仮面ライダー響鬼、第三十四話は「恋する鰹」
魔化魍カマイタチを倒し、ヒビキたちは「たちばな」で小暮の思い出話にふけっていた。そんな中、日菜佳が誕生日を迎え、トドロキはで誕生祝いにレストランへ誘う。しかし、トドロキは慣れない雰囲気に失態を見せ、日菜佳を怒らせてしまった。意気消沈するトドロキは、童子や姫、そして魔化魍ウワンとの戦いでも失態を見せてしまう･･･という流れでした。
今回の「仮面ライダー響鬼」は、アームド響鬼として魔化魍カマイタチを倒したシーンから始まりました。
その後、「たちばな」では、その姿を確認して吉野へ帰っていった小暮の話で賑わっていた。その日は日菜佳の誕生日で、日菜佳はトドロキからの誕生日祝いに食事を誘われ、美容院へ行っている。トドロキもうれしさを隠せない様子。
夜景の見えるレストランでドレスアップした日菜佳の誕生日を祝うトドロキ。しかし、レストランの静かで敷居の高い雰囲気に呑まれ、緊張のせいか、ワインを噴出したり、メニューのステーキを切る際にナイフとフォークがうまく使えず日菜佳の服に飛ばしてしまう。それを拭くために慌ててテーブルクロスを引っ張って更にテーブルの上をむちゃくちゃにしたトドロキ。「いいんです」と落ち着きを見せていた日菜佳も、プレゼントに持ってきたという実家から送られた「サカイ水産」の大きな箱に入った一本釣りの鰹をプレゼントに面食らってしまう。
一方、ヒビキは明日夢少年とコンビニで夕飯を買っていた。明日夢少年は、母が具合の思わしくないおじいちゃんの元へ行ったため留守番をしている。成長期の明日夢少年を気遣うヒビキは、今度は自分が食事をつくってあげると約束した。
ムードぶち壊れで怒る日菜佳。謝るトドロキに「ただちょっと疲れただけ」でと言う言葉を真に受けて喜ぶトドロキは再度鰹を渡すが、空気が読めず気が利かないトドロキを追い返してしまう。最低の誕生日に「トドロキ君、いい人はいい人なんだけど、落ち着きがないというか、無神経と言うか、オシャレじゃないというか」と、正直、イブキのような人がいいのではないかと日菜佳は香須実になんともいえない気持ちを相談した。
ある街路では、セミがひとしきりないていた。男女2人連れがその声が気になり、男性が草むらへ入っていった。すると、男性は何者かに引き込まれた。
城南高校では、明日夢少年が水を飲んでいた。ふと明日夢少年が振り向くと、ひとみと京介が歩いてきた。そっと京介に手紙を手渡すひとみに、絶句してしまう明日夢少年。
とあるレストラン。香須実は日菜佳の悩みの件でトドロキと会っていた。「どうしていいのか分からない」というトドロキは自分は嫌われているのではないかと相談する。あんなにすばらしい女性はいないのではないかというトドロキ。しかし、またもや食事中にハンバーグを香須実の頭に飛ばすという粗相を。
河原ではイブキとあきらがベースキャンプを張っていた。いつになったら鬼になれるのかいうあきらに、イブキはそれは人それだという。ヒビキが最短で鬼なったことを例に挙げ、進歩していない自分が歯がゆいようだ。「あきらはあきらの速さでやればいい」となだめるイブキ。そこへディスクアニマルが情報を持ってきた。
香須実と相談が続く中、日菜佳からトドロキへ電話が入った。喜ぶトドロキに日菜佳は、あきらから魔化魍ウワンが現れたという連絡があり、イブキが姫と童子に邪魔されてマカモウのところへいけないと事務的に連絡を伝えるのみ。釈然としない気持ちのまま、トドロキは現場へ向かった。
城南高校の怪談。明日夢少年はひとみと出くわすが、どこかよそよそしい。
公園では魔化魍と戦うヒビキ。そこへトドロキが援護するが既にヒビキはウワンの針のような口で肩をさされていた。
その頃河原では、童子と姫を前に苦戦するイブキ、あきらの援護も間に合わず、逆にあきらは足首にケガを負う。
トドロキは日菜佳の一件が気になってか、失敗や集中することができないことをヒビキに告げる。ヒビキはトドロキの様子がおかしいということをみどりに伝えた。すると、みどりはヒビキに対して「変なところで鈍い」という。ヒビキは、鬼が仕事の中に私生活を入れてスランプになるということをおかしいと言う。しかしみどりは、鬼の生活の中に私生活を入れておかしくはなく、ヒビキには男としての弱さがないという。人は弱い部分で恋をするものだという。
明日夢少年の家に向かったヒビキは、明日夢少年に夕食を提供。しかし、味の方はいまひとつでしよっぱい様子。突然、ひとみとの仲を尋ねるヒビキに明日夢少年は「別に恋とか･･･」と言いつつもお通夜のような様子。
その頃トドロキは魔化魍ウワンに出会っていた。そこへ突然明日夢少年の携帯電話に連絡が入り、ヒビキは援護へ。
ひとみは京介とデートをしていた。そこへバイクで走る響鬼の姿をみつけ、急に駆け出した。
ヒビキとイブキ、そしてあきらも現場の河原へ。それぞれが鬼に変身し、苦戦する響鬼に、アカネダカが奪われたアームドセイバーを奪い響鬼へ渡した。響鬼はアームド響鬼へ変わり攻撃を仕掛ける、そこへ轟鬼が音撃斬雷電激震で止めを刺そうと弦をかき鳴らそうとしたそのとき、弦が切れてしまう。危機迫る轟鬼はどうなるのか？

