高校での必修科目の未履修問題が全国へと広がる中、文部科学省は「今回限りの特例措置」として、履修不足が70時間(2単位、1時間は50分)以内の大半の高校生に対し、実質50時間の補習などを条件に卒業させる救済策を都道府県教委などに通知しました。政府は2単位不足者に対し、70時間の補習消化を課す案を出していましたが、与党側から「受験直前で負担が大きい」と負担軽減を要請する動きがあり、今回の救済策が採用されることになったようですね。
時は11月。高3生は大学受験まであと数ヶ月という段階に入り、受験科目に力を入れたいところだと思いますが、とりあえず与党案から受験を控えたこの時期の負担を考えると無理ではないかと言うことで、今回に限っては補修消化時間を50時間に短縮することで単位を取得したとみなす動きとなったようです。
このことについて思うことを少し。
未履修の高3生のうち、履修不足が70時間以内の生徒は全体の約7割超。不足した時間数を埋めるため、放課後や冬休み、春休みなども活用し70時間を基本に補習することになったようです。50時間になった背景には、受験の負担を配慮し、各校の教務規程で「3分の2以上の出席で履修が認められている」といった現実を踏まえた数字で、実質的に約50時間の補習でも卒業を認めることになったとか。履修不足が70時間超(3単位以上)の場合は、70時間の補習を科目ごとに割り振り、それぞれの科目で補習を実施。科目ごとに不足時間はリポート提出などで補うようです。結果として文科省は、与党案に押し切られた形となったわけですね。
この「今回限りの特例」の発表後、伊吹文明文科相の記者会見が開かれていましたが、50時間への短縮は苦渋の結論だったようです。また、今回の未履修問題の表面化を踏まえて、現在の学習指導要領の見直し作業の中に組み入れることを示唆していました。

個人的には、この未履修の救済策はどうかな?と思いますね。
未履修は、現実的には学校の組んだ課程において、生徒にとっては取得すべき単位を「取り損ねた」というものです。たとえば、50時間を前提とするのではなく、規定に則した課程で単位を取得すべき70時間を前提として、結果的に最低3分の2以上の出席で履修を認めるという形で考えても良かったのではないかと思います。当初から50時間のカリキュラムと70時間のカリキュラムではやはり内容に差が出てくると思います。

大学受験の進学実績をあげるために、受験科目に絞込んで重点的に特化したカリキュラムを組むことは、「大学受験」を考えた場合には効果的な勉強方法であると思います。しかし、高校の教育課程において履修すべき単位をきちんと取得することが高校生としての学ぶ姿ではないでしょうか。未履修ゼロという大阪の公立高校などでは、トップクラスの進学校でも履修単位を取得した形でキチンと進学実績を積み上げています。そのことを考えれば、学校の都合で未履修が発生することはあってはならないことだと言うことがわかります。
今後は、文部科学省、教育委員会、学校がそれぞれ未履修問題について悪者探しをするのではなく、文部科学省は学習指導要領を改めてたたきなおして決まったことをきちんとトップダウンすること、そして教育委員会は高校の学校運営がうまくまわっているかをチェックしていくべきですね。
来年からは、高3生が受験の間際で気持ちが落ち着かないような事態に追い込まないようにと思います。

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