2005年09月04日
第３４回戸塚記念
戸塚記念は横浜の戸塚にあり廃止された戸塚競馬場の名前を冠したレースで、東京王冠賞があった時代は戸塚を勝った上がり馬が王冠賞で人気になるという事が多々有ったり、大井回りが不得手なサウスポーや牝馬が、しらさぎ賞、戸塚記念、ゴールドカップに挑戦する、左回りの裏「三冠」的要素があったレースだが、王冠が春に移行し王冠の前哨戦という位置付けが無くなり、しらさぎ賞も春へ移行、ゴールドカップ休止で、今では大井黒潮盃組と他3場上がり馬との敗者復活戦の様なレースになっている。
今年は黒潮3着のダンシングスキーが内田に乗り替わって一番人気が確実だろう。ただ黒潮盃のレース回顧で書いた通りダンシングスキーは伸びるインでジッとしていただけのタナボタ3着なのが引っかかる・・ただ黒潮組で他に買える馬がいるかと聞かれると返答に困るくらい面子で、終わっていると思われるジルハー、弱い相手に1勝しただけのナイキコランダム、2走前では古馬相手に勝っているが、3走前の夾竹桃でイチブパワーとコンマ1秒じゃ正直大した事は無いコスモメンツェルとヒドイ評価しか出来ない馬ばかり。
黒潮組の、信頼性は薄いダンシングスキーを一番手と視るしか無いのが現状では、別の路線から入るべきなのかも知れない。
向日葵特別組が多く出走しているので確認をする、このレースは1着から6着がコンマ2秒にひしめき合う混戦だったが、勝ったレッドバイオリンは正直魅力を感じる強さは無い、ならば2着のイチブパワーとの比較で芙蓉特別で圧勝しているダイナマイトリジイを中心に考える方が面白いかも知れない。
相手は、どの馬も似たり寄ったりで絞るのが難しいが一応ダンシングスキーを本線
レッドバイオリンとコスモメンツェルを押さえ候補、休み明けを勝っているルパン迄手を広げるかは当日の状態次第。
今年は黒潮3着のダンシングスキーが内田に乗り替わって一番人気が確実だろう。ただ黒潮盃のレース回顧で書いた通りダンシングスキーは伸びるインでジッとしていただけのタナボタ3着なのが引っかかる・・ただ黒潮組で他に買える馬がいるかと聞かれると返答に困るくらい面子で、終わっていると思われるジルハー、弱い相手に1勝しただけのナイキコランダム、2走前では古馬相手に勝っているが、3走前の夾竹桃でイチブパワーとコンマ1秒じゃ正直大した事は無いコスモメンツェルとヒドイ評価しか出来ない馬ばかり。
黒潮組の、信頼性は薄いダンシングスキーを一番手と視るしか無いのが現状では、別の路線から入るべきなのかも知れない。
向日葵特別組が多く出走しているので確認をする、このレースは1着から6着がコンマ2秒にひしめき合う混戦だったが、勝ったレッドバイオリンは正直魅力を感じる強さは無い、ならば2着のイチブパワーとの比較で芙蓉特別で圧勝しているダイナマイトリジイを中心に考える方が面白いかも知れない。
相手は、どの馬も似たり寄ったりで絞るのが難しいが一応ダンシングスキーを本線
レッドバイオリンとコスモメンツェルを押さえ候補、休み明けを勝っているルパン迄手を広げるかは当日の状態次第。
2005年09月01日
アフター５スター賞を振り返る
当日は競馬場に行けないので、電話投票にて馬券を購入。
展開予想は、エコルプレイスが逃げるのと思い、他の逃げ脚質のロッキーアピールとベルモントソレイユは切る、ただ先日書いた通りハタノアドニスはヤネが巧く乗る怖さで押さえる。基本は激しいペースになると思い差し馬有利の展開になる筈、調教試験重かったエコルよりはブラウンシャトレーからが結論。
馬券はブラウンの単と馬複でエコル本線ハタノとスピニングの2頭が押さえでナイキゲルマンは最終的に調教から切る。
自宅に帰宅後に録画しておいたレースを見る。スタート直後に的場が躓き落馬、それ以外はバラついたスタートだったが目立った不利は無く、ロツキー、アンフィーイモン、エコルの順でしばらく行くが、向う正面半ばでハタノがハナ主張し先頭へ、ロッキーは競らずに馬ナリで2番手追走、3角手前でエコルが手応えが悪いので内田が意図的にかそれとも気性面で内にササったか判らないのだが、外からインへ馬を入れる。逃げ一手と思った馬がハナを主張しないのもあって、予想したより激しいペースにはならない。2番手に付けたロッキーが叩き合いの末ハタノを交わしゴール前一杯になりながらスピニングの追撃を凌ぎ1着、一番人気のエコルは4角ズルズルの14着に終る。
1着ロッキーアピールは、ハタノが来た時に競らなかった今野の判断の良さが結果に繋がった。また出走した馬の中では1200の適正があると思われるので、自分のレースを出来ればこの結果でもしょうがない。しかし自分のレースが出来ないとモロイ気性は相手が上がる東京盃やＪＢＣでは弱点で枠順や展開に今後も注意が必要だろう。
2着スピニングアローはレース前に危惧した通りズブくなり前には行けず、今は1200より1600前後の距離に適正があるのではないだろうか？1着馬とは距離適正の差がそのまま成績に繋がったと思われる。
3着ハタノアドニスは能力の衰えをヤネが腕で補ったが、勝つ迄は無理だったという所
4着で俺の本命ブラウンシャトレーはペースが落ち着いた事もあるが、いつもの脚が無く一息入った事と能力の衰えが有るのかも知れない。
一番人気で惨敗のエコルプレイスは、やっぱり重かったのだろうなぁ・・内田の不可解なコース取りも手応え悪かったと見るべきなのかな？
ただこのひどい負けップリは逃げ馬特有のモノで、決してナイターや馬場に問題は無いだろう、しかし抑えて味が無い馬の気がするのでロッキーアピール同様展開面での注意は必要。
逃げ馬だけに、単騎で行けば東京盃であっさり勝つ可能性もあるだけに厄介だけどねぇ
展開予想は、エコルプレイスが逃げるのと思い、他の逃げ脚質のロッキーアピールとベルモントソレイユは切る、ただ先日書いた通りハタノアドニスはヤネが巧く乗る怖さで押さえる。基本は激しいペースになると思い差し馬有利の展開になる筈、調教試験重かったエコルよりはブラウンシャトレーからが結論。
馬券はブラウンの単と馬複でエコル本線ハタノとスピニングの2頭が押さえでナイキゲルマンは最終的に調教から切る。
自宅に帰宅後に録画しておいたレースを見る。スタート直後に的場が躓き落馬、それ以外はバラついたスタートだったが目立った不利は無く、ロツキー、アンフィーイモン、エコルの順でしばらく行くが、向う正面半ばでハタノがハナ主張し先頭へ、ロッキーは競らずに馬ナリで2番手追走、3角手前でエコルが手応えが悪いので内田が意図的にかそれとも気性面で内にササったか判らないのだが、外からインへ馬を入れる。逃げ一手と思った馬がハナを主張しないのもあって、予想したより激しいペースにはならない。2番手に付けたロッキーが叩き合いの末ハタノを交わしゴール前一杯になりながらスピニングの追撃を凌ぎ1着、一番人気のエコルは4角ズルズルの14着に終る。
1着ロッキーアピールは、ハタノが来た時に競らなかった今野の判断の良さが結果に繋がった。また出走した馬の中では1200の適正があると思われるので、自分のレースを出来ればこの結果でもしょうがない。しかし自分のレースが出来ないとモロイ気性は相手が上がる東京盃やＪＢＣでは弱点で枠順や展開に今後も注意が必要だろう。
2着スピニングアローはレース前に危惧した通りズブくなり前には行けず、今は1200より1600前後の距離に適正があるのではないだろうか？1着馬とは距離適正の差がそのまま成績に繋がったと思われる。
3着ハタノアドニスは能力の衰えをヤネが腕で補ったが、勝つ迄は無理だったという所
4着で俺の本命ブラウンシャトレーはペースが落ち着いた事もあるが、いつもの脚が無く一息入った事と能力の衰えが有るのかも知れない。
一番人気で惨敗のエコルプレイスは、やっぱり重かったのだろうなぁ・・内田の不可解なコース取りも手応え悪かったと見るべきなのかな？
ただこのひどい負けップリは逃げ馬特有のモノで、決してナイターや馬場に問題は無いだろう、しかし抑えて味が無い馬の気がするのでロッキーアピール同様展開面での注意は必要。
逃げ馬だけに、単騎で行けば東京盃であっさり勝つ可能性もあるだけに厄介だけどねぇ
2005年08月29日
第12回アフター５スター賞
