日頃、このブログの中で

「ゆっくり、じっくり、丁寧に」を強調しているから、

おそらくこのブログをお読みになっている方も


 どうのこうのいっても、計算ドリルで「できる」ように
 した方が手っ取り早いんじゃないの?
 こちらはそんなにゆっくり待っている暇はないんだけど…


という声が聞こえてくるような気がしています。

それで


 このブログを読んで理屈はなんとなくわかるけど、
 やはり結果は目に見えてぐんぐん伸びていく方がいいわ


ということになってしまうことになるのかもしれませんね。

だから、私がことあるごとに、
いずれ、すごくなる、すごくなると
あいまいな言い方をしても説得力を持たないのも確かなことです。
どのようにすごくなるのかが具体的に語られなくてはいけませんね。


で、そろそろ思い切って、

うちの塾生がどんな風に変身していったかをお知らせする必要性を感じてきました。
(自慢話になるから、これまでこういうことは話しづらかったのですが…(^_^;))


では、自慢話第1号といきます!笑


次の問題をごらんください。

最初お金を□円持っていた人が、まずその7分の1を使い、次にその残りの6分の1を使い、またその残りの5分の1、その残りの4分の1、その残りの3分の1、その残りの2分の1とこの順番に使って、最後に500円残りました。□の中にあてはまる数字は?


あの、最難関とされている、灘中学校の過去問です。(ただし、灘中受験生のレベルであれば、この問題は見た瞬間に解くことができるでしょう!小学生とはいえ、このレベルの受験生になると、本物の力が備わっていますから…)

さて、この問題を解くには、どうしますか?

ふつうの中学生にこの問題を出題すると、おそらく、反射的に□をxに置き換えて方程式を作ろうとするでしょう(日頃からこのような問題は方程式を立てるものと思いこまされていますから)。そして、あまりの煩雑さに途中で投げ出してしまう中学生が多いのではないか。そんな感じがします。(ただあくまでこれは予想です。うちの塾生は中学生も図を描こうとしますから、試すことはできません。残念ながら…)

(1−1/7)(1−1/6)(1−1/5)(1−1/4)(1−1/3)(1−1/2)X=500

というトンデモナイ方程式を立てなくてはいけなくなりますから。

おそらく、ここまで根気強く考えてこの方程式を立てることができる中学生はほんのわずかだと思います。

ということは、この問題を方程式で解こうとする限り、ほとんどの中学生が投げ出してしまうことはおわかりだと思います。(もちろん方程式という狭い考えに縛られていない頭の柔らかいお子さんは、むずかしそうに見えて、これは簡単な問題だと感じるかもしれません。そう!まさにその通りなのですが…)

ちなみに、この方程式を解くと、X=3500(円)となります。


次にこの問題を、ふつうの小学生に出題すると…

この問題を、小学校のカリキュラムの中で扱うとしたら、

「分数のかけ算・わり算」の単元が扱う問題になります。

タイトルこそ「分数のかけ算・わり算」ですが、この単元で扱われる文章題はほとんどがあの悪名高き「割合」ですから、この単元の文章題には全国の小学6年生が苦しめられていることを私は知っています。

ですから、この問題を解くときに子どもたちの頭に浮かぶのは、この問題の、どれが「比べられる量」で、どれが「もとにする量」で、どれが「割合」なのだろうかということです。

これらの言葉の意味をしっかりと理解している子は、この問題の「500円」が比べられる量で、求める答が「もとにする量」だということを見抜きます。

そこで、「割合の3公式」のうちのひとつである

 「もとにする量」=「比べられる量」÷「割合」

という公式を当てはめようとします。

だけど、次の瞬間、つまずくことでしょう。

というのは、学校のテストで出る文章題の中の「割合」にあたる数値は、ふつうひとつです。

だけど、ここには、なんと6つも出てきます(7分の1,6分の1…)。

これでは、お手上げです。

割合が6つも出てきたら、どのように組み立てていいかわかりません。
こんな問題、解き方を教わったことがありませんから、どうしていいかわかりません。


ちなみに、この問題が載っていた問題集「受験全解 算数」(みくに出版。「知る人ぞ知る」問題集です。日本一、分厚い問題集かもしれません。これを知っている人は、ツウですね。昔(15年以上前)はこれがN能研ではそのまま授業のテキストでした。今の薄いテキストからは信じられませんが…)には、次のように式と答がのっています。公式に当てはめると、次のような式になります。

500÷1/2=1000 1000÷(1−1/3)=1500 1500÷(1−1/4)=2000 2000÷(1−1/5)=2500 2500÷(1−1/6)=3000 3000÷(1−1/7)=3500 

 答 3500円

つまり、小学校の多くの先生がおっしゃるような「式は必ず書くこと!」の指示に従うと、このようにややこしい式がたくさん出てくることになります。

また、参考書の解法がこのようになっているから、もしかして塾でもこんな解き方で教えて、

「ね、さすが、灘中の問題はむずかしいね。でもこの解き方、覚えておくんだよ」って、やっているところがあるかもしれませんね。

だから、小学校であつかうとすれば、とんでもない問題なのです。

テストに絶対に出ることはありませんが…。

では、計算ドリルを捨てて、ゆっくりと回り道をするという道草学習で鍛えたうちの塾生たちがどのように解いていったかを次に説明することにしましょう。

<続く>