2012年02月11日

JETRO 「アジア企業の欧州ビジネス戦略」のご紹介

昨日も1件ご紹介したのですが昨年末から年始にかけてJETROが続々と調査レポートを発表しています。今日ご紹介するのがアジア企業(中・韓・印)の欧州ビジネス戦略というタイトルのものです。

最近の欧州は経済的に非常に不安定ですが、日本が古くから開発してきた市場です。そもそも歴史や文化を大切にし、中小企業が多く、ものづくりやこだわりの文化がある欧州とは日本企業は相性が良い部分があります。
ところがこのレポートを見ると電気・電子・精密分野では韓国のみならず中国も健闘しています。自動車分野では韓国はもちろんのこと、中国のメーカーだって受注し始めているのです。インドの自動車部品大手もハンガリーで第2工場を稼働させています。これらのアジアの製品が勢いに乗れば陸続きであるだけに島国ニッポンは苦戦を強いられそうです。

私もパリにN氏、A女史とパートナーを2社持った3年半ほど前からEU関連のビジネスがスタートしましたが、欧州から日本への売り込み案件が圧倒的に多く、手がけた日本からの欧州進出案件はたった2件。いずれも市場調査の途中での断念です。

1件は雑貨メーカーですが、「中国製との差別化」が一番の問題でした。日本製のほうが品質が良いことは理解できるが、価格差ほどの価値があるのかどうか、と鋭いポイントです。また厳しい欧州の安全基準を通るにはさらにコストがかかる。そこへ中国製のニセモノがすでに出回っているとの情報。この雑貨メーカーは中国でものづくり(提携工場)を行っていますが、欧州との貿易を行っている会社の傘下にある工場だけに工場から横流しをされている可能性もありました。自社工場でない場合、特に日本の中小企業の場合は工場の管理まで行き届きません。野放しにしていると工場側がどんどん先回りして行く手をふさいでしまいます。

もう1件はインテリア用品ですが非常に日本的なものです。輸送コストがかかる商品だけに現地生産が可能かも検討しましたが、日本人の伝統技術が必要という事で無理。日本のメーカーはこれまた中小企業ですが欧州にも卸売業の提携先を見つければそこが売り歩いてくれると勘違いしていたために、自社で小売店(チェーンも含む)を売り歩く、あるいはエージェントに売りあるかせる以外に方法がないと知り、費用対効果からあきらめざるを得ませんでした。マーケティングを行うにも語学がまったくできない、発注が来たとしても輸出業務ができない、つまり外注をせざるを得ない、またコストがかかる。この辺が中小企業にとっての課題だと思うのです。

私が起業した時にアジアをターゲットとしたのは、アジアの時代に期待していた事と欧米との取引にあきていた事もありますが、時差と往復の経費と時間の点もあります。たった1人で体力もどんどん落ちるわけですからビジネスも安・近・短路線です。しかしながら、N氏、A女史というお人柄の良い二人に恵まれて欧州にチャレンジ中で
すが忙しい時の時差はやはり辛いです。

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ysworth2000 at 22:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!情報源 | 国際ビジネス

2012年02月10日

JETRO 「アジア小売・流通市場の現状」オンライン・セミナーのお知らせ

経済発展とともにアジア各国も新たな市場として見なおされています。規模の大きさから中国ばかりが目立ちますが、人口規模から言うと9000万人前後のベトナムとフィリピンが日本人からしてみればイメージしやすいような気もします。ただし、暑い国々では日本での稼ぎ頭である秋冬物の市場がありません。国民性、文化、商習慣まであわせ考えるといくら日本市場が少子高齢化で縮小傾向であっても中小企業にはおいそれと進出のできない市場のように思えるのではないでしょうか。

JETROのオンライン・セミナー
「アジア小売・流通市場の現状」
http://www.jetro.go.jp/world/seminar/110101/
というのを見つけました。動画は時間がかかる、資料がほしいという方のために文書版もあります。