元々はナイターが軌道に乗った頃に雨後の筍の如く新設された、準重賞のアフター５賞が平成6年にアラブの3冠廃止等のアラブの重賞が減った事で重賞に格上げされ「アフター５スター賞」の名称と距離1800Mのハンデ戦で実施されるようになった。
現在の距離に変更されたのは2年前で1200M（正確には1190）になってからはハタノアドニスが2連覇をして今年3連覇を目指すが衰えも見えるし、展開面でも厳しそうだ。
サンタアニタT組のスピンニングアローは中央時代の実績では1200Mの適正は充分なのだが、前走で乗り役の張田が言っていた｢先に行けなかった｣と言う事が気になる、ズブさが出てきたので1200でどう転ぶか？スピンニングアローから入るなら中央時代の実績が段違いのエコルプレイスが初コースで、人気でもしょうがないと思われる。
今年に入ってもメイショウボーラーの3着の根岸Sを始め中央オープンでも掲示板を外していないので、よくある壊れて地方へ転入というパターンとは明らかに違う。
逃げて良績が有る馬だが番手に控える競馬でもいけそうな気もするし、強引に行けば他の逃げ馬では敵わないだろう。
どちらにしろ逃げ一手のロツキーアピールやベルモントソレイユには厳しい展開で、エコルの相手は差し馬を取る。
現段階の本線はブラウンシャトレーで裏目も押さえるつもり。スピニングアローは頭は無いと思うが2着はあるかも程度で過信は禁物、サンタアニタはインで詰り外に出せなかったベルモントストームの方が強い内容だったので少々押さえれば良い。穴はナイキゲルマンで天下一品のジリ脚の持ち主だが混戦で切れない分バテ無い怖さがある。
＊30日追記
どうも今開催の大井はインが有利の馬場で、この馬場と内枠なら、実力には衰えが見えるがヤネがこういう馬場が得意な石崎隆之に乗り替わったハタノアドニスが、石崎特有のねちっこい隙を突いた競馬をしそうで怖い。
現在の距離に変更されたのは2年前で1200M（正確には1190）になってからはハタノアドニスが2連覇をして今年3連覇を目指すが衰えも見えるし、展開面でも厳しそうだ。
サンタアニタT組のスピンニングアローは中央時代の実績では1200Mの適正は充分なのだが、前走で乗り役の張田が言っていた｢先に行けなかった｣と言う事が気になる、ズブさが出てきたので1200でどう転ぶか？スピンニングアローから入るなら中央時代の実績が段違いのエコルプレイスが初コースで、人気でもしょうがないと思われる。
今年に入ってもメイショウボーラーの3着の根岸Sを始め中央オープンでも掲示板を外していないので、よくある壊れて地方へ転入というパターンとは明らかに違う。
逃げて良績が有る馬だが番手に控える競馬でもいけそうな気もするし、強引に行けば他の逃げ馬では敵わないだろう。
どちらにしろ逃げ一手のロツキーアピールやベルモントソレイユには厳しい展開で、エコルの相手は差し馬を取る。
現段階の本線はブラウンシャトレーで裏目も押さえるつもり。スピニングアローは頭は無いと思うが2着はあるかも程度で過信は禁物、サンタアニタはインで詰り外に出せなかったベルモントストームの方が強い内容だったので少々押さえれば良い。穴はナイキゲルマンで天下一品のジリ脚の持ち主だが混戦で切れない分バテ無い怖さがある。
＊30日追記
どうも今開催の大井はインが有利の馬場で、この馬場と内枠なら、実力には衰えが見えるがヤネがこういう馬場が得意な石崎隆之に乗り替わったハタノアドニスが、石崎特有のねちっこい隙を突いた競馬をしそうで怖い。
2005年08月28日
南関名馬の思い出 ポートスーダン
アラブが南関で廃止されてもう大分年が経ってしまった。スマノダイドウという馬は強かったのか？と南関アラブを知らない人に聞かれた事がある。確かにアラブダービー馬であり種牡馬としても成績優秀だったアラブなので当時を知らない人は凄く強かったと想像するのだろうが、実際スマノを現実に見ている俺としてはスマノは「速い」馬で「強い」と言うのとは違うなぁと答えた。スマノの同世代で「強い」と思った馬はホウラツキーとポートスーダンの2頭だった。アラブダービーでもポートが1番人気でホウラツキーが2番人気スマノが3番人気だったと記憶している。今日はその中の1頭ポートスーダンの事を語りたい。
ポートスーダンは「センジユの再来」と呼ばれた船橋のダイリンの弟で、川崎の名門井上宥蔵厩舎からデビューした、2歳時に天才的な活躍をした兄とは違ってデビューは遅く10月の半ばの出走でこの年は3戦消化し、いづれも楽勝で良血馬らしく3連勝で年を終える。年明けの初戦は川崎の1500Mの条件戦だったがリリークラウンにわずかクビ及ばず2着、連投で出走した大井の福寿草特別では6着大敗とややリズムに狂いが生じて来たが、続く大井白梅特別では評判馬バビロンに完勝し、ここで一気に弾みをつけるかと思ったポートの前に現れたのが好ライバルのホウラツキーだった。
大井アラブ4歳特別では後の楠賞馬ワールドタカシを破るがホウラツキーには3馬身差の完敗、八王子記念でも暮れの争覇で2歳チャンピオンになったキングユワブチを破るも、ホウラツキーには1馬身半及ばなかった。
しかし巻き返しを狙い出走した千鳥賞でついにライバルホウラツキーを3/4馬身差封じ、兄のダイリンが出走出来なかったクラシック制覇を果たす。
古馬初挑戦となった次走ではレコードのおまけ付で古馬を完封、続く鎌倉記念でも船橋の快速牝馬ダライラマを4馬身ちぎり捨てアラブダービーの大本命と言われた。
アラブダービーでポートとホウラツキー2頭の前に立ちふさがったのは佐賀園田経由で大井の名門小暮厩舎に来たスマノダイドウだった、スマノのヤネの高橋三郎は絶妙な大逃げを打ち、ポ−トスーダンは捕まえに行き末脚を無くし3着ホウラツキーもスマノを捕らえきれず2着となった。
ダービーでの無念を晴らすかの如く出走したワード賞でもマルヒタカシに完敗し再びホウラツキーにも先着を許す3着に終わった。
しかしポートスーダンの快進撃は次走白百合賞から始まる。
前年の大賞典でタイムラインの2着だったキングタカラに完勝、大井のオープン特別でもランドキング以下をちぎり、アラブ王冠ではスマノとホウラツキーがいない空き家同然の面子でこれも完勝、準重賞奥多摩特別でも敵はいなく、4連勝で全日本アラブ大賞典に臨んだ。
そのポートの前に再び、園田に転厩し園田代表として南関に戻って来たホウラツキーが現れた。
東海代表の天才ランナーの誉れ高いスーパーライトの逃げをホウラツキーはマークし抜け出しゴールを目指す、ポートスーダンも追いすがるが1馬身及ばすホウラツキー先頭でゴールした。
大賞典制覇を目指し翌年も現役を続行したポートの相手は斤量を背負わされるアラブ戦では無くサラ相手のレースだった。
しかしサラ相手でもポートスーダンの強さは発揮され、川崎の新春特別でサラのオープン馬ウインザラインを1馬身差、続く大井の準重賞新春盃ではウインザラインにタイム差無しの2着、大井立春特別では元中央馬クインズベイ（オールカマー勝ちアサカシルバーの母）に0,1秒差の2着、大井こととい特別、川崎オープン特別2連勝とサラ相手でも互角以上の強成績を残し休養に入る。
大賞典制覇を目指して秋に始動したポートの初戦は再びサラ相手の大井おおとり特別、しかしこのレースでポートは8着に大敗し、続いて出走した大賞典のＴＲ勝島特別でも62Ｋの斤量の為かタケデンジヤンボに2馬身差をつけられる。
そして迎えた大賞典では中央で活躍し大井でも敵無しの「魔女」イナリトウザイとの初対決が待っていた。
レースは魔女イナリトウザイが逃げるが、川崎の快速ホツカイタケルがイナリトウザイに執拗に絡み、さながら短距離戦の如く2頭が競り合う展開で、ポート騎乗の竹島はペースに幻惑されず待機策、3角で競り落とされたホッカイが故障したかの様にズルズル後退する中イナリトウザイはゴールを目指すも、ハイペースで競った為に脚色に余裕は無い、満を持して仕掛けた集団がイナリに襲い掛かるとイナリは馬群に沈み5着、ポ−トスーダンは楠賞馬でダービー2着のグリンフアストに4馬身差の圧勝、念願の大賞典のタイトルを手にした。
この時代の南関アラブは怪物と呼べる馬が毎年の出てきて、各地区の名人級の騎手が各地区の怪物アラブに騎乗して争うアラブ大賞典はオールスター戦さながらで、全国の名手の腕比べを含めて見るのが楽しみだったレースの一つ。時代が流れ南関からアラブ競馬は消えたばかりか、全国でもアラブの火は消えつつある。悲しくもあり残念でもある。