【今回のみどころ】
・オープニング曲変更、そしてエンディング曲がなくなった
・トドロキの単純さと集中力のなさ不器用さ
・日菜佳の心の葛藤
・ひとみが京介に手紙を渡す姿を見て驚きを隠せない明日夢少年（ラブレターかどうかは定かではなく謎）
・仕事と私生活を割り切るヒビキ
・何時になったら鬼になれるのかというあきら
・首の回る童子（ボケる童子に、つっこむ姫）
・魔化魍ウワン（ショッカーっぽいが成長すると魔化魍と化すのか？）

今回の仮面ライダー響鬼は「恋する鰹」ということで、鰹をプレゼントするといった通常では考えられない行動をするトドロキの心の葛藤と、「恋」をキーワードとして登場人物の考え方や行動を話の中に取り入れた一話でした。
トドロキは自分では一生懸命に日菜佳に尽くしているつもりですが、なかなか思うように伝わらないようです。単純で信じて疑わない性格、集中力のなさは自分でも少しは気付いているようですが、どうすればいいのか自分でも分からないようです。そんなトドロキに対して、日菜佳も悪い人ではないと分かっていてもどこか物足りないようですね。今後それがどのように解決し、互いが成長していくでしょうか。トドロキのキャラクターに関しては、個人的にはトドロキの不器用さの表現方法や演出については、これまではその場の空気は読めなくても他人に迷惑をかけることはなく、大食いで張り切りすぎることはあってもこのように多くの粗相をするようには感じませんでしたが、ディナーに緊張しすぎたのでしょうか。
明日夢少年は、ひとみが京介に手紙を渡す姿を見てやはり動揺は隠せないようで、突然のヒビキにひとみとの仲を問いかけられてもお通夜状態でした。やはりこういったところは、みどりさんがいうヒビキには男としての弱さがないゆえの唐突さでしょうか。
しばらくぶりに登場した感のあるあきらですが、努力しつつも鬼に近づけない自分を歯がゆく思っているようですね。これからどのように成長していくかというときにまたケガをしてしまいました。ますます悲観するあきらですが、イブキは若いながらもよくあきらを育てていると思います。序ノ六段からどれくらい成長したのでしょうか。焦る理由も気になるところです。
スーパー童子＆姫、今回は漫才のような展開でした。これで童子がボケで姫がツッコミペアの完成ですね。センスはハリセンのかわりということでしょう。
オープニング曲が「輝」から「始まりの君へ」に変わり、これまでの時代劇のような壮大なオーケストラベースの曲が昭和歌謡風になり、オープニングロールの縦文字から横文字となりました。鬼のそろい踏みはまた違ったイメージですね。明日夢少年、半年間でずいぶん成長した感があります。個人的には、これまでの「輝」とオープニングロールの方が好きでしたが、いままでの輝きを失わないように、新たな展開へ移行されればと思います。

なんだか、あっという間に終わってしまったような三十四之巻でしたが、さて、烈雷の弦が切れてしまった轟鬼はどうなるのでしょうか。
次回、後編へ。

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