July 28, 2007

【書評】財務3表一体理解法-決算書がスラスラわかる

財務3表一体理解法―決算書がスラスラわかる

これホントにすごい。ここまでわかりやすく財務諸表の見方を解説するなんて、脱帽ものでした。本当に「スラスラ」わかります。

本書は決算書の読み方を知らない、もしくは知っていると思っている人のために書かれたものなのだけど、本書のわかりやすさは群を抜いていると思います。

株を始めたいから決算書が読めるようになりたいとか、決算書の仕組みってどうなっているんだ、と疑問を持つ人にはかなりお勧めです。

まず財務諸表を理解したい人が思いつくのは、簿記の勉強をすることかと思います。ただ、仕訳が基になっているとはいえ、現代人は時間がないので、簿記を一から勉強していたら最初の目的はどこへやら〜ってことになりかねません。

もし手っ取り早く、何が大事でどのように決算書は繋がっているのかを知るには絶好のものです。本書を読み終わった後には、決算書の仕組みがわかって気分爽快でなんともいえない気持ちになります。

本書の内容を紹介します。

本書の目的は財務諸表を理解することですので、架空の会社で実際に取引を行うことで説明していきます。
たとえば、100万円の資本金で会社を始め、売り上げが100万円があがったので、それを財務諸表におとしていくものです。

本書が他に類をみないほどわかりやすくなっている理由は、決算書を単独で説明していない点です。
これが本書の核になる部分なのですが、貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CA)の流れすべてを見ているのです。

売り上げが上がった→PLに変化→BSに変化→CAに変化。
というような具合です。もちろんすべて同時に変化するわけですが、売り上げが増え、当期純利益があがり、利益剰余金が増え、現金が増えるとこでBSが一致し、CAの営業キャッシュフローがあがる、、、というように、本当に初歩の初歩を解説しています。

会計を知っている方は簡単だと思われるでしょう。

しかし、では自分の言葉で正確に会計の流れを説明できるでしょうか。
会計をまったく知らない人にうまく説明できる人は本当に数すくないのではないでしょうか。
本書の冒頭で筆者が述べていますが、筆者のアカデミーヒルズなどでのセミナーには会計士の方も来るそうです。つまり会計のプロであっても、それを会計を知らない人にうまく伝えるのは難しいことだからです。

「自分にしか説明できないことを、誰にでもわかるように説明する」

これを筆者は三表一体理解法という方法で成し遂げたのです。
会計を知っている方でも、本書の説明の方法、体裁などはとても参考になると思われます。

会計という論理で成り立っている美しさを本書で感じました。
これは「オイラーの公式」に通ずるものがあります(オイラーの公式のほうが上ですが笑)。
本書の対象は決算書を理解したいビジネスマンです。会計を本格的に勉強する前に本書を読んでみるとよいと思います。
たった、約700円で決算書がスラスラ読めるようになるのですから。


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