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2020年04月30日

岡村隆史さんの一件で感じたこと

岡村隆史さんの発言が話題となっています。

「コロナ不況で貧困化した女性が、コロナが沈静化したら風俗をやるから、僕らはそれを楽しみにしましょう」といった主旨の発言を、自身がパーソナリティーを務めるオールナイトニッポンで行い、大顰蹙を買った一件です。

 

この騒動を見た時に連想したのが、週刊SPAの「ヤレる女子大ランキング」でした。

SPAに関しては、2018年、「どの大学の女子大生がヤレる確率が高いか」という記事を掲載し、女性軽視や差別ではないかと世間から批判を浴びました。

 

両方とも、批判されてしかるべきの醜悪な発言や内容であることは間違いないんですが、僕の率直な感想としては、「表に引っ張り出されちゃったなぁ」というところです。

 

僕も長年、色んな雑誌で書きまくってきましたが、雑誌には、その読者層に合ったテイストの記事が求められます。

お堅い経済誌とか情報誌などで執筆する場合と、コンビニのエロ本手前にあるようなお宝系の雑誌(いわゆるEX系やらBX系やら)、実話ナックルズのような実話系の雑誌とでは、もちろん読者層も大きく異なりますし、求められる情報やテイストも異なります。

SPAに関しては、お宝系やら実話系よりはまだ格式があるものの、基本的には中高年の下世話な男性に向けての雑誌です。

 

後者では、いわゆる「ヤレる女子大ランキング」的な下世話な記事の需要が高いことから、それこそフェミニズム団体が見たら、激怒するような記事が満載となっています。

執筆のライター陣も、そこはゲスな欲望を全開にして書いていきます。

確か、僕はその号のSPAだと、女子高生ビジネスの特集記事でコメントをしていたような気がします。

 

ですが、こうした記事が、バッシングを浴びることはまずありません。

というのも、これらの記事は、あくまでもそういった情報を読みたい読者に向け、閉じられた世界の中で載せているからです。

 

ですが、そんな一部の読者を想定した記事を、たまたま、「良心的な価値観を持つと思われる誰か」が「一般的な人が多く見える場所(ツイッター等のSNS)」で問題視したことで、世間の人々から断罪され、炎上してしまったのがSPAの一件でした。

 

岡村さんの一件も似たような構図かとは思われます。

僕はあまりそのラジオを聞いたことがないんですが、「オールナイトニッポン」という深夜のラジオ放送で、岡村さんは、普段から下ネタを全開にして、際どいことを話されていたようです。

リスナーの大半は男性ばかりで、番組内では、リスナーの要望に沿ったトークというのが求められるのは容易に想像できます。

ですが、今回、そういう閉鎖的な世界で語っていたはずのことが、誰もが見えるSNSで問題視され、一般的な価値観で断罪され、彼の人格まで攻撃されるに至りました。

 

そこに、現代の恐ろしさがあると感じました。

 

自分に置き換えてみてみると、限りなくエロ本に近い雑誌で、「ヤレる女子大ランキング」という記事特集を井川楊枝のペンネームでやったとしましょう。

そうしたら、いつの間にか、SNSで炎上していて、「このライターは女性蔑視の思想の持ち主である」と大バッシングを受けているようなものです。

「いやいや、そういう媒体で、そういう読者の需要があるからやったんですよ。自分はどこの女子大だと聞いてヤレるとか思わないですよ」等と言い訳しても、世間の人たちは聞く耳を持ってくれなさそうです。

 

実際に岡村さんがどういう思想の持主かというのは、分かりません。

 

ただ、YOUTUBEでそのラジオトークを聞いてみたのですが、まずリスナーから「自粛期間中で風俗に行けないから寂しい」といった相談があり、それに対するアドバイスとして答えていることが分かりました。

その答えというものは、前出の通りの下衆極まりないもので、いわゆる女性差別的な発言であることは疑いようがありません。

ただ、その番組の成り行きを見る限りだと、岡村さんは、「オールナイトニッポンを聴いているリスナー」を想定した上で、「では、彼らに向けてはこう答えるのがいいだろう」と考えた上で、答えを導き出したように思えました。

 

ネット上だと、「富裕層の男性が、不幸な貧困女子を金で買う」といった論調でバッシングを受けていたんですが、岡村さんのそのトークでの立ち位置は、あくまでも売れっ子芸人である自分ではなく、「風俗に行かなければ、女性と触れ合うこともできない非モテ」であるリスナーと同化しているように聞こえます。

 

つまり、これは、彼の思想云々というよりも、

僕が、エロまがいの雑誌で、読者層を想定しながら書いていたことと全く同じことを、彼は、トークのプロとしてその閉じられた世界で、リスナーのためにやっていただけではないのか…という印象を抱いたのです。

 

そのトークの場がどういうところであったかを抜きにした上で、岡村さんはそういう下劣な人間だと叩いてしまうのはフェアではない気がします。

 

ただ、こうして今やSNSの流行する中にあって、特定の読者層、リスナー像に向けて、非常に極端なことや、差別的なことを語ることは非常に危険なのだろうと感じました。

今後は、たとえ閉じられた世界であっても、なるべくバランス感覚を保つように心がける必要があるのかもしれません。



youji_igawa at 20:52│Comments(0)

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