若年夫婦らの経済的負担を軽減し、少子化の進展に歯止めをかけることを狙いとし、入院を含む出産関係費用を国が全額負担する「出産無料化」制度の導入を検討していく・・・猪口邦子少子化担当相は1月13日午前の会見でこのような考えを明らかにしました。
果たして、出産関係費用の無料化が少子化に歯止めをかけることにつながるのでしょうか。
午前中の会見では、マスコミに対して、少子化に歯止めをかけるために出産費をタダにするということは広く視野に入り、こうした考え方を検討していくという主旨の弁を述べた猪口氏ですが、午後の少子化社会対策推進会議で報告。しかし、会議後には発言を修正したようです。
猪口氏、「出産無料化」朝令暮改 混乱招き発言修正
少子化対策の一環として出産費用を国などが全額負担する支援策について、猪口少子化担当相は13日、「広く検討することは視野に入る」と発言し、前向きな姿勢を示した。その後、政府内からは打ち消す発言が相次いだ。出産育児一時金の支給増額を盛った来年度予算案が昨年末に決まった直後の新規施策の検討は難しく、安倍官房長官も会見で「猪口大臣が精力的に全国を回っておられて、その中で要望が強かったということだ」と火消しにやっきだった。

 猪口氏は同日午前の閣議後の会見で、「方向性を決定したことはない」としながらも「(出産無料化は)着任以来強く寄せられている意見の一つ」として、積極的な姿勢を示した。

 しかし、政府は、医療制度改革に伴って出産育児一時金を30万から35万円に引き上げることを、20日開幕の通常国会に提出する来年度予算案に盛っている。川崎厚生労働相も会見で「いかにも今の予算に直接関係してそうな議論も出ており、明確に切り分けないといけない」とくぎを刺した。

 午後に入って、首相官邸で安倍氏と会った猪口氏は記者団に「具体的な考え方が煮詰まった段階では全くない」と発言を修正。その後開かれた少子化社会対策推進会議の初会合でも、訪問先の県知事などから出た意見として紹介するにとどめた。
出産費の無料化に積極的に意見を述べていた猪口氏ですが、少し勇み足だったようで、閣議後は発言を少し変えたようですね。一応、政府としては少子化対策の一つとして出産費用の無料化を図ることを視野に入れているようですが、予算の関係もあり、まだ流動的なようです。出産にかかる費用も入院施設によって格差がでます。そのことを考えての無料化でしょうか。出産費を負担するとどこかにしわ寄せが来ると思います。その財源はどのように考えられているのでしょう。
出産費の無料化ですが、そもそも、出産費が無料になることが少子化につながるのか?という疑問があります。出産費用が無料となることはこれから出産を視野に入れている家庭にとっては家計の負担が軽くなり助かるといった利点がありますが、これから出産を考えたくても様々な意味で躊躇している家庭にとっては少子化への打開策には繋がりにくいのではないでしょうか。出産は一時的にかかる費用ですが、子どもを生んで育てるということは子どもの成長に伴って食費や教育費などがかかってきます。子を育てるという長いスパンを考えると出産後にどのように国がかかわり財源から負担できる部分を改善していくのか?ということの方が現実的です。さらに子どもを育てたくても出産後に社会復帰するための「受け皿」として、職場の制度が不備である場合や育児休業がとりにくい雰囲気であるケースや、仕事をしている間に親に代わって子どもの面倒を見る保育所が不足していたり、思い通りに入所できないといったケースを憂いであるがために出産に踏み切れない人も少なくはないと思います。産んでよかったと思えるように子どもが生まれてからの環境を整備することの方が大切なのではないかと考えた次第です。
少子化に歯止めをかけるためには、「産めよ増やせよ」と出産を煽ることだけではありません。保育所の数を増やし、保育時間を延長するなどの整備や、育児休暇制度拡充し使える企業環境を作ること、そしてニートやフリーターへの対応策を考え経済的に安定した家庭を持てる環境を作ることも大事ですね。

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・SankeiWeb『出産無料化を検討 少子化対策で経済支援
・asahi.com『猪口氏、「出産無料化」朝令暮改 混乱招き発言修正
・YOMIURI ONLINE『政府が少子化総合対策に着手、財政負担に課題も

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