ポートスーダンは「センジユの再来」と呼ばれた船橋のダイリンの弟で、川崎の名門井上宥蔵厩舎からデビューした、2歳時に天才的な活躍をした兄とは違ってデビューは遅く10月の半ばの出走でこの年は3戦消化し、いづれも楽勝で良血馬らしく3連勝で年を終える。年明けの初戦は川崎の1500Mの条件戦だったがリリークラウンにわずかクビ及ばず2着、連投で出走した大井の福寿草特別では6着大敗とややリズムに狂いが生じて来たが、続く大井白梅特別では評判馬バビロンに完勝し、ここで一気に弾みをつけるかと思ったポートの前に現れたのが好ライバルのホウラツキーだった。
大井アラブ4歳特別では後の楠賞馬ワールドタカシを破るがホウラツキーには3馬身差の完敗、八王子記念でも暮れの争覇で2歳チャンピオンになったキングユワブチを破るも、ホウラツキーには1馬身半及ばなかった。
しかし巻き返しを狙い出走した千鳥賞でついにライバルホウラツキーを3/4馬身差封じ、兄のダイリンが出走出来なかったクラシック制覇を果たす。
古馬初挑戦となった次走ではレコードのおまけ付で古馬を完封、続く鎌倉記念でも船橋の快速牝馬ダライラマを4馬身ちぎり捨てアラブダービーの大本命と言われた。
アラブダービーでポートとホウラツキー2頭の前に立ちふさがったのは佐賀園田経由で大井の名門小暮厩舎に来たスマノダイドウだった、スマノのヤネの高橋三郎は絶妙な大逃げを打ち、ポ−トスーダンは捕まえに行き末脚を無くし3着ホウラツキーもスマノを捕らえきれず2着となった。
ダービーでの無念を晴らすかの如く出走したワード賞でもマルヒタカシに完敗し再びホウラツキーにも先着を許す3着に終わった。
しかしポートスーダンの快進撃は次走白百合賞から始まる。
前年の大賞典でタイムラインの2着だったキングタカラに完勝、大井のオープン特別でもランドキング以下をちぎり、アラブ王冠ではスマノとホウラツキーがいない空き家同然の面子でこれも完勝、準重賞奥多摩特別でも敵はいなく、4連勝で全日本アラブ大賞典に臨んだ。
そのポートの前に再び、園田に転厩し園田代表として南関に戻って来たホウラツキーが現れた。
東海代表の天才ランナーの誉れ高いスーパーライトの逃げをホウラツキーはマークし抜け出しゴールを目指す、ポートスーダンも追いすがるが1馬身及ばすホウラツキー先頭でゴールした。
大賞典制覇を目指し翌年も現役を続行したポートの相手は斤量を背負わされるアラブ戦では無くサラ相手のレースだった。
しかしサラ相手でもポートスーダンの強さは発揮され、川崎の新春特別でサラのオープン馬ウインザラインを1馬身差、続く大井の準重賞新春盃ではウインザラインにタイム差無しの2着、大井立春特別では元中央馬クインズベイ（オールカマー勝ちアサカシルバーの母）に0,1秒差の2着、大井こととい特別、川崎オープン特別2連勝とサラ相手でも互角以上の強成績を残し休養に入る。
大賞典制覇を目指して秋に始動したポートの初戦は再びサラ相手の大井おおとり特別、しかしこのレースでポートは8着に大敗し、続いて出走した大賞典のＴＲ勝島特別でも62Ｋの斤量の為かタケデンジヤンボに2馬身差をつけられる。
そして迎えた大賞典では中央で活躍し大井でも敵無しの「魔女」イナリトウザイとの初対決が待っていた。
レースは魔女イナリトウザイが逃げるが、川崎の快速ホツカイタケルがイナリトウザイに執拗に絡み、さながら短距離戦の如く2頭が競り合う展開で、ポート騎乗の竹島はペースに幻惑されず待機策、3角で競り落とされたホッカイが故障したかの様にズルズル後退する中イナリトウザイはゴールを目指すも、ハイペースで競った為に脚色に余裕は無い、満を持して仕掛けた集団がイナリに襲い掛かるとイナリは馬群に沈み5着、ポ−トスーダンは楠賞馬でダービー2着のグリンフアストに4馬身差の圧勝、念願の大賞典のタイトルを手にした。
この時代の南関アラブは怪物と呼べる馬が毎年の出てきて、各地区の名人級の騎手が各地区の怪物アラブに騎乗して争うアラブ大賞典はオールスター戦さながらで、全国の名手の腕比べを含めて見るのが楽しみだったレースの一つ。時代が流れ南関からアラブ競馬は消えたばかりか、全国でもアラブの火は消えつつある。悲しくもあり残念でもある。
2005年08月27日
南関東の名騎手の条件
大昔に船橋の名騎手と謳われた方と話した事がある。その時に「一流騎手の条件」と聞いたのだが、その方はニヤリと笑って「まっすぐに走らせる事が出来る乗り役の事だよ」と至極当たり前の事をさらりと言った。正直賺された気分で不審顔の俺の心の内を見透かすように「納得出来ないかい？でもなぁ馬は生き物で内にササッたり外に膨れたりするのを御しながら走らせるんだぞ、しかも競馬は直線だけじゃ4回コーナーを回ってこなきゃいけない、思うほどまっすぐ走らせることは簡単じゃないんだよ」
と小僧の俺をやさしく諭すように話してくれた。
さらに「超一流の騎手とは？」と聞く俺に、少し考え言葉を選びながら「クビ、ハナで勝てる騎手だな、ちぎって勝つなら減量のあんちゃんでも勝てる、巧い騎手ほどレースで負担をかけない様に巧く乗るから派手さは無いかも知らないが、ゴール前じゃしっかり前に出ている」と言っていた。またこれはある人から聞いたのだが別の船橋の名手（俺が話を聞いた人の弟弟子にあたる）が名騎手の条件として「自分の思い通りの着差で勝てる騎手」と言っていたらしい。
この話を思い出して名古屋の天才坂本敏美の伝説の騎乗と言われる昭和59年の全日本アラブ大賞典の話をしたい。
この年の大賞典は岩手から転厩し南関で勝ちまくっていたローゼンガバナーと、一昨年2着昨年3着と道営から参戦し好成績だったイワミーボーイが今年は盛岡経由で大井に転厩し必勝体制と面子は揃ったが、もう一頭笠松の怪物キンカイチフジが3歳馬でも、初コンビとなる坂本敏美が昨年大賞典を制し大井コースでの乗り方を手の内に入れているので古馬と互角以上に戦えるのではないかと噂された。
レースは荒尾から参戦したダイジユフレームの逃げで始まった。ローゼンガバナー3番手に控えイワミとキンカは中段でローゼンを見るように待機する。ダイジユが後退するとローゼンが先頭で4角を回る、キンカイチフジはスルスルとインからローゼンに迫り直線半ばでローゼンを交わすと坂本は手綱を緩め持ったままに、しかし豪腕桑島騎乗のローゼンがステッキに応えて再び伸びる、しかし坂本は持ったまま馬ナリでゴール。
レース後坂本敏美は「ローゼンが来たのは判ったが、もう交わすだけの脚は残っていないと判っていたので追わなかった」と答えた。
東海地区の天才と言われ、あのアンカツすら敵わなかった坂本敏美の凄みが出たコメントだった。
さて今居る南関の騎手で本当の「超一流」は何人いるのだろうか？今の南関リーディングのトップを走る方は一流騎手ではあるが、まだまだ「超」が付く一流とは個人的に思っていない。
と小僧の俺をやさしく諭すように話してくれた。
さらに「超一流の騎手とは？」と聞く俺に、少し考え言葉を選びながら「クビ、ハナで勝てる騎手だな、ちぎって勝つなら減量のあんちゃんでも勝てる、巧い騎手ほどレースで負担をかけない様に巧く乗るから派手さは無いかも知らないが、ゴール前じゃしっかり前に出ている」と言っていた。またこれはある人から聞いたのだが別の船橋の名手（俺が話を聞いた人の弟弟子にあたる）が名騎手の条件として「自分の思い通りの着差で勝てる騎手」と言っていたらしい。
この話を思い出して名古屋の天才坂本敏美の伝説の騎乗と言われる昭和59年の全日本アラブ大賞典の話をしたい。
この年の大賞典は岩手から転厩し南関で勝ちまくっていたローゼンガバナーと、一昨年2着昨年3着と道営から参戦し好成績だったイワミーボーイが今年は盛岡経由で大井に転厩し必勝体制と面子は揃ったが、もう一頭笠松の怪物キンカイチフジが3歳馬でも、初コンビとなる坂本敏美が昨年大賞典を制し大井コースでの乗り方を手の内に入れているので古馬と互角以上に戦えるのではないかと噂された。
