先日面白い記事を見かけました。
イギリスのキャサリン妃が二人目のベビーを産んだ当日数時間でメディアの前にお披露目の姿を表した(しかもハイヒールで)時の話です。
(まぁこれは日本人でもキャサリン妃すげっ(((( ;゚д゚)))と思った人が多いでしょうが
p6267891a909082395

表題は「あなたはイギリス王妃のように『坐月子』をしないなんてできますか?」というもの(ソースはこちら)。

台湾人も一応頭では「西洋人は『坐月子』をする習慣がない」とわかってはいるのですが、彼らにとってはあまりにも当たり前の習慣(基本、台湾では100%の産婦がすると思います)なので、普段は忘れてて「そういえば西洋人はしないんだよな」という感じです。

面白いのは、「外人」である日本人も「アジア人だからするだろう」とみんな思い込んでいるところ。
それで、私が「日本では『坐月子』の習慣はないのでやらないよ」というと、ものすごくびっくりされるんですよ。
では、そもそも『坐月子』(zuo yuezi ズオユエズ)ってなんなの?というお話ですφ(.. )
1. 『坐月子』とは

『坐月子』とは、主に中国系の民族の習慣で、産後約一ヶ月産婦を休ませるための習慣です。
こう聞くと、ああなるほどね、日本でもそれくらいはそうね、と思うかもしれませんが、『坐月子』期間中にはいろいろな決まり、タブーがあります。

#髪や身体を洗わない
私を含めた外国人にとって一番「いや、それ無理だから」と思う部分がこれかも。
『坐月子』で重視されるのは「身体を冷やさない」こと。
なので、「(冷たい)水に触るのはもってのほか」ですし、過去、衛生状態が良くなかった時代、衛生的でない水や環境で、身体が弱っている産婦にダメージがあるのを防ぐのが目的だったようです。

現代では関係ないのでは?とも思いますが、なにしろネット上でこんなのをいっぱい売っているので
10
(『坐月子』のとき洗えない髪が顔にかかって不快な思いをするのも防げます♪)と書いてある
PChomeより)

やっぱりけっこう洗わない人が多いのか、少なくとも「あまり洗うべきではない」と思われているのは確かだと思います(; ̄Д ̄)

#階段を登らない。本を読まない。
よくわかりませんが、とにかく「危ないことはするな、疲れることはするな」ということなのでしょう(・∀・)

#『坐月子』専用の食事を取る
これがかなり面倒な部分で、これがあるがために、必ず誰かがサポートする必要があります。
漢方や陰陽の思想において、「産婦の体力回復や子宮収縮を促し、母乳がよく出るような食事」を取るべきだとされています。
具体的には、豚の肝臓と杜仲茶を煮たスープや、ごま油と酒で煮た鶏肉などがよく挙げられますが、とにかく毎日これを食べます
高タンパク、高カロリーなので、この『坐月子』の食事のせいで産後太りがなかなか戻らない、という人も多いですねぇ。
でも、これは必ずしなければならないことで、逆に「『坐月子』をちゃんとしないから、西洋人の女性は老けるのが早い」と一般に思われています(; ̄Д ̄)

2. 現代の『坐月子』 

『坐月子』というのは、とにかく寝たきりでなにもせず、栄養価の高い食べ物をひたすら食べる、という日々な訳ですが、家にいると普通はそういうわけにもいきませんよね?
なので、サポートする人が必須です。伝統的にはお姑さんか自分の母親ですね。

ですが、自分の母親が必ずしも手伝える環境とは限らないし、お姑さんだと気を使う、ということもあり、現代では「『坐月子』センター」がものすごく普及しており、普通台湾の女性は出産後、病院からあらかじめ予約した『坐月子』センターに移動し、そこで『坐月子』期間を過ごします。

で、これがどんなところかというと、
itemImg6
こーんな感じの個室で、ほんとホテルの部屋みたいな空間です。
ホテル同様「デラックス」とか「スイート」みたいなランキングがあってそれによってお値段も変わります。

ashx
『坐月子』センターには専門の看護師さんがたくさんいて、赤ちゃんは普段はその人たちがお世話してくれて、母乳をあげるときだけ部屋に連れてこられる、という状況。

『坐月子』用のご飯もお部屋に毎日なんども運ばれてきます。
至れり尽くせりですが、その分お値段もけっこうして、一般的に40-50万円くらいはする感じ?
もちろんピンキリですが。

ただ、一人目の子供ならともかく二人目以降で、上の子が家に居る場合は、お母さんだけがずっと『坐月子』センターにいて、お父さんが家で子供の面倒を一ヶ月見るというのもなかなか難しいですよね。
そういうお母さんのために、「宅配『坐月子』用ご飯サービス」も充実。

1395668858-4267808946_n
1395668866-3730354321_n
1395668892-1890453506_n

(写真は台北の「玉膳坊」のもの
こんな感じで毎日『坐月子』用の食事が届けられます。
一日分で5000-10000円くらい、一ヶ月で20万円前後でしょうか。

これはたぶん台湾人のお母さんやお姑さんにとっては、ある程度義務みたいなことだと思いますが、健康状態がよくなかったり、お料理が苦手なお母さんもいますよね。
うちのダーリンママに、「私は『坐月子』もしないし、日本で産むから」と言ったときに、かなりホッとした顔をされたので、きっとダーリンママもめんどくさいと思ってたんだろうなぁと思いました(笑)
まぁ逆に「ちゃんと『坐月子』をしないなんて!」と怒るようなお姑さんもいっぱいいると思うので、そういう人じゃなくてラッキーだったなぁと感じています