優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(396)…□◆□

   雨あがる彼岸桜に風強く  優嵐

夕方に寒冷前線が通過して雨が降りました。雨があがったあとは
気温が下がり強い風が吹いています。ソメイヨシノはようやく
開花し始めましたが、この寒さでまた花の開き具合は足踏みと
いうことになるでしょう。桜の時期にあわせていろいろなイベント
が予定されており、その関係者にはやきもきされている方も多い
ことと思います。

そんな中で近所に一本だけすでに花を咲かせている桜がありました。
彼岸桜の一種でしょう。名前のとおり、春のお彼岸のころに咲く早
咲きの桜です。近くにはヤマザクラもありましたが、こちらの開花は
まだです。

□◆□…優嵐歳時記(395)…□◆□

  風に乗り初つばめまた軽やかに  優嵐

今日の午後、散歩をしていたら、頭上の電線でさえずっている
つばめに気がつきました。すーっと視界を横切って飛ぶもう一羽
の姿もあります。その年初めて見るつばめのことを「初つばめ」
といいます。例年姫路には三月半ばすぎにはやってきます。

今年は彼岸明けのころにもまだ姿がなく、遅いなと思っていました。
三月下旬が寒かったので、なかなか姿を見せなかったのかもしれま
せん。私自身の生活があわただしく、気づかなかったのかも、
とも思います。

あの軽やかな飛翔は春にふさわしいものです。つばめがさえずって
いる下ではそろそろ桜のつぼみがふくらんで明日にも開花しそうな
気配です。梅園の梅はほぼ終わり、梅の根元にタンポポが咲いて
いました。

□◆□…優嵐歳時記(394)…□◆□

  今日からは何と名乗らむ四月来る  優嵐

四月になりました。角を曲がったら突然そこに新しい生活
があった、という気分です。これまではずっと肩書きが
ありました。小学生とか公務員とか。それがすっかりとれ、
いちおう取締役なので「社長か」なんて思っています。
たったひとりでもとにかく社長は社長(笑)。

うぐいすの鳴き声がさかん聞こえる中でパソコンに向かって
いました。まだ時々時計を見ては「ああ、今頃はこんなこと
をしているだろうな」なんて前の職場のことを思い出して
いました。でも、それもしだいに日ごとに薄れていくのでしょう。

□◆□…優嵐歳時記(393)…□◆□

  三月尽今日で最後の宮仕え  優嵐

あっという間に三月も終わってしまいました。今日は
公務員としては最後の日になりました。穏やかないい
お天気でした。退職を決めて一週間で退職となりました。
お餞別をいただいたり、お世話になった方に挨拶に
いったり、退職にともなうさまざまの手続きをしたり
して一日が暮れていきました。

今も「そうか、もう明日からは出勤してタイムカードを
押す生活は終わったのだ」とふと思います。考えてみれば
保育園に通い始めたころから慣れ親しんだこのリズム。
しばらくの間は、何度ももうそれは終わったのだと言い
聞かせることになるでしょう。

「三月尽(さんがつじん)」は三月最後の日、および三月
の終わることをさします。明日からは新しい年度の始まり。
町にフレッシュな新社会人の姿が見られることでしょう。


□◆□…優嵐歳時記(392)…□◆□

  易占は当たっていたよ春の星  優嵐

明日で出勤するのは最後ですから、仕事の最後の引継ぎ
をしたり、やり残していたことを片付けたりしています。
去年のスケジュールが書いてあるカレンダーを見ると、
いえ、二週間前でさえ、こうして三月末で退職するとは
思いもよりませんでした。退職したいという願望は新年
になったころからちらほらと芽生えてはいたのですが。

私は自分で易を見ることがあります。易は占いというより
自分の心に問いかけるためのひとつの道具のような気が
します。お正月に「三月の退職はどうか」と占ったところ、
(もちろんこのときは退職することになるとは全く考えて
いませんでしたが)

「これまでとまったく違うことを始めるといい。自分で
変えようとしなくても、まわりの状態が急激に変わる運勢
にあるから、変化に備えて心を落ち着けること。小さな
変革ではすまない。」というメッセージでした。
潜在意識は知っていたか…、と思いました。