レースは荒尾から参戦したダイジユフレームの逃げで始まった。ローゼンガバナー3番手に控えイワミとキンカは中段でローゼンを見るように待機する。ダイジユが後退するとローゼンが先頭で4角を回る、キンカイチフジはスルスルとインからローゼンに迫り直線半ばでローゼンを交わすと坂本は手綱を緩め持ったままに、しかし豪腕桑島騎乗のローゼンがステッキに応えて再び伸びる、しかし坂本は持ったまま馬ナリでゴール。
レース後坂本敏美は「ローゼンが来たのは判ったが、もう交わすだけの脚は残っていないと判っていたので追わなかった」と答えた。
東海地区の天才と言われ、あのアンカツすら敵わなかった坂本敏美の凄みが出たコメントだった。
さて今居る南関の騎手で本当の「超一流」は何人いるのだろうか？今の南関リーディングのトップを走る方は一流騎手ではあるが、まだまだ「超」が付く一流とは個人的に思っていない。
2005年08月26日
南関名馬の思い出 イナリワン
「上がり馬」と言う言葉があるが、俺的には下のクラスから上がって来た馬と解釈していて、クラスが細分化されている南関では余程の事が無い限りクラスの壁にあたり苦しむケースが多い。勝ち方を見れば上のクラスで通用するか判るのでは？と思う方も多いだろうが、「持ったまま楽勝」した馬が、実は追ったら大した事が無かったと言うケースも多いので、人気を背負う分旨みが無いので切った馬券を買うか、レースをケンするかがほとんどで、「上がり馬」から馬券を買うなんて事は無いのが多い。
そんな俺が条件戦出走当時から、これは重賞級どころか絶対に大井を代表する名馬になる！と周りに言い続け、馬券を買っていた「上がり馬」がいた、イナリワンの事である。
イナリワンの父は、この時期地方で一番活躍していた名種牡馬ミルジョージで、調教師は中央競馬の天才騎手と謳われた福永洋一の兄の二三雄師（船橋競馬で天才と言われた福永尚武の兄でもある）馬主は中央競馬ではカミノの冠号でお馴染みの保手浜氏だった。
イナリワンは新馬を勝った後に馬房で頭に外傷を負った為に春のクラシックロードには乗り損ねた、どうも馬房内で暴れた事が原因らしく、ミルジョージの仔特有の気性の激しさが悪い方に出たらしい。その傷が原因で取り消した1月のレースからようやく出走出来たのが羽田盃も終わった5月20日で、ここで初めて俺はイナリワンを見る事となる。
パドックで見るイナリワンは、ミルジョージ産駒の特徴の、体が小さい為見栄えはしない事と、気性の激しさがイレ込みに見えて、馬券の対象にはならないだろうと切った。しかしレースを見てビックリ、当時逃げとイン3番手で決まっていた大井コースで、絶対してはいけない馬場の外々回って楽勝したではないか。レース後それを見た仲間内で「こいつはモノが違うかも」と騒いでいた。続く条件戦でも外枠を引いたが、外から一捲くりで楽勝、その後は特別戦で相手も骨っぽくなったが、何れも捲くりで楽勝し、準重賞トゥインクルエイジカップで後に中央入りするハナキリユウやテイードリーム等を相手に楽勝した時は早くも東京王冠はイナリワンで確実と思った。
東京王冠は、春羽田と東京ダービーの1着2着が不在で、ライバルと言えるのは京浜盃馬クリノロイヤルと黒潮盃馬チヤンピオンスター戸塚記念馬マルケンアキーラだったが、クリノは京浜盃以来の休養明け、チヤンピオンも夏の準重賞惨敗後一息入りと実力馬が順調に来ていないのでは、イナリが楽勝するのは当然だった。
その後年末の東京大賞典で古馬との対決が期待されたイナリワンだったが、陣営はこの年船橋に新設された重賞の東京湾カップへの出走を表明し、俺としては肩透かしを食らった気持ちになった。
ところが確勝を期して臨んだ筈の東京湾カップでは、イナリワンの激しい気性と小回り船橋コースが合っていない為か終始カカリ気味で、勝負付けの済んでいるマルケンアキーラをようやくゴール前でクビだけ交わす辛勝だった。
それから年を明け、古馬と初対戦の金盃3着帝王賞では7着と大敗するのだが、理由として考えられるのは雨が降り泥田の如くの不良馬場（当時大井は不良表記が無く重表記だが）ではイナリワンの激しい気性が悪いほうに出て走る気を無くしたのでは？という事だと思われる。関東盃でも運が悪いことに又雨が降り不良馬場で5着惨敗した。
惨敗が続き評価が落ちつつあったイナリワンだが、東京記念でカカリながら最後ゴール前で再び伸びた脚に、俺は必ず復活するだろうという確信を得た。
東京記念に続いて出走したのは、この年新設された笠松の招待競走の全日本サラブレットカップに道営フシミラツキー、高崎カツノコバン、元大井で金沢に移籍したシナノジヨージと共に大井代表として参加、元中央で笠松で復活した怪物フエートノーザンと対決した。しかしやはり笠松の小回りコースにはイナリは不向きで、折り合いを欠いた状態では怪物フエートノーザンには敵う訳も無く2着だった。しかし遠征や小回りコースの不利な条件での2着は逆に復活の狼煙ではないかと思い、好走の条件の揃う大井のでの東京大賞典での期待が高まった。
東京大賞典では水沢のダービーGPを勝って凱旋したアエロプラーヌが人気を集め、イナリは不振が続いた事と調教が悪かった為２〜３番人気（最終的にアエロ、アラナスモンタに続く3番人気）だった。俺も笠松遠征での反動が出て調教が悪いのかと一抹の不安を覚えたが、当日版の新聞を見るとイナリ陣営は、朝追いを敢行している。よしっ！これで仕上がったはず、イナリが仕上がれば、逃げるアエロは4角で捲くり潰されるはずだからカモだ、アラナス本線でほぼ決まりだろうと勝負した。
はたしてレースは俺が予想した通り決着で、イナリはこのレースを最後に中央入りした。中央入りの後の気難しい部分が出ると凡走したが大一番でのアッと言わせる勝利も有りオグリキャップと共に地方競馬出身の馬の底力を発揮してくれた。
イナリワンの大井時代の古馬になってからの不振と中央での活躍でダート向きでは無かったと言う人がいるが、ダート不向きな馬があの時代の大井競馬でオープン馬相手に外から捲くる勝ち方など出来るはずがない。確かに芝適正もあったがダート適性もあったからこそイナリワンは南関で活躍できたと思っている。
そんな俺が条件戦出走当時から、これは重賞級どころか絶対に大井を代表する名馬になる！と周りに言い続け、馬券を買っていた「上がり馬」がいた、イナリワンの事である。
イナリワンの父は、この時期地方で一番活躍していた名種牡馬ミルジョージで、調教師は中央競馬の天才騎手と謳われた福永洋一の兄の二三雄師（船橋競馬で天才と言われた福永尚武の兄でもある）馬主は中央競馬ではカミノの冠号でお馴染みの保手浜氏だった。
イナリワンは新馬を勝った後に馬房で頭に外傷を負った為に春のクラシックロードには乗り損ねた、どうも馬房内で暴れた事が原因らしく、ミルジョージの仔特有の気性の激しさが悪い方に出たらしい。その傷が原因で取り消した1月のレースからようやく出走出来たのが羽田盃も終わった5月20日で、ここで初めて俺はイナリワンを見る事となる。
パドックで見るイナリワンは、ミルジョージ産駒の特徴の、体が小さい為見栄えはしない事と、気性の激しさがイレ込みに見えて、馬券の対象にはならないだろうと切った。しかしレースを見てビックリ、当時逃げとイン3番手で決まっていた大井コースで、絶対してはいけない馬場の外々回って楽勝したではないか。レース後それを見た仲間内で「こいつはモノが違うかも」と騒いでいた。続く条件戦でも外枠を引いたが、外から一捲くりで楽勝、その後は特別戦で相手も骨っぽくなったが、何れも捲くりで楽勝し、準重賞トゥインクルエイジカップで後に中央入りするハナキリユウやテイードリーム等を相手に楽勝した時は早くも東京王冠はイナリワンで確実と思った。
東京王冠は、春羽田と東京ダービーの1着2着が不在で、ライバルと言えるのは京浜盃馬クリノロイヤルと黒潮盃馬チヤンピオンスター戸塚記念馬マルケンアキーラだったが、クリノは京浜盃以来の休養明け、チヤンピオンも夏の準重賞惨敗後一息入りと実力馬が順調に来ていないのでは、イナリが楽勝するのは当然だった。
その後年末の東京大賞典で古馬との対決が期待されたイナリワンだったが、陣営はこの年船橋に新設された重賞の東京湾カップへの出走を表明し、俺としては肩透かしを食らった気持ちになった。
ところが確勝を期して臨んだ筈の東京湾カップでは、イナリワンの激しい気性と小回り船橋コースが合っていない為か終始カカリ気味で、勝負付けの済んでいるマルケンアキーラをようやくゴール前でクビだけ交わす辛勝だった。
