パワーユニット(1)

 パワーユニットは、スロットルバイワイヤシステム(後述)の採用などで全回転域での優れたパワーをよりリニアに引き出せる様にすることで、スーパースポーツを駆っているという実感にあふれたエキサイティングな体験を提供することを目標としました。
 CBR250RRのパワーユニットのねらいは

気持ちよく速さを体感できる出力特性とエキゾーストサウンド

 インドネシアのお客様の、趣味としてのスポーツバイクに対する認識の深まりとファンライディングへの要望の高まりに対し、より「操る楽しみ」を堪能できるフィーリングをねらい、出力特性のチューニングとコントロール性の向上を図りました。
 そのための仕様として、水冷4ストロークDOHC4バルブ2気筒250ccパワーユニットを新設計しました。低中速域での力強さと、スーパースポーツならではの高回転までシャープな吹け上がりを両立。発進加速、追い越し加速、最高出力ともクラスNo.1※の動力性能を実現しました。
※Honda調べ2016年7月現在

■水冷4ストロークDOHC4バルブ2気筒250ccエンジンP12_2水冷4ストロークDOHC4バルブ2気筒250ccエンジン


パワーユニット(2)

●コンパクト化
 パワーユニットの設計においても、スタイリング、車体との融合を推し進めながら、以下のコンパクト化を図り、車体スリム化と運動性能への寄与を図りました。

プライマリードライブギア
 オイルポンプを、メインシャフトにチェーン駆動からクランクシャフトによるギア駆動に変更することで、不要となった駆動用カムスプロケットの分クラッチを内側へ配置。これに伴いプライマリードライブギアをカムチェーン内側に配置しコンパクト化。

■プライマリードライブギアP12_プライマリードライブギア


クラッチレリーズ機構
 従来、車体右側に配置され、クラッチハウジングの幅に影響していたクラッチレリーズを左側に配置することでACGハウジングの幅よりも内側に収めました。

■クラッチレリーズ機構P13_クラッチレリーズ機構


パワーユニット(3)
●コンパクト化
オイルポンプ
 従来、別体式が一般的であったオイルポンプケースをエンジンロアケース右側に一体化しました。

■オイルポンプP14_オイルポンプ


ウォーターポンプ
 高出力化に対応するための燃焼室冷却では、ウォーターポンプをRC213V同様シリンダーヘッドに配置。幅狭化と排水管短縮などのコンパクト化を図るとともに、ウォーターポンプをカム軸駆動とすることにより軽量化とフリクション低減にも寄与させています。また、早期暖気を実現するため、ボトムバイパス通路を設定しました。

■ウォーターポンプP14_ウォーターポンプ

 これらにより、2気筒でありながら従来の同クラススポーツ車単気筒エンジンの幅に迫るコンパクト化を実現しました。さらに、通常ヘッドカバー上に配置されているオイルと空気を分離するためのエンジンブリーザー室を、ダウンドラフト式吸気レイアウト(後述)に伴うエアクリーナー容量確保のためシリンダー背後に配置し、エンジン高のコンパクト化も図りました。
 CBR250RRのエンジンはこれらのコンパクト化により前面投影面積を減少させ、スタイリングではダイナミックな「スピードシェイプ」を実現しながら、エンジンマスの集中化により操縦性向上にも寄与しています。

パワーユニット(4)

●高回転高出力化
 CBR250RRのパワーユニットは、高回転高出力化のためにエンジン出力性能解析を実施し、以下の基本仕様を採用しました。

高回転化

・DOHC4バルブ
・ボア62.0mm×ストローク41.4mmのショートストローク
・高回転時の耐久性と静粛性両立のためクランクシャフト、コンロッド、バランサーシャフトの各軸受けにメタルベアリンクを採用。
・CBR1000RR同様ダブルピボットテンショナーを採用。高回転時のカムチェーン張力安定化を図るため、通常のカムチェーンテンショナー上方にもう一箇所テンショナーを追加しました。


■DOHC4バルブP15_DOHC4バルブのコピー

■ダブルピボットテンショナーカムチェーン回りP15_ダブルピボットテンショナーカムチェーン回りのコピー


パワーユニット(5)

