asahi.comの記事へ米国産牛肉輸入再開から僅か1ヶ月で再び輸入が停止することに・・・。
農林水産省は1月20日、成田空港で検疫手続き中の米国産牛肉から、牛海綿状脳症(BSE)対策で除去が義務づけられている特定危険部位の脊柱が見つかったことを発表。昨年12月に再開したばかりの米国産牛肉の輸入を再び停止する方針を決定しました。
日本政府は米国産牛肉の輸入再開にあたって、BSEの原因物質であるプリオンが蓄積しにくい肉に限定することを重視。対象を生後20カ月以下の若い牛で、特定危険部位を米国側で取り除くことなどを条件としていましたが、米国の業者は空港の検疫でいとも簡単に見つかるほど明らかな違反をさらっとやってのけました。
なんだか日本をなめてるんですか?って感じですね。
今回、特定危険部位の脊柱が混入していた牛肉は、米ニューヨークの中堅の牛肉処理業者「アトランティック ビール アンド ラム」が首都圏の業者に輸出したもので、390キロ(41箱)の牛肉のうち、55キロ(3箱)が脊柱の一部がついたままで確認されたようです。
本当にずさんですね。
YOMIURI ONLINEの記事(抜粋)によると
 小泉首相は20日夜、記者団に対し、「中川農相から米国産牛の日本への輸出は全部ストップすると電話で報告があった。米国にしっかりとした対応を求めるというので『それはいいことだ』と言った」と述べ、輸入の再禁止を了承したことを明らかにした。首相は中川農相に「厚生労働相とよく協議して米国にしかるべき対応を求め、適切な措置を日本として求めるように」と指示した。

 中川農相は同日夕に農水省で記者会見して、脊柱が混入した米国産牛肉が発見されたと発表し、「輸入プロセスの重大な違反となり、極めて遺憾だ。きちっと調査をして、米国政府に厳重に申し入れをしたい」と強い不快感を表明した。

 米国産牛肉は、米国内でのBSE発生を受けて2003年12月に日本が輸入を停止。内閣府・食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長=吉川泰弘・東大大学院教授)で、輸入再開のリスクを検証し、脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位の除去や、生後20か月以下の牛に限ることを条件に、2年ぶりの再開を決定。12月16日に解禁から初めての米国産牛肉が成田空港に到着した。

 米国内での特定危険部位の除去作業をめぐっては、昨年8月、米国政府が自ら1000件を超える手続き違反を公表していたこともあり、以前からずさんさが指摘されていた


 食品安全委は、昨年12月8日に農林水産、厚生労働両省に出した答申の中でも、輸入再開の条件が守られなかった場合は「(再開後に)輸入を停止することも必要」と指摘している。(2006年1月20日21時30分 読売新聞)
米国内での除去作業のずさんさが指摘されながらも、日本政府が輸入再開に踏み切ったことも問題だと思いますが、この米業者施設には米国の検査官が常駐し、今回の牛肉にも検査済み証明書が付いていたとのこと。検疫で目で見てわかるほどの処理のずさんさは米国側の監視体制に問題があったということでしょう。
これで米国産牛肉の輸入に関しては振り出しに戻る・・・ということですね。
やはり、米国側にBSEの全頭検査の徹底してもらうことを約束し、安全な牛肉であることが確認されていることを前提に輸入をするといった措置をとるべきだったのではないかと思います。輸入再開は時期尚早だったのかもしれません。
さて、抜粋部分のYOMIURI ONLINEの記事は現在では太字部分が削除されています。何か問題があったのでしょうか。

さて、来月から牛丼を再開する予定だった吉野家は、間際のこの時期にショックをうけていることでしょうね。ファンの方々もさぞ残念なことでしょう。
そういえば、輸入再開後、米国産牛肉を口にすることがないままでした。

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