□◆□…優嵐歳時記(1563)…□◆□ 【赤とんぼ】

  つと進みつつと曲がりて赤とんぼ  優嵐

アパートの前を赤とんぼの群が飛んでいました。三十匹
くらいの集団が三階から四階くらいの高さをあっちへ
行き、こっちへ行きしていました。飛び方がシンクロ
して、お互いに何らかの意思疎通をしているように見え
るほどです。

海中で素早く集団で向きを変える鰯などの群、渡り鳥の
翼をきれいにそろえた群など、ああした集団には個体の
意思とはまた違う集団の中に流れる何かがあるように
見えます。それをこの赤とんぼの群からも感じました。

彼らは人間のような高度な大脳の機能は持っていない
はずです。それならば何によってその動きがシンクロ
しているのか。集団知とでもいうようなものがそこには
感じられます。

ところで、燕を見なくなりました。まだ八月ですが、
もう南へ渡ってしまったのでしょうか?