、時間がとても濃密で、1分1秒がとても愛おしかった。
そのような想いがあったからこそ、時間はあっという間に過ぎ去ったのだ。

だが…
かみさんが息を引き取った瞬間から変わってしまった。

1日が長すぎる。
1週間が長すぎる。
そして、1か月が長すぎるのだ。

いつまで経っても時間が過ぎない。
いつまで経っても年を取らない。
そして、いつまで経っても終わらないのだ。

世界は俺にとって、とても生きづらい場所だ。
あらゆる物事が、俺の心と皮膚とをカミソリのように切り裂くからだ。

この場所からいなくなってしまいたい。
もう痛い思いをするのは嫌なのだ。

だから、時間が速く経ってほしいと願っている.
しかし、かみさんのいなくなった今、時間の流れはとても粘っこいのだ。

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