10代、20代……まぁ30代くらいまでは、男に能動的なセックスをしてほしいなと思う。卒業するくらいヤリまくれよと。本来ならばそれが自然だろう。男の草食化と相まって、女の肉食化という話もよく耳にする。しかし、男のような能動的なセックスを、女は本当にしたいのだろうか?


 仮に女の子が自分から逆ナンしたとしても、男が女をホテルに連れ込むのとは、さらには強引に押し倒すのとは、ちょっと違うのではないか。僕はこれまで女の子から「彼が(あるいはダンナが)○○してくれない」という話をいやっていうほど聞いてきた。してくれない男を彼女たちが無理やりなんとかするかと言えば、ふつうしない。


 彼女たちは“してくれる男”を求めてセフレを作るのである。作ったセフレがしてくれなくなれば、また別の男を求める。こうしてセフレの数は増えてゆく。つまり、彼女たちの中にあるのは「してほしい」「されたい」という欲求であり、やはり受動的なのだ。


 話を男に戻そう。冒頭に「まぁ30代くらいまでは」と書いた。個人差はあるけれど、40代から50代、60代に入ってまで、能動的にガンガン行くのは体力的に無理がある。それでもやりつづけようとすれば、バイアグラや精力剤などクスリに頼ることになるだろう。


 では、どうすればいいのか? ある程度の年齢になったならば、男も受け身の快楽中枢を使うのがいい。実際、受け身になったときのほうが歓びは深い。35年ビデオを撮ってきて、能動的に攻めている男が失神したことは一度もない。加藤鷹、チョコボール向井、平本一穂……彼らが失神したのは、すべて受け身のときである。


 平成淫女隊に攻められて失神した青木達也が、目覚めたとき、何事かと飛んできた市原にこんなことを言う。「わかりましたよ、気張っちゃダメなんですよ!」。当時すでに男優歴6年、出演作1000本以上の青木だが、きっと何かに気づいたのだろう。


 男が受け身になろうとしても、女が受動的ではうまく行かないんじゃないかと思われる人もいるかもしれない。でも、心配はご無用。男がプライドを捨ててヨガったとき、攻めていた女がイッてしまうシーンを僕は数え切れないくらい見てきた。共鳴・共振してしまう能力はもともと男の比ではないのだ。


 しかも、男がある年代に達している場合、相手も相応の年代であるケースが多い。生理があがっている場合もあるだろう。閉経とともに女性ホルモンは減少するけれど、相対的に男性ホルモンは増加すると言われている。男性ホルモンのテストステロンは“やる気ホルモン”とも呼ばれ、女を積極的・能動的にする。妊娠の心配がないという心理的作用だけでなく、ホルモンバランスの点からも、年輩の女性には“攻めるセックス”が似合うのだ。


 とはいえ、いい歳して女の前でヨガるなんてカッコ悪いという男もいるだろう。もう20年前になるが、ある雑誌で「衰えゆく性とどう向き合うか」という特集が組まれた。その中に「現役風俗嬢が熟年男性の魅力を語る」と題して、南智子のインタビューが掲載されている。一部を抜粋してみる。


 〈私のお店は性感マッサージという業種で、簡単に言いますと、ほかの風俗店と違って男性が受け身になる場所なんです。意外に思われるかもしれませんけども、ほんとうはそういうセックスが好きだという男性は世の中にものすごくたくさんいるんですよ。(中略)私は、男性が受け身になっているのって、とてもセクシーだと思うんですよ。特に年代が上の男性の受け身のセクシーさというのは、若い男の子にはない魅力がありますから……〉


 受け身になって女と変わらない歓びを感じたとき、男は初めて何かに気づく。人生で大切な何かに……。そして、若い頃のような体力を失いながらも、自分に自信さえ湧いてくるはずなのである。





ai-contactjpg