それから年を明け、古馬と初対戦の金盃3着帝王賞では7着と大敗するのだが、理由として考えられるのは雨が降り泥田の如くの不良馬場（当時大井は不良表記が無く重表記だが）ではイナリワンの激しい気性が悪いほうに出て走る気を無くしたのでは？という事だと思われる。関東盃でも運が悪いことに又雨が降り不良馬場で5着惨敗した。
惨敗が続き評価が落ちつつあったイナリワンだが、東京記念でカカリながら最後ゴール前で再び伸びた脚に、俺は必ず復活するだろうという確信を得た。
東京記念に続いて出走したのは、この年新設された笠松の招待競走の全日本サラブレットカップに道営フシミラツキー、高崎カツノコバン、元大井で金沢に移籍したシナノジヨージと共に大井代表として参加、元中央で笠松で復活した怪物フエートノーザンと対決した。しかしやはり笠松の小回りコースにはイナリは不向きで、折り合いを欠いた状態では怪物フエートノーザンには敵う訳も無く2着だった。しかし遠征や小回りコースの不利な条件での2着は逆に復活の狼煙ではないかと思い、好走の条件の揃う大井のでの東京大賞典での期待が高まった。
東京大賞典では水沢のダービーGPを勝って凱旋したアエロプラーヌが人気を集め、イナリは不振が続いた事と調教が悪かった為２〜３番人気（最終的にアエロ、アラナスモンタに続く3番人気）だった。俺も笠松遠征での反動が出て調教が悪いのかと一抹の不安を覚えたが、当日版の新聞を見るとイナリ陣営は、朝追いを敢行している。よしっ！これで仕上がったはず、イナリが仕上がれば、逃げるアエロは4角で捲くり潰されるはずだからカモだ、アラナス本線でほぼ決まりだろうと勝負した。
はたしてレースは俺が予想した通り決着で、イナリはこのレースを最後に中央入りした。中央入りの後の気難しい部分が出ると凡走したが大一番でのアッと言わせる勝利も有りオグリキャップと共に地方競馬出身の馬の底力を発揮してくれた。
イナリワンの大井時代の古馬になってからの不振と中央での活躍でダート向きでは無かったと言う人がいるが、ダート不向きな馬があの時代の大井競馬でオープン馬相手に外から捲くる勝ち方など出来るはずがない。確かに芝適正もあったがダート適性もあったからこそイナリワンは南関で活躍できたと思っている。
2005年08月25日
南関名馬の思い出 ロツキータイガー
ロツキータイガーの居た時代が南関の黄金時代と言う人もいる。同じ世代に羽田、ダービーの2冠馬キングハイセイコー、中央でも活躍したステートジヤガー、岩手から転厩して東海でも活躍したカウンテスアツプ、一つ上の世代では南関4冠馬サンオーイ、先日書いたチユウオーリガル、そしてロツキーの好ライバルだったテツノカチドキと層の厚い面子が揃っていた。
ロツキタイガーは父ミルジョージ産駒でロツキーがミルジョージ2世代目だったが初年度産駒から浦和桜花賞で1着2着するなど、後に公営リーディングサイヤーになるのは当然の風格がある種牡馬だった。調教師の泉孝は元々は大井の中山真一の弟子で、中山の他界後船橋に移り活躍した騎手だったが、調教師としては中々重賞級は育てられずにいた。
ロツキタイガーを俺が初めて見たのは2月船橋で行われた準重賞の若潮盃で、当時はこの後宇都宮に移籍する古市修二が騎乗していたが桑島ワイドイーグルの前に負けていて、その当時は強烈な印象が残っていない。生粋のステイヤーだったロツキーにはこの時期のレースは距離が不足していた為だろうこの時期のロツキーは勝ったり負けたりと安定した成績では無い。
その真価が発揮されるのは次走大井の雲取賞だった。桑島孝春と初コンビを組んだロツキーの相手は大井でも素質馬として評判だったアローエクスプレス産駒の５００K超える大型馬で３連勝中のアローロマネスクだったが、外回り1700はロツキーにとって本領を発揮するのには持って来いの舞台で、先行するアローをあっさり差し切り快勝した。
しかし羽田盃では桑島が自厩舎のワイドイーグル騎乗の為川島正行に乗り替る事になった。羽田での川島の乗り方の酷さは呆れる程で13頭立てのシンガリ、それもブービーの12頭目から大きく離れた位置取りで、こりゃレース棄ててるなぁと言う競馬だったのが直線だけで2着のステートジヤガーに0,2秒差まで追い上げてきたのだから、さらに距離が伸びる東京ダービーでは打倒キングハイセイコーの一番手だろうと思いロツキーの単とキングとの連複を死ぬほど買った記憶がある。残念ながらキングには0,3秒及ばなかったがステートジヤガーは交わして、秋の王冠ではキングとの逆転もあるぞと思われた。
秋になり再び桑島孝春とコンビを組んだロツキーは準重賞いちょう賞から翌年帝王賞までキング、テツノ、カウンテスといった強豪相手に破竹の連勝を続けた。
その後報知オールスターカップでは、後の帝王賞馬トムカウントとテツノに負けるも正直状態のピークが過ぎていたのと、当時の南関の層の厚さでは展開一つで先着を許してもしょうがないという敗戦、NTV盃での敗戦も馬場が悪く軽量ブランドオスカーに巧くレースをされケタグリ負けと言う印象がした、ただガサの無い馬だけに斤量59Kが響いたのかと、今後斤量を背負うレースが増える事に一抹の不安を覚えたのも事実だった。
秋になり東京記念でのテツノとの死闘、また皇帝ルドルフを苦しめたJCで全国に地方の勇者として名を轟かせたが、ロツキーのピークはJC迄だった気がする。
大賞典ではテツノとの牽制仕合った結果老雄スズユウに逃げ切られ、年が明けても俺が以前に心配した通り斤量が重くなったのが響いたのか一息足らないレースが続き、定量で出れる帝王賞でも、かつての豪脚は復活しなかった。その後関東盃使った後脚部不安の為引退した。
この時代の桑島孝春は南関総合リーディングトップで一番輝いていた全盛期。その桑島とコンビを組んでいたロツキーも派手なレースっぷりで、ファンを魅了していた。輝いていた騎手と輝いていた馬のコンビ、これこそ南関東に咲いた大輪の花だった
ロツキタイガーは父ミルジョージ産駒でロツキーがミルジョージ2世代目だったが初年度産駒から浦和桜花賞で1着2着するなど、後に公営リーディングサイヤーになるのは当然の風格がある種牡馬だった。調教師の泉孝は元々は大井の中山真一の弟子で、中山の他界後船橋に移り活躍した騎手だったが、調教師としては中々重賞級は育てられずにいた。
ロツキタイガーを俺が初めて見たのは2月船橋で行われた準重賞の若潮盃で、当時はこの後宇都宮に移籍する古市修二が騎乗していたが桑島ワイドイーグルの前に負けていて、その当時は強烈な印象が残っていない。生粋のステイヤーだったロツキーにはこの時期のレースは距離が不足していた為だろうこの時期のロツキーは勝ったり負けたりと安定した成績では無い。
その真価が発揮されるのは次走大井の雲取賞だった。桑島孝春と初コンビを組んだロツキーの相手は大井でも素質馬として評判だったアローエクスプレス産駒の５００K超える大型馬で３連勝中のアローロマネスクだったが、外回り1700はロツキーにとって本領を発揮するのには持って来いの舞台で、先行するアローをあっさり差し切り快勝した。
しかし羽田盃では桑島が自厩舎のワイドイーグル騎乗の為川島正行に乗り替る事になった。羽田での川島の乗り方の酷さは呆れる程で13頭立てのシンガリ、それもブービーの12頭目から大きく離れた位置取りで、こりゃレース棄ててるなぁと言う競馬だったのが直線だけで2着のステートジヤガーに0,2秒差まで追い上げてきたのだから、さらに距離が伸びる東京ダービーでは打倒キングハイセイコーの一番手だろうと思いロツキーの単とキングとの連複を死ぬほど買った記憶がある。残念ながらキングには0,3秒及ばなかったがステートジヤガーは交わして、秋の王冠ではキングとの逆転もあるぞと思われた。
秋になり再び桑島孝春とコンビを組んだロツキーは準重賞いちょう賞から翌年帝王賞までキング、テツノ、カウンテスといった強豪相手に破竹の連勝を続けた。
その後報知オールスターカップでは、後の帝王賞馬トムカウントとテツノに負けるも正直状態のピークが過ぎていたのと、当時の南関の層の厚さでは展開一つで先着を許してもしょうがないという敗戦、NTV盃での敗戦も馬場が悪く軽量ブランドオスカーに巧くレースをされケタグリ負けと言う印象がした、ただガサの無い馬だけに斤量59Kが響いたのかと、今後斤量を背負うレースが増える事に一抹の不安を覚えたのも事実だった。
