優嵐句集

花冠同人

<朝来市生野町三句>

登りゆけば公園囲む桜かな

花吹雪ときおり起こし風すぎる

高々と紫木蓮ある町へ出る


<朝来市生野町寺町>

石段へ花びら降りぬ西福寺


<旧浅田邸二句>

枝垂桜瀬音に近く咲きにけり

花筏はや流れ来る瀬の中を


明けてくる磯鵯の囀りに 

寄り添って咲くよ二輪のチューリップ 

春たけて山の最もいきいきと


帰る日の近き鶫の野に立ちぬ

高枝の先はわがもの囀れり

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谷渡る道のほとりの山桜


<姫路城>

城仰ぎ桜を仰ぎ歩きけり

倒れ伏すごとく咲きおる桜かな


嵐来る復活祭を前にして

ぽっと咲く忘れられたるヒヤシンス

里桜山の桜と揃い咲く


<増位山随願寺>

八重桜咲き初む御籤結ばれて


高らかに燕歌いぬ青空へ


<朝来市生野町>

山桜銀山の町を取り囲み

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なずな咲く野辺行く頃となりにけり

啓蟄の日差しの中のミニ水仙


<綾部山梅林>

陽の下に人を憩わせ梅咲きぬ


<室津二句>

早咲きの桜咲かせて浄運寺

鉢に低く風受け咲けり迎春花

朝日さす峰に咲き初め山桜

今朝晴れし空へ開きぬ山桜

たんぽぽの黄色に黄蝶の来てとまる


前山に濃淡みせて山桜

雪柳風にもっとも親しくて

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<兵庫県立舞子公園二句>

見下ろせば足下に海峡春の波

鉄骨が組まれ春の海峡を渡る


<五色塚古墳二句>

葬られいま幾たびの春なりや

春空へ埴輪連ねし古墳かな


八重咲の日本水仙雨水かな

椿咲く市営住宅中庭に

蝋梅を透かす光や春浅し

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生きのびるための記念碑阪神忌
船溜まりに寒の日差しの明るさよ

夜半の冬固定電話を廃止する
水仙の日ごとに開く野辺となる

春近し大阪湾に船数多
日曜の朝薄雪を踏み静か

寒雀おのが距離持ち集いおり
冬深し母の遺品を整理して

冬耕の田に電柱の影の伸び
青空を指す枝先の春近し
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<飛騨高山五句>
松すべて雪吊をしてお正月
薄雪の町を照らして初明り
藁飾古き町屋のそれぞれに
餅花に迎え送らるるロビー
四方の春特急ひだの到着す

陽の中へぎっしり生りて実南天
寒風に包み込まれて眠りにつく
日脚伸ぶ中に夕餉の用意かな

<明石城跡公園四句>
日時計は寒の日差しに時刻む
どっしりと石橋寒の陽を受けて
鏨跡残れる寒の石垣よ
ジャケットを着てイタリアングレイハウンドIMG_1687

冬満月床をのべたる部屋にさす
初霜の薄く家並を覆いけり
風なくも木々は落葉を急ぎけり

存分に陽を浴び落葉は地に憩う
朴落葉踏み天文台への道
地に降りしばかりの落葉鮮やかに

柊の花へ薄き午後の日差し
枯田ひろびろ狐色して休みけり
時々は翳る陽冬の菊に差す

冬至かな淡く残りぬ朝の虹
水鳥の岸辺に集いやすきなり
来る年を静かに待ちぬ水仙花
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晩秋の光を浮かべ池の面
きらきらと光を透かし芒の穂
朝霧の晴れ一面の芒原

草原に青き輝き竜胆咲く
立冬の月くっきりと宵の空
陽を受けているばかりなり冬紅葉

じょうびたきの鳴き声響く浅き冬
茶の花の大きな蕊を抱き咲けり
今朝晴れて真冬の服を出しにけり

冬紅葉映せる池の輝ける
蜜蜂の繁く通いぬ枇杷の花
青空を透かせ桜の並木枯る

冬耕の土おだやかに陽を浴びぬ
本堂の上に広々冬青空
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露草や心決まれば静かなり
翅少し欠けたる秋の揚羽かな
新涼の畔に咲きたり韮の花

今朝一歩秋は進みて快晴に
遠き田の刈られて見える曼殊沙華
曇天に鹿鳴く声の響き初む

初鵙の今朝快晴と告げにけり
夕月夜ねぐらへ帰る烏たち
よく晴れて燕帰りし空広く
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