□◆□…優嵐歳時記(391)…□◆□

  連翹や明日はいつもまぶしくて  優嵐

「連翹(れんぎょう)」は桜が咲くころに満開になる、
鮮やかな黄色の花をつけるモクセイ科の落葉低木です。
住宅街を通っていると大きな連翹に会いました。坂道
の住宅地で、登っていく先に天に向かって咲くように
鮮やかな黄色が踊っています。

花はやはりいいなと思います。それを見るだけで気持が
明るくなります。急な退職ですが、朝方退職届を出して
しまえば、あとは他の人たちがどんどんものごとを前に
進めてくれている、という感じです。これって何かに
似ているなと思ったら、そう、お葬式の日の「身内」
がこんな感じだった、と思い出しました。

当の本人は中心ではあってもそのことの対してとくに
何もすることというのは無いのですね。

□◆□…優嵐歳時記(390)…□◆□

  木の芽時わが人生の変わるとき  優嵐

「木の芽時」とはさまざまな木が芽吹くころのことです。
昨夜から降り出した雨が終日細かく降り続いていました。
退職届を書かねばなぁと思いながら、こういう形で退職
することになるとはなぁと感慨もあります。どちらに
せよ、人生はいつかどこかで少しずつ変わっていくもの
なのでしょう。

今の仕事を続けたいとは全く思いませんが、それでも
それなりに思い出はあり、突然の卒業式の前日のような
気分です。この感じは不思議です。そこに留まりたいと
いうのではないけれど、そこで過ごした日々がすでに
もう帰らないものである、とあらためて感じています。

□◆□…優嵐歳時記(389)…□◆□

  イースター静かに雨の降り始む  優嵐

昨夜はおぼろ月夜でした。昼間はうす曇のまますぎましたが、
夜になっていつの間にか雨が降りだしていました。雨音も
ほとんどしない静かな雨です。室内にいて、外が見えない
場合、雨に気づくのは家の前を通る車のタイヤが路面にふれ
てたてる音です。

今日は一日中室内にいて自分のブログをあちこちさわって
遊んでいました。新しいことを書き込んでいくのも楽しい
ですし、デザインを変えたりするのもおもしろく、あっと
いう間に時間がたってしまいます。

□◆□…優嵐歳時記(388)…□◆□

   鉄骨に月柔らかき聖土曜  優嵐

明日は復活祭。その前日にあたる今日は聖土曜日です。
「イースター」は春分の後、最初の満月の後の第一日曜日
と決まっています。ですから、年によって異なり、3月22日
から4月25日までのあいだの日曜日です。「イースター」
ともいいます。キリストが十字架上の死から三日後によみ
がえったとされる日で、キリスト教徒にはクリスマス同様、
大事なお祝いの日です。

ただ、クリスマスもほんとうにイエスその人が生まれた日と
いうよりも、キリスト教以前からあったヨーロッパの冬至の
祭りと結びついたものであり、イースターはやってくる春を
迎える、春の復活を祝うところに始まったものだという雰囲
気があります。

暗く長い冬を耐えて暮らすヨーロッパの人々にはイースター
の明るさがとりわけありがたいものに感じられるのだと思い
ます。クリスマスがあれほど日本人におなじみになっている
のに比べ、イースターはそれほど知られていません。この
あたりは気候風土の違いからくるものでしょうか。

□◆□…優嵐歳時記(387)…□◆□

  春雪が鏡の中を降りしきる  優嵐

思いがけない彼岸すぎ寒波の影響で姫路でも雪が降りました。
ほんの短い時間でしたが、それでもこの時期の雪というのは
珍しいです。

退職する、とはっきり言ってしまうと随分すっきりしました。
人手どうのこうのではなく、今月末で退職することになり
そうです。なんだか罪をおかして追われるという雰囲気に
なりますが、逆に考えれば早めに自由を得られるということ
で、望ましいことかもと思ったりしています。

春の嵐、春の雪、この彼岸寒波、これから何年かたってから
でも、きっと何度も思い出すことでしょう。

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