秋になり東京記念でのテツノとの死闘、また皇帝ルドルフを苦しめたJCで全国に地方の勇者として名を轟かせたが、ロツキーのピークはJC迄だった気がする。
大賞典ではテツノとの牽制仕合った結果老雄スズユウに逃げ切られ、年が明けても俺が以前に心配した通り斤量が重くなったのが響いたのか一息足らないレースが続き、定量で出れる帝王賞でも、かつての豪脚は復活しなかった。その後関東盃使った後脚部不安の為引退した。
この時代の桑島孝春は南関総合リーディングトップで一番輝いていた全盛期。その桑島とコンビを組んでいたロツキーも派手なレースっぷりで、ファンを魅了していた。輝いていた騎手と輝いていた馬のコンビ、これこそ南関東に咲いた大輪の花だった
2005年08月24日
大井競馬は、お嫌いですか？
大井含め南関競馬のファンを長くやっているが、南関は同じ地方競馬ファンから反感を買う事が多いようだ。特にネットでの一部他地区ファンを自称する大井や南関競馬叩きなるものは的外れの事が多くて呆れる事もしばしば有る。
昨年末の大井と浦和と美浦の一部の厩舎で使用されていた飼料に禁止薬物が混入していた事件では、禁止薬物入りミネラル塩を大半の厩舎が飼葉に混ぜていた集団ドーピング事件と事実を捻じ曲げあげくは、ドーピングの責任を取り大井競馬の東京大賞典は開催中止しろとまで言うに於いては報道された文章の読解能力皆無、地方競馬の知識皆無であると、自ら世間に晒しているのと同じで、こんな人間がファンと名乗っている他地区のファンが逆に可哀相になるくらいである。もしこんな人間が他地区で同様な事が起こり南関ファンと名乗って同様の事を書き連ねたら、俺は同じ南関ファンとして恥ずかしく思うからだ。このドーピング事件と一部の読解力皆無な方が書いていた事件は、あくまでも飼料を収めていた業者側の責任で、検査結果を待たずに厩舎へ納入したらしいと聞いたので、厩舎側は被害者である。この文章読解力皆無な方は食品に劇物が混入して、消費者が購入して食べて被害にあったら消費者側を攻めるのだろうか？理解不能の論理である。また大賞典の中止云々と言っておられるが、南関の場外発売で利益を出している他地区の地方競馬があるというのをご存じないのだろうか？
別に大井競馬や南関競馬を嫌うのは個人の勝手であるし、ご自由にどうぞ、俺も嫌わないで欲しいとアンチ相手に言うつもりも無い、ただ事実を知らない憶測や間違ったデマで非難する方にはもう少し勉強してからモノを言え！と言いたい。
この手のアンチ南関アンチ大井の言い分のほとんどが、競馬評論家U氏の書いたものから引用し捻じ曲げたモノが多い。実際U氏自身は優れた視点から地方競馬の問題を斬っている部分が多く有るのを認めるが、南関への視点は偏った視点から見ている事も多く、またU氏が意図してか意図せずかは知らないが重要な部分を省いて論じている所は問題であろうと個人的にそう思っている。
良く聞く大井競馬の間違った知識
�‖膂罎魯淵ぅ拭射僂虜修杷呂�弱くなった
馬が弱くなる砂など無い。砂塵を吸って馬の能力が減少するのだろうかｗ
実際中央との能力格差が広がったのは、ナイター実施前後の中央の入厩頭数を調べて欲しい。その頭数の差が今まで南関に入厩するはずだった馬が中央に入厩しているのだからしょうがない。
�⊂浙發�他地区より高かったり、わがままを言ったりと大井は地方の秩序を乱してる
賞金が高いのは大井の売り上げが高いから当たり前の事
わがままと言うのは確かにそうだが、どこの地区も五十歩百歩の事だし、現実に大井は一番地全協に多く金を払っている（売り上げの1,5％だったかな？）ので発言力が強くなるのはこれも当たり前。
�Ｅ豕�大賞典の距離が短縮されたのはコンサートボーイもしくはアブクマポーロを勝たすため
主催者からすれば出走してくれて客が入れば何が勝とうが関係ないし、ましてやアブクマなんて他地区の馬、なんで他地区の馬の為に伝統の重賞の距離を変更いなければならないのだろう？あくまで大賞典の距離変更は「ダート格付け委員会」から２０００にしないと格付け外すと言われ 大井側では２６００か２４００の距離を希望したがはねつけられ 結局圧力に負け２０００になった。人から聞いた話だとJDDの構想が当時から有った為距離短縮とJDDのG�騎壁佞韻鬟弌璽拭室莪�の形でとったと云う事もあるらしい。
昨年末の大井と浦和と美浦の一部の厩舎で使用されていた飼料に禁止薬物が混入していた事件では、禁止薬物入りミネラル塩を大半の厩舎が飼葉に混ぜていた集団ドーピング事件と事実を捻じ曲げあげくは、ドーピングの責任を取り大井競馬の東京大賞典は開催中止しろとまで言うに於いては報道された文章の読解能力皆無、地方競馬の知識皆無であると、自ら世間に晒しているのと同じで、こんな人間がファンと名乗っている他地区のファンが逆に可哀相になるくらいである。もしこんな人間が他地区で同様な事が起こり南関ファンと名乗って同様の事を書き連ねたら、俺は同じ南関ファンとして恥ずかしく思うからだ。このドーピング事件と一部の読解力皆無な方が書いていた事件は、あくまでも飼料を収めていた業者側の責任で、検査結果を待たずに厩舎へ納入したらしいと聞いたので、厩舎側は被害者である。この文章読解力皆無な方は食品に劇物が混入して、消費者が購入して食べて被害にあったら消費者側を攻めるのだろうか？理解不能の論理である。また大賞典の中止云々と言っておられるが、南関の場外発売で利益を出している他地区の地方競馬があるというのをご存じないのだろうか？
別に大井競馬や南関競馬を嫌うのは個人の勝手であるし、ご自由にどうぞ、俺も嫌わないで欲しいとアンチ相手に言うつもりも無い、ただ事実を知らない憶測や間違ったデマで非難する方にはもう少し勉強してからモノを言え！と言いたい。
この手のアンチ南関アンチ大井の言い分のほとんどが、競馬評論家U氏の書いたものから引用し捻じ曲げたモノが多い。実際U氏自身は優れた視点から地方競馬の問題を斬っている部分が多く有るのを認めるが、南関への視点は偏った視点から見ている事も多く、またU氏が意図してか意図せずかは知らないが重要な部分を省いて論じている所は問題であろうと個人的にそう思っている。
良く聞く大井競馬の間違った知識
�‖膂罎魯淵ぅ拭射僂虜修杷呂�弱くなった
馬が弱くなる砂など無い。砂塵を吸って馬の能力が減少するのだろうかｗ
実際中央との能力格差が広がったのは、ナイター実施前後の中央の入厩頭数を調べて欲しい。その頭数の差が今まで南関に入厩するはずだった馬が中央に入厩しているのだからしょうがない。
�⊂浙發�他地区より高かったり、わがままを言ったりと大井は地方の秩序を乱してる
賞金が高いのは大井の売り上げが高いから当たり前の事
わがままと言うのは確かにそうだが、どこの地区も五十歩百歩の事だし、現実に大井は一番地全協に多く金を払っている（売り上げの1,5％だったかな？）ので発言力が強くなるのはこれも当たり前。
�Ｅ豕�大賞典の距離が短縮されたのはコンサートボーイもしくはアブクマポーロを勝たすため
主催者からすれば出走してくれて客が入れば何が勝とうが関係ないし、ましてやアブクマなんて他地区の馬、なんで他地区の馬の為に伝統の重賞の距離を変更いなければならないのだろう？あくまで大賞典の距離変更は「ダート格付け委員会」から２０００にしないと格付け外すと言われ 大井側では２６００か２４００の距離を希望したがはねつけられ 結局圧力に負け２０００になった。人から聞いた話だとJDDの構想が当時から有った為距離短縮とJDDのG�騎壁佞韻鬟弌璽拭室莪�の形でとったと云う事もあるらしい。
2005年08月23日
南関競馬昔の四方山話
高知競馬で3頭立てのレースを８月終わりから実施するらしい。
