2013年02月11日

CDの進化・音楽の再生

昨夜、クレヨンイーター初の単独『クレヨンイーター / 頭の中の色』(UVA-001)のマスタリングが終わりました。マスターCDは金ぴか!
IMG_0798

あえて自分の新譜の内容についてでなく、マスタリング中に感じたことを少し記しておこうと思います。

その前にマスタリングとは何か、をなんとなく。
楽器や物を叩いたり、わおわお叫んだりして出た音をテープやなにかにレコーディングしたものを、
「俺様のギターをもっとでっかくしろ!」「俺様のドラム以外の音は一切聴こえなくていい!」みたいなことを折り合いをつけてバランスをはじめ色んなことを調整するのがミキシング。
そうして出来た音源をCDなんかにするために、音質や音圧を調整したり曲順や曲間を決めたりするのは、マスタリング。

マスタリングでは相対的な検証もします。
例えば、他のCDに比べて、あまりに音が小さかったりしたら、さみしいし不便だからね。
で、この行程が、もちろん大切だとは考えていたのだけれど、今回の立ち会いでは想像以上の再発見をしてとても面白かったのです。

自分で作って演奏して編集作業にもずっと立ち会ってきた曲たちなので、内容に自信があるのは当たり前のことだったので、
ある程度音質を整えたところでまずは音圧のレベルを決めていくことに。
その時に比較の基準としてまず使ったのが、とにかく音が大きい印象のあった『THE VINES / FUTURE PRIMITIVE』(2011)。
国内最高峰の設備と機材がある環境で、その"大きさ"に追いつくのは簡単なこと。
ただこの段階では、
音そのものの色の濃さ・音の奥行き(響きの奥行きのことではないよ)・音の味のようなものが、薄くて物足りないのです。
単純に音圧を上げる一つの方法は、音をつぶしてそれを持ち上げることなので、この作業はすればするほど、原理的には音圧に反比例してダイナミックさが失われていくことになるのが想像できますが、それはどうやらレベルのレンジにおける話だけでなく、やりすぎると音の美味しさも同様になくなっていく要因の1つになるようです。

ここで比較用のCDを同じ年に発表された『THE STROKES / ANGELS』(2011)に取り替えます。このCD、基本的な音のレベルは先の『FUTURE PRIMITIVE』と比べるとまず体感の時点でやや小さいです。
なのでマスタリング中の音源と比べても、やはり音圧は小さいのですが(これは機材のメーターなどでも視覚的にもわかります)、この『ANGELS』音の色が異常に濃く、体感的には不思議と小さく聴こえないのです。ここに忘れてはいけない大切な何かの存在があることを再確認。魔法のおまじないが必要です。
魔法をかけるべく色々な調整をしてもらいます。

次に登場した比較用参考CDは、『YEAH YEAH YEAHS / Show Your Bones』(2006)。5年遡りましたが、『ANGELS』と音の大きさは大差ありません。このCDに収録されている楽曲は、マスタリング中のCDに収録される楽曲と共通するところもあり、音の味付けの参考にするのにもってこいでした。
元々演奏で鳴らしている音楽のスタイルによる影響もあるとは思いますが、前2作と比べて、より一音一音の音に"豊かさ"を感じます。スタジオのリッチな音楽再生環境で、大きな音で再生された『Show Your Bones』を聴いて、鑑賞を目的にしていないのにも関わらず、不覚にも感動してしまいました。楽曲にではなく、音に。
この味、というわけでなく、この美味しさに、音を近づけていかなくては、と、試行錯誤。

ここで、耳をリセットの意味も込めて、参考CDを『RED HOT CHILI PEPPERS / BY THE WAY』(2002)に取り替えます。
するとびっくり。
なんと、まず音圧は本当にちっちゃいのです。そしてそれよりも驚愕なのが、出てくる音の一つ一つがとても貧相なのです。はっきりわかりやすく言うと"しょぼい"のです。
あの、あの、バイザウェイが…!
バイザウェイが出てから、もう10年以上たっていることにも驚きでしたが、
音楽の販売形態としてCDというメディアが定着して10年以上たっている2002年に世界トップクラスのロックバンドが発表したアルバムの音がまだまだ未完成であることに驚き、
21世紀になってからの10年で技術の進歩が歩みを止めることなくCDというフォーマットでの音楽の再生度が向上し続けていることに驚きました。
両親の世代や、先輩ミュージシャン達と違い、まさにCDっ子のぼくとしてはこれは本当に嬉しいことだし、希望です。
やっぱりCDを毛嫌いする音楽ファンはまだまだたくさんいると思うし(その頑固さは嫌いじゃないけどね)、CDの普及し始めは特にそうさせるだけの欠陥が実際にあっただろうと思います。
ただそれが実際に変わり始めていることをぼく自身が体感できたというのが嬉しいのです。
そしてそして、今までCDだったり、MP3やAAC規格で圧縮された音源にしか馴染みのなかった世代が、より豊かな音質のCDに触れることによって、もしも音を楽しむ発見にたどり着いたら…、
逆にそのCDの進化が、若い子の興味をアナログレコードへと導くことにもつながると思うのです。

CDの楽しみ方には色々あって、
その要素すべてが奇跡的に絡み合って感動が生まれるとぼくは思っています。
良いメロディ、良いリズム、良いグルーヴ、良い言葉、良い演奏、…そんな要素には今日は一切触れませんでした。
ただただ音を楽しみ音に感動できるという発見がまだの人もたくさんいると思うけど、そんな人にこそこの感動を知ってもらいたいです。
きっと人生の豊かさが変わってくるはずです。


さて、そんなこんなで、
完成したクレヨンイーター初の単独音源となる
『クレヨンイーター/頭の中の色』UVA-001
のマスターCDですが、
再生すると、見事においしい味が心いっぱいに広がる音が飛び出してきます。

エンジニア春雅之氏には感謝です。
本当に美味しいので、早くみなさんに味わっていただきたいです!
484フライヤー

クレヨンイーター再始動ライブ一発目となる、3月6日の吉祥寺ROCK JOINT GBでの公演より早速発売予定。
ご期待ください!

your_dog at 02:28│Comments(0)TrackBack(0)

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Profile


市川マコト

‘クレヨンイーター’
ギターボーカル


生年月日:1987/12/26
身長:178cm
体重:52kg
血液型:B型
出身地:東京都多摩市
CD

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