春もそろそろ夏へと変わろうとしている。
天気も気持ちがいい日が多いっていうのに
なんだか、ぽつんと置きっぱなしにされている
がまがえるの置物のような気配が漂う。

毎日毎日のしなければいけないことの繰り返しで
みんな同じだけどそろそろ疲れてきた。
正直、うんざりしてる。ちょっと表に出て
運動でもといっても、それも気晴らしになるほどのものでもなく
そう限界がある。
鬱々として気分をどことなく隠し持ちながら
なんとか生活を送っている感じ。


そんな時、実家の断捨離の真っ最中だという姉から
電話で。僕が使っていた部屋もついに、可愛い姪っ子に空け渡す日が来たのだと
告げられる。

さっそく実家にもどり、懐かしい部屋に入ると
姉や姪がかなりの時間をかけて整理してくれていた。

18から集めていたアナログレコード、古くなったスピーカー
破れて剥げ落ちたソファー、再生機のないVHS、賞をもらった写真を掲載している雑誌
懐かしいアルバム。すべては自分が生きてきた証。

これらをすべて処分するのか。そういう時がついに来たのかと
一瞬、固まった。

持ち続けたい思い出の宝か行き場のないゴミか。

さあ。。どっちだ。

答えが出ないまま僕は捨てる事に全力で向かう。

捨てることは失うことではない。整理することだといい聞かせながら。

今を生きる、未来がある方向に
邪魔にならないようにそうすることに決めた。

明日のために、今日がいい日であるように。


姪っ子の未来のために、いい部屋になったらいいな。