昔大井で3頭立てのレースを昭和49年頃に見た記憶がある。もちろん最初から3頭だったのでは無く元は5頭出走予定だったのだが1頭がレース前に取り消しをして、もう1頭が返し馬の途中で故障して結果3頭になった。そのレースで騎乗していたのは佐々木竹見騎手と的場の兄弟子の瀧沢勝（もう一人は忘れたが松浦か赤間だったか？）で、3頭立てのレースなど馬券を買う気もしないのでレースを見ていたが、4角で瀧沢が追い出したのだが竹見さんともう一人の騎手の間を割ろうとして挟まれる不利があって3着シンガリ負け・・・ヲイヲイ多頭数ならまだしも、たった3頭でのレースで挟まれるとはさすが小暮のミソッカス瀧沢と、ある意味感心した。瀧沢勝は元々は船橋森誉厩舎で下乗りをしていたが、大井小暮厩舎で下乗りをしていた野田哲雄（後高知移籍）とトレードされ名門小暮厩舎へ来た、しかし兄弟子赤間、松浦、サブがいて弟弟子は的場文男と名手に挟まれ瀧沢勝は南関で重賞を勝つ事無く早くに引退した。
その瀧沢の兄弟子で佐々木竹見が若い頃の南関総合トップの座にいたのが松浦備。松浦といえば元祖「水車ムチ」使い手で、南関の一時代を築いた名手だが、この名手も早くに引退した。理由は視力が極度に落ちた為ゴール板の位置を間違えたりする事があった為だった。しかし調教師になった頃は攻め馬に乗り、馬を追う姿は現役さながらで評判だった。現在調教師の松浦裕之は実子だったが父の腕には遥か及ばず、ニジンスキーに乗っても勝てないと言われた（裕之の勝負服はニジンスキーの勝負服の柄と同じ）ヘボだった。
先日知り合いに昭和52年のサギヌマグツトリー関東オークスが9月に施行されているのは何故かと聞かれた。この理由は5月に通常通り実施予定が、2日前の騒擾事件の為以後の開催が中止になった為である。騒擾事件の直接の原因は最終レースで一番人気だった佐々木竹見騎乗の馬がゲートで膠着し大出遅れした事。しかしこの日は竹見さんが朝から人気でコケ人気薄で馬券になるという事が続いたのが、普段競馬場に来ない者の不満になっていた事が根底にあると思われる。（この日はギャンブルホリデーで競艇、競輪等の他の競技ファンが多く居た）この当時の竹見さんと言えば「神様」同然の騎乗振りで「判らなかったら竹さんから買え」とも言われていたくらいだったので、ビギナーにとってこの日は馬券を的中し辛い一日で、最終の大出遅れで不満が爆発したのだろう。実際この日は川崎に居たのだが、暴徒が窓口に、新聞に火を点け突っ込んだり予想屋のテント（当時は予想屋の台はテントの屋根）やゴミ箱に火を点けたりと今では想像出来ない程の暴れっぷりで、俺も知り合いの両替屋をかばって怪我をした。翌日川崎競馬場の正門前に機動隊が並び「本日の競馬は中止になりました」とスピーカーで怒鳴っていたのも今では懐かしい。
この年の関東オークス馬になったサギヌマグツトリーはこの時期は条件馬で、本来5月に実施されていたら勝つ所か出走すら叶わなかった馬だった。川崎が2日間中止になってに船橋に開催場所が移った初日にサギヌマは条件戦に出走した。その時に癖馬と言われた本領を発揮してレース中にバカツキ騎乗していた角田次男を内ラチに叩き付け再起不能にした。
昔大井で3頭立てのレースを昭和49年頃に見た記憶がある。もちろん最初から3頭だったのでは無く元は5頭出走予定だったのだが1頭がレース前に取り消しをして、もう1頭が返し馬の途中で故障して結果3頭になった。そのレースで騎乗していたのは佐々木竹見騎手と的場の兄弟子の瀧沢勝（もう一人は忘れたが松浦か赤間だったか？）で、3頭立てのレースなど馬券を買う気もしないのでレースを見ていたが、4角で瀧沢が追い出したのだが竹見さんともう一人の騎手の間を割ろうとして挟まれる不利があって3着シンガリ負け・・・ヲイヲイ多頭数ならまだしも、たった3頭でのレースで挟まれるとはさすが小暮のミソッカス瀧沢と、ある意味感心した。瀧沢勝は元々は船橋森誉厩舎で下乗りをしていたが、大井小暮厩舎で下乗りをしていた野田哲雄（後高知移籍）とトレードされ名門小暮厩舎へ来た、しかし兄弟子赤間、松浦、サブがいて弟弟子は的場文男と名手に挟まれ瀧沢勝は南関で重賞を勝つ事無く早くに引退した。
その瀧沢の兄弟子で佐々木竹見が若い頃の南関総合トップの座にいたのが松浦備。松浦といえば元祖「水車ムチ」使い手で、南関の一時代を築いた名手だが、この名手も早くに引退した。理由は視力が極度に落ちた為ゴール板の位置を間違えたりする事があった為だった。しかし調教師になった頃は攻め馬に乗り、馬を追う姿は現役さながらで評判だった。現在調教師の松浦裕之は実子だったが父の腕には遥か及ばず、ニジンスキーに乗っても勝てないと言われた（裕之の勝負服はニジンスキーの勝負服の柄と同じ）ヘボだった。
先日知り合いに昭和52年のサギヌマグツトリー関東オークスが9月に施行されているのは何故かと聞かれた。この理由は5月に通常通り実施予定が、2日前の騒擾事件の為以後の開催が中止になった為である。騒擾事件の直接の原因は最終レースで一番人気だった佐々木竹見騎乗の馬がゲートで膠着し大出遅れした事。しかしこの日は竹見さんが朝から人気でコケ人気薄で馬券になるという事が続いたのが、普段競馬場に来ない者の不満になっていた事が根底にあると思われる。（この日はギャンブルホリデーで競艇、競輪等の他の競技ファンが多く居た）この当時の竹見さんと言えば「神様」同然の騎乗振りで「判らなかったら竹さんから買え」とも言われていたくらいだったので、ビギナーにとってこの日は馬券を的中し辛い一日で、最終の大出遅れで不満が爆発したのだろう。実際この日は川崎に居たのだが、暴徒が窓口に、新聞に火を点け突っ込んだり予想屋のテント（当時は予想屋の台はテントの屋根）やゴミ箱に火を点けたりと今では想像出来ない程の暴れっぷりで、俺も知り合いの両替屋をかばって怪我をした。翌日川崎競馬場の正門前に機動隊が並び「本日の競馬は中止になりました」とスピーカーで怒鳴っていたのも今では懐かしい。
この年の関東オークス馬になったサギヌマグツトリーはこの時期は条件馬で、本来5月に実施されていたら勝つ所か出走すら叶わなかった馬だった。川崎が2日間中止になってに船橋に開催場所が移った初日にサギヌマは条件戦に出走した。その時に癖馬と言われた本領を発揮してレース中にバカツキ騎乗していた角田次男を内ラチに叩き付け再起不能にした。
2005年08月21日
石崎隆之と的場文男の基礎知識
競馬場でこないだ横に居た若い兄ちゃんが、周りの連れに「的場文男はデビュー当時から天才でリーディングの常連」「逆に石崎隆之はデビュー当時は下手クソで下積みが長くて苦労していたが大きいレースを勝って認められトップになった」とか、したり顔で言っていた。その話を馴染みの予想屋の台の周りで話していたら、それを真実と思う人間の多いことにビックリした。
的場文男は兄に佐賀の現在調教師の的場信弘（大井の直之の父）がいた影響で騎手を志し、大井の名門小暮嘉久厩舎に入門、騎手学校の同期は今も現役の森下博や川崎の調教師山崎尋美、大井じゃ調教師に転進後事故で他界した石川綱夫や大井から宇都宮へ移籍した野木英文がいた。デビュー当時一番評価が高かったのは森下博で「佐々木竹見2世」だの「天才」だの言われていて一般週刊誌で取り上げられたほどで（確か週刊新潮だったかな？）重賞に騎乗する為に減量特典を返上し、実際重賞を制覇した腕前だった。的場はこの頃は森下、山崎の3番手を石川と争っていたくらいで、そこそこ乗れるあんちゃんと言うイメージで、巧いという騎乗面の印象より背が高くてニキビ面の外見の印象しかなかったと記憶している。的場がいた小暮厩舎といえば別名小暮学校と言われていたくらい名騎手が所属していた。兄弟子は赤間、松浦、高橋三、辻野、瀧澤といて、騎乗するのだけでも難しい状態が続いた。実際当時の大井ベストテンに初めて顔を出すのが昭和50年の28勝あげ10位で、上の9位には同期の石川がいる位だから天才と呼ばれる事は無く、翌年は再びベストテン圏外に落ちる。的場の転機は昭和52年で師匠の小暮の親方が他界し、長沼厩舎に移籍した頃で騎乗数も増えた。これは長沼厩舎というより大井の大馬主だった醍醐会長の持ち馬のヨシノライデンでの活躍が認められたのが大きくこの年は61勝あげ大井の騎手成績で3位になり、この年以降は3位以下になることなく大井のエースと呼ばれるようになる。
