2006年12月21日

それはまるで、夜空を駆ける星のように。

昨日はずいぶんと、著名人の方の訃報が続いた。
昼にぼんやりTVを見ていたら、前都知事でもある青島幸男氏逝去の速報があり、
その後インターネットのニュースで、女優・岸田今日子さんも亡くなり、
夜になって、白血病で闘病中だったカンニング中島さんも亡くなったと知った。

意地悪ばあさんとムーミンの死、というだけでもけっこうなショックだったが、
カンニング中島さんの知らせはかなりこたえた。
また35歳だという若さもある。これからの芸人さんだったという残念さもある。
お子さんはまだ2歳だ。お父さんと一緒の、病室以外のお正月を知らない。
残された奥様とお子さんと、何より相方の竹山さんのことを思うと言葉にならない。
私にも、小学校の頃からの親友がいる。彼女を失ったら、きっとたまらない。
記者会見で竹山さんは、相方はどんな存在だったのかと問われ、
家族のようで、戦友のようで、夫婦のような存在だったと答えていた。
覚悟はしていた、楽になれてよかったとも思う、などの受け答えには、
2人が長い間過ごしてきた、親友としての年月の重さと絆の深さを感じ、
あぁ本当に、支え合ってきた2人なんだな、と思うと悲しくてたまらなかった。


今年を象徴する漢字は「命」だという。
秋篠宮悠仁親王がお生まれになり、日本が喜びに沸いた年でもあり。
思わぬ方々の訃報が続き、列島を悲しみが走り抜けた年でもあった。

命とはなんだろう、生きるとはなんだろう。
これほどに考えた年は、私にとってもなかった気がする。
自分が生きて残せるもの。死に行くときに、残せるもの。
はっきりと答えが見えたわけではないが、ひとつだけ、
子どもの頃から変わらず思っていることがある。
人生は長くない。だからこそ、輝かせようと心がけることを忘れたくない。
そう考えるきっかけをくれたのは、幼い頃に観た1本の映画だ。
「ジャック」。4倍の速さで歳を取る病にかかった、少年の話。

ジャック

ジャケットを見ればおわかりだろうが、
半ズボン姿の10歳の少年・ジャックの外見は、まるで40歳の中年男だ。
ずっと家族と家庭教師とだけ過ごしてきたジャックは、
友達が欲しくなって、思い切って小学校5年生のクラスに編入する。
はじめは子どもたちに受け入れられなかったジャックだったが、
バスケットでの大活躍をきっかけに、たくさんの友達ができていく。

だが、同時にジャックの病は進行を早める。
歳を取る速度が加速し、長くは生きられないとの診断を受ける。
「大人になったら何になる?」
それは子どもたちに投げかけられる、よくある他愛ない質問だ。
だがジャックは、その「大人」になることすらできないかもしれないのだ。
ショックを受けるジャックに、彼を支え続けた家庭教師が語りかける。
「君は夜空の流れ星だ。すぐに消えてしまうが、あれほど美しいものはない」と。

時は流れ、スクール卒業式の総代として壇上に立ったジャックは、
心は18歳ながら、外見はすでに80歳以上の老人となっていた。
だが彼は、力強く、希望に輝く笑顔でスピーチをする。

 「将来を考えると不安になる。でも、どうせ人生は長くない。
  悩んだ時は夜空を見上げてほしい。流れ星が輝いたら僕を思い出してくれ。
  君の人生を輝かせてくれ。僕はそうしてきた。
  やったよ、ママ。僕は大人になれた」


それぞれの人生に、それぞれの輝きを。
それは幼い心に、素晴らしいメッセージとして忘れられず残った。
ジャックという流れ星の、美しく夜空に流れた尾のように。


生まれることを選べないように、いつ死ぬかも本当は選べない。
思いがけないタイミングで死が訪れて、すべてを奪い去ろうとしても、
奪えないほどのなにかをこの世に残そうとして人は生きている。
今年黄泉路へと旅立ったたくさんの命が、残してくれたものの意味を忘れたくない。
そしてまた生まれ来る命に。駆け抜けた流れ星が残した光が、降り注ぎますように。
皆様のご冥福を、お祈りいたします。



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       (青色の文字のセリフは、映画「ジャック」より引用)

youmifujisaki at 20:53│Comments(5)TrackBack(1)この記事をクリップ!芸人・お笑い一般 | 映画・演劇

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1. カンニング中島が白血病で逝く  [ スポーツ瓦版 ]   2006年12月22日 09:47
1 ムーミンの声の岸田今日子さん・前都知事の青島幸男さんに 白血病で闘病してたカンニング中島忠幸さんが天国に逝った 岸田さんと青島さんの事は驚いたがカンニング中島さんの事が 来年の春に復帰の話も噂されてただけに1番の驚きだったよ 今日の竹山の会見で秋の初....

この記事へのコメント

1. Posted by ねるこ   2006年12月21日 22:30
ほんと、忘年会から帰って知ったのが、カンニング中島の訃報…これは私も一番ショックだったよぉ。
命…みんなかけがえのないものってわかってるはずなのに、何で世の中命を大事にできなくなったんだろう。
2. Posted by ころ   2006年12月22日 10:06
涙がでてきそうな記事です。
「ジャック」息子と観てみます。
3. Posted by 藤崎祐美   2006年12月22日 12:59
>ねるこちゃん

ショックだったよねぇ…。
今年は、芸能人の訃報も続いたけれど、いじめとかで、若い命がたくさん散ったね。
なんでだろうねぇ。なんか、むなしいくらいに悲しいよ。


>ころさん

「ジャック」は、本当にいい映画でした。
きっところさんと息子さんの心にも、ジャックの残した光が届くと思いますよ。
4. Posted by 丸山 哲也   2006年12月23日 12:31
 「ムーミン」はリアルタイムで観ていただけに、岸田さんの死去は本当にショックでした。
 今頃は天国で、従弟の岸田森さんとお芝居しているかも知れません。監督はもちろん、実相寺昭雄さん。
5. Posted by 藤崎祐美   2007年01月01日 21:17
>丸山さん

お返事遅くなって申し訳ありません。
去年末は、本当に悲しいことが続きましたね。
旅立った方々の、天国での日々を思って…。
岸田さんはお芝居してそうですね。監督さんたちも、たくさんいらっしゃいますしね。
芸人さんもたくさんいらっしゃいます。天国にもスタンドマイクがあればいいのに。
皆様のご冥福を、お祈りいたします。

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