10月17日午前、小泉首相は靖国神社を参拝しました。
今回の靖国神社の参拝は、首相就任以来5回目。これまでとは形式とは異なり、スーツ姿で本殿には上がらず拝殿前一礼して段を上り拝礼し賽銭を入れて参拝を済ませました。公用車を使用し首相秘書官を同行させたものの、内閣総理大臣名での記帳や、私費による献花料の支払いもないといった私的参拝の色合いの強いものとなりました。
適切に判断する・・・その結果が今日の靖国神社参拝という形となりました。
小泉首相は就任以来、年1回の靖国神社の参拝を公約としており、小泉内閣の本丸として掲げていた郵政民営化関連法が成立したことを踏まえて、秋季例大祭に合わせて参拝に踏み切ったようです。
これまではモーニングか黒の羽織袴姿で本殿に上がり、さらに「内閣総理大臣 小泉純一郎」と首相として参拝したことを明らかにした形でしたが、今回はこれまでとは違った一般の参拝形式がとられました。9月30日には、2001年から2003年にかけて3度にわたる小泉首相の靖国神社参拝に対し精神的苦痛を受けたとして、台湾人116人を含む戦没者遺族ら188人が国と小泉首相と靖国神社に対して損害賠償を求める訴訟で、大阪高裁では違憲性を認める判断がなされたこともあってか、そのことを配慮した形式での参拝のようにも感じられます。小泉首相は今回の参拝の意図について、「二度と戦争をしないという決意を表明した。今日の平和は、生きている人だけで成り立っているのではない。戦没者に敬意と感謝の気持ちを伝えるのは意義のあることだ」と語っています。今回は8月15日ではなく、これまでの首相が参拝していたように靖国神社にまつられた戦没者の冥福を祈る祭典「秋の例大祭」での参拝であることは首相としてというよりも一個人としての信念を貫いたということでしょう。表向きにもその方が混乱を招かないと判断したのだと思います。

さて、小泉首相の靖国神社参拝にあたって、必ず絡んでくるのが中国と韓国の問題です。どんな形であっても小泉首相の靖国神社参拝に対して中止を求め反対を論じていた中国や韓国は、予想通り遺憾であることを示しています。
YOMIURI ON-LINEの記事によると、
『参拝がアジア諸国などとの外交関係に与える影響については、「日中友好、日韓友好、アジア重視は変わらないのでよく説明していきたい。こういう問題も長い目で見ればだんだん解消される」との見方を示した。さらに、「(参拝は)本来、心の問題だ。外国政府が、日本人が日本人の戦没者や世界の戦没者に哀悼の誠をささげるのを『いけない』とかいう問題ではない」と述べた。』
と、外国政府に対して理解を求めるようなコメントを残していますが、理解を得るには難しいと感じます。その理由として、中国の王毅大使は「17日は中国の有人宇宙船神舟6号が無事に帰還に成功した日であり、小泉総理大臣が参拝を行ったことは、中国の国民に対する重大な挑戦である。」との談話を発表しています。中国国内で記念すべき喜ばしい宇宙船の帰還が、あたかも日本の首相が靖国神社を参拝したことにより、お祝いムードを壊したような意味あいのコメントです。中国が神舟6号の帰還と靖国参拝への批難を結びつけて論じているのは解せないですね。どこに関わりがあるのでしょうか。今後は東シナ海エネルギー開発問題や国連常任理事国入りに関しても首相の靖国参拝を盾に対話のもてない状況が出てくるのではないかと思います。韓国にしても潘基文外交通商相は駐韓国大使を外交通商省に呼び、小泉首相の靖国神社参拝に抗議しています。さらに「韓国政府として、深い遺憾と失望を禁じ得ない。再びこのようなことがないよう促したい」と述べています。どんな形であれ、A級戦犯がまつられた靖国神社に参拝することに反対する中国や韓国。靖国神社参拝を巡る反日感情が噴出するきっかけとなってしまいましたね。靖国神社を私人として参拝してこの結果ですが、公人としての参拝でも中国や韓国の反応は変わらないのではないかと思います。ならば堂々と参拝してもよかったのではないでしょうか。
靖国神社問題に関しては、個人個人で考えはさまざまですが、今回の靖国神社参拝については、小泉首相が公約として年1回の靖国神社参拝を掲げていることと、参拝の理由や過去の首相の参拝例を鑑みると、小泉首相は「適切に判断」されたのかと思う次第です。

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