石崎隆之は、船橋の名門出川巳代造厩舎からデビューした。的場や森下とは一期前の卒業で、同期は川崎で調教師している原三男等がいる。出川厩舎といえば「重賞の出川」と言われる程、名馬が揃っていた厩舎だったが、所属騎手はたいした騎手がいない厩舎だった。大井の栗田金吾と永井繁で騎手をしていたが廃業し出川厩舎で厩務員をしながら騎手復帰した海方昭三（後、上山移籍）も下手だったし、佐藤賢二（現船橋調教師）も巧いと言うのは程遠い腕前、楠新二（現厩務員、アブクマポーロ担当で有名）も減量が厳しかったのか直ぐ廃業と馬に比べ所属の乗り役が弱く、石崎に期待がかかるもデビュー当時の石崎は肺に病気を持っていた為、騎乗どころか調教も付けられない状態で、正直言うと俺はこの時代の石崎の存在すら覚えていない。石崎を意識するのは昭和50年頃だった思うが、佐藤賢二よりは巧いかも？程度で、この年にデビューする秋田実の俺の評価に比べりゃ遥かに及ばなかった。ただし昭和52年に羽田盃馬ダイハードコトブキ（中央名ハードファンテン）とコンビを組むようになってから、追って確かになるようになり、船橋のベスト10に顔を出すようになる。成績が伴えば「重賞の出川」だけあって重賞の挑戦機会も増え、石崎のダービー初騎乗の昭和54年ではハクトウザンで本命のカツアールを直線交わして2着の大健闘、昭和56年のダービーでは本命の逃げ馬コーナンルビーのハナを叩きダイシンメロデイで絶妙な逃げをうち、ゴール前では勝ったか？と思わせる程の好騎乗もしている（結果はタイム差無しの3着）確かに南関総合に顔を出す飛躍のきっかけは昭和61年のトムカウントだったが昭和55年からは船橋ではベスト５の常連であり決して乗れない騎手ではなかった。（まぁ確かにトップ級ではなかったが今の左海級くらいの評価は充分にあったと思う）
石崎の巧さは南関4場のコースを熟知した乗り方をしており、各々のコースで無駄の無い位置取りやコースや馬場に合った仕掛けを無駄無く出来る事が長年南関総合でトップを守ってきた要因だろう。
しかし石崎は息子がデビューしてからハァ？って言うレースが多くなり信頼性に欠けだした、後は長年蓄積した勤続疲労ってやつも出てきたのか平場でのミスも多くなってきた気がする。但しここぞ！と言うレースじゃ見事な腕を見せるからねぇ・・
息子もようやく一人立ち出来そうだし、騎乗数を絞って乗ればまだまだいける気がするのだが、変なレースを続けるのなら名を汚さずに引退したほうが良いだろう。
的場の凄さは「自分の形」を持っている事で「自分の形」になれば絶対に負けないという所、また多少の不利があろうが強引に馬群を割って入りしっかり持ってくる部分も評価したいなぁ、はたして今の大井の騎手であれだけの芸当が出来る騎手は他にいるか？と言われりゃ内田博幸でも出来ていないのが現状だろう。また的場の騎乗フォームについてガタガタ言う輩もいるが、別にきれいなフォームで無くても下半身が安定してりゃ馬に対する負担が少ないので馬も伸びるし我慢が効くというのが結果として勝ち鞍に現れている。だいたい天才って言われた名古屋の坂本や船橋の角田も独特なフォームだったがしっかり結果を出していた。フォームのきれいさを競うコンテシトが競馬じゃないのだから結果が出ているのに騎手でもない素人がガタガタ言うのは見苦しいと思う。
ただ的場の場合は若い頃は大井中心の騎乗に絞っていたので石崎ほどの勤続疲労は蓄積していないと思うが年齢も年齢だけに何時まで今のスタイルの騎乗が出来るかと不安もある。
的場文男は兄に佐賀の現在調教師の的場信弘（大井の直之の父）がいた影響で騎手を志し、大井の名門小暮嘉久厩舎に入門、騎手学校の同期は今も現役の森下博や川崎の調教師山崎尋美、大井じゃ調教師に転進後事故で他界した石川綱夫や大井から宇都宮へ移籍した野木英文がいた。デビュー当時一番評価が高かったのは森下博で「佐々木竹見2世」だの「天才」だの言われていて一般週刊誌で取り上げられたほどで（確か週刊新潮だったかな？）重賞に騎乗する為に減量特典を返上し、実際重賞を制覇した腕前だった。的場はこの頃は森下、山崎の3番手を石川と争っていたくらいで、そこそこ乗れるあんちゃんと言うイメージで、巧いという騎乗面の印象より背が高くてニキビ面の外見の印象しかなかったと記憶している。的場がいた小暮厩舎といえば別名小暮学校と言われていたくらい名騎手が所属していた。兄弟子は赤間、松浦、高橋三、辻野、瀧澤といて、騎乗するのだけでも難しい状態が続いた。実際当時の大井ベストテンに初めて顔を出すのが昭和50年の28勝あげ10位で、上の9位には同期の石川がいる位だから天才と呼ばれる事は無く、翌年は再びベストテン圏外に落ちる。的場の転機は昭和52年で師匠の小暮の親方が他界し、長沼厩舎に移籍した頃で騎乗数も増えた。これは長沼厩舎というより大井の大馬主だった醍醐会長の持ち馬のヨシノライデンでの活躍が認められたのが大きくこの年は61勝あげ大井の騎手成績で3位になり、この年以降は3位以下になることなく大井のエースと呼ばれるようになる。
石崎隆之は、船橋の名門出川巳代造厩舎からデビューした。的場や森下とは一期前の卒業で、同期は川崎で調教師している原三男等がいる。出川厩舎といえば「重賞の出川」と言われる程、名馬が揃っていた厩舎だったが、所属騎手はたいした騎手がいない厩舎だった。大井の栗田金吾と永井繁で騎手をしていたが廃業し出川厩舎で厩務員をしながら騎手復帰した海方昭三（後、上山移籍）も下手だったし、佐藤賢二（現船橋調教師）も巧いと言うのは程遠い腕前、楠新二（現厩務員、アブクマポーロ担当で有名）も減量が厳しかったのか直ぐ廃業と馬に比べ所属の乗り役が弱く、石崎に期待がかかるもデビュー当時の石崎は肺に病気を持っていた為、騎乗どころか調教も付けられない状態で、正直言うと俺はこの時代の石崎の存在すら覚えていない。石崎を意識するのは昭和50年頃だった思うが、佐藤賢二よりは巧いかも？程度で、この年にデビューする秋田実の俺の評価に比べりゃ遥かに及ばなかった。ただし昭和52年に羽田盃馬ダイハードコトブキ（中央名ハードファンテン）とコンビを組むようになってから、追って確かになるようになり、船橋のベスト10に顔を出すようになる。成績が伴えば「重賞の出川」だけあって重賞の挑戦機会も増え、石崎のダービー初騎乗の昭和54年ではハクトウザンで本命のカツアールを直線交わして2着の大健闘、昭和56年のダービーでは本命の逃げ馬コーナンルビーのハナを叩きダイシンメロデイで絶妙な逃げをうち、ゴール前では勝ったか？と思わせる程の好騎乗もしている（結果はタイム差無しの3着）確かに南関総合に顔を出す飛躍のきっかけは昭和61年のトムカウントだったが昭和55年からは船橋ではベスト５の常連であり決して乗れない騎手ではなかった。（まぁ確かにトップ級ではなかったが今の左海級くらいの評価は充分にあったと思う）
石崎の巧さは南関4場のコースを熟知した乗り方をしており、各々のコースで無駄の無い位置取りやコースや馬場に合った仕掛けを無駄無く出来る事が長年南関総合でトップを守ってきた要因だろう。
しかし石崎は息子がデビューしてからハァ？って言うレースが多くなり信頼性に欠けだした、後は長年蓄積した勤続疲労ってやつも出てきたのか平場でのミスも多くなってきた気がする。但しここぞ！と言うレースじゃ見事な腕を見せるからねぇ・・
息子もようやく一人立ち出来そうだし、騎乗数を絞って乗ればまだまだいける気がするのだが、変なレースを続けるのなら名を汚さずに引退したほうが良いだろう。
的場の凄さは「自分の形」を持っている事で「自分の形」になれば絶対に負けないという所、また多少の不利があろうが強引に馬群を割って入りしっかり持ってくる部分も評価したいなぁ、はたして今の大井の騎手であれだけの芸当が出来る騎手は他にいるか？と言われりゃ内田博幸でも出来ていないのが現状だろう。また的場の騎乗フォームについてガタガタ言う輩もいるが、別にきれいなフォームで無くても下半身が安定してりゃ馬に対する負担が少ないので馬も伸びるし我慢が効くというのが結果として勝ち鞍に現れている。だいたい天才って言われた名古屋の坂本や船橋の角田も独特なフォームだったがしっかり結果を出していた。フォームのきれいさを競うコンテシトが競馬じゃないのだから結果が出ているのに騎手でもない素人がガタガタ言うのは見苦しいと思う。
ただ的場の場合は若い頃は大井中心の騎乗に絞っていたので石崎ほどの勤続疲労は蓄積していないと思うが年齢も年齢だけに何時まで今のスタイルの騎乗が出来るかと不安もある。