●高回転高出力化
高出力化

・大径バルブを採用。吸気側直径24.5mm、排気側直径21.0mmとし、吸排気効率を向上。
・圧縮比を11.5:1に設定。
・直径32mmの大径スロットルボアを採用。


 これらの高回転高出力化技術によってクラスNo.1※の最高出力を実現しました。
 また、低中回転域に配慮したバルブタイミング設定とすることで、低中回転域の力強さと高回転域の高出力の両立を図りました。さらに、マフラーの連通管構造により高回転側の出力と低回転側の出力を滑らかにつなぎ、ストレスのないパワーフィールを得ています。
※Honda調べ2016年7月現在

■出力特性イメージ図P16_出力特性イメージ図のコピー


パワーユニット(6)

●ダウンドラフト式吸気レイアウト
 エアクリーナーから燃焼室への吸気抵抗低減のためにダウンドラフト式吸気レイアウトを採用。これによりエアクリーナーをシート下から移動させることで、スーパースポーツとして最適化されたシート高と優れた足着き性の両立も図りました。また、インレットバルブシート前の吸気流れを滑らかにするために、バルブ挟み角度と異なるポート角度設定とした非軸線加工を採用しました。

■ダウンドラフト吸気経路P17_ダウンドラフト吸気経路


●フリクション低減
 ピストンスカート形状の最適化に加え、ピストンに粗条痕やモリブデンコーティングを施すことで高負荷時のフリクション低減を図りました。また、軽量化のためにアルミシリンダースリーブを採用しました。

■ピストンP17_ピストン

■アルミシリンダースリーブP17_アルミシリンダースリーブ-


●燃焼効率向上
 燃焼効率向上のため、希薄混合気でも着火性が高いイリジウムプラグを採用。また、これにより通常のスパークプラグと比べ推奨交換サイクルが約4倍の長寿命となりました。

パワーユニット(7)

●快適性
1軸1次バランサー
 ピストン、コンロッドなどの往復部品から発生する1次振動を打ち消すため、1軸1次バランサーを採用し、プレーンメタル軸受けとすることで、不快な振動や騒音の低減を図りました。

■1軸1次バランサー配置P18_1軸1次バランサー配置


エキゾーストサウンド
 CBR250RRでは、ファンライディング体感のためサウンド面にも注力しました。3室に分けたサイレンサーの、2室、3室それぞれが排気管を設けたデュアルテールパイプ仕様を採用。これにより、それぞれ異なる特性を持った排気音のバランスを取り、低回転域での力強いサウンドから、中〜高回転域でのレーシングマシンの咆哮を髣髴させるサウンドへと、ドラマチックなエキゾーストサウンドにチューニングしています。

■サイレンサー構造図P18_サイレンサー構造図


パワーユニット(8)

●排出ガス規制対応
 シリンダーヘッドにビルトインしたエアインジェクション(AI)が、排気ポートの脈動負圧によってエアクリーナーからリードバルブを介し排気ポートへと空気を送り出します。この二次空気導入システムによって、未燃焼ガスのHC(炭化水素)とCO(一酸化炭素)を抑制しました。また、エキゾーストパイプ集合部後方に配置したO2センサーと、その後方のエキゾーストパイプ内に配置したキャタライザーにより、排出ガス中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)を浄化させることでインドネシア国内二輪排出ガス規制(EURO3相当)の排出ガス規制に対応しました。

■ビルトインエアインジェクション構造イメージ図P19_ビルトインエアインジェクション構造イメージ図のコピー


●トランスミッション
 発進加速、追い越し加速、最高速ともクラスNo.1※を実現するため、エンジン出力をフルに引き出せる最適なレシオ配分の6速ギアを採用しました。
※Honda調べ2016年7月現在

■6速トランスミッションP19_ 6速トランスミッション


この記事は公式プレスインフォメーションを転載したのものです。
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発行
PT Astra Honda Motor
株式会社本田技術研究所 二輪R&Dセンター

同資料を踏まえ、詳細取材やライバル比較なども実施したCBR250RR特集は、ヤングマシン2016年10月号(8月24日発売)付録にて発売中です。
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