キーワード的にまとめると、富裕層とアッパー・ミドル層が拡大する中国とマレーシア、中間層が拡大するインドネシアとインド、ワンランク・アップを求めるタイ、低所得層が多いが海外からの送金が消費を下支えしているフィリピンとベトナムといった感じです。

同じくJETROの調査レポートで「アジアの小売市場の今」
http://www.jetro.go.jp/world/asia/asean/reports/07000788
こちらはミャンマー、カンボジア、バングラデシュ、スリランカ、パキスタンなどにも触れられています。

すでに生産地として進出している企業にとっては現地のライフスタイルや商習慣もわかっているので市場とするのも取り組みやすいはずです。香港のビジネス・パートナーはベトナムに合弁工場を所有していましたが、現在は新たに貿易会社を作り、中国製品を現地のスーパー・マーケットなどに販売しています。

全般的に言えるのは日本ほど卸売業が発達している国はありません。日本のように小さなメーカーが問屋に商品を丸投げすれば適当に売ってくれるというシステムはなかなかないです。となれば、自社でマーケティングや貿易業務を行うノウハウを身につけないとコストがかかるばかりでなく、チャンスをつかむ事もむずかしくなります。

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ysworth2000 at 23:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!国際ビジネス | 情報源

2012年02月09日

中国 ギフト市場は10兆円

日本のギフト市場は数兆円とも言われてきましたが、中国も経済成長に伴い事実上8000億元(約9兆6840億円)の市場規模だそうです。内訳はパーソナル・ギフトが5055億元(約6兆1191億円)、団体によるものが2629億元(約3兆1824億円)です。

中国ではギフトの事を「礼品」(リーピン)といい、礼儀の礼でもあり、お礼の礼でもあるので賄賂につながりやすいです。特に会社からのギフトは単価がすごぶる高いのです。書画骨董の類も多いそうで、はなはだしきは偽物の陶器をわざとオークションで高価で落札し、価格証明をつけて送るケースもあると記事で読みました。現金で送るようなものですが、もらった方は偽物だから転売もできないという漫画的な話です。

自分では買えないような馬鹿高いものを買って送る、本人の見栄でもあり、相手をそれだけ尊敬しているという証です。

以前、日本のブランド米や青森のりんごが日本人にとっては信じられないような価格で売買されているのもほとんど「礼品」用と聞きます。プリペイド・カードも外食用、アパレル用、健康施設用などさまざまな種類があり、企業が何百枚、何千枚単位で買いあげるそうです、一方、旧正月など贈答シーズンにはたばこ、酒、茶葉などの日持ちするものの「買い取り」も行われるのだとか、案外日本より合理的です。

10年近く前、香港のビジネスマンW氏が紹介してくれた香港企業の女性の副社長は初対面ながら1缶1万円程度のお茶をお土産にくださいました。W氏とですら2-3回しか会った事がなく、ましてやこの女性の副社長を紹介するという話は事前に一切ありませんでした。いきなりぼんと豪華なお土産を出されると「この方にどんな事をしてさしあげなければならないのか」とドキドキしました。私はいただきっぱなしは気が重いので必ずお返しをする事にしています。

香港のビジネス・パートナーの会社の若い役員が日本にやって来た時は香港名物の月餅をお土産にくれましたが、聞けば完全予約制で1箱1万円近くすると言うのです。もちろん、ポケット・マネーで予約して翌日お店まで取りに行ったらしい。このくらいの事をしないとビジネス・パートナーの面子も私の面子も彼の面子も立たないという感覚なのでしょう。私は「お礼に会席料理に招待させてください」と言うと、「そんな事をしてもらっては帰ったら怒られますから。」「ウェルカム・ディナーをしてさしあげるのは年長者の務めでしょう?」と一緒に食事をしました。さほど高額なものではありませんでしたが、食器や盛り付けが大変美しく「香港でも時々日本料理を食べますけれどこんなにきれいなのは生まれて初めてです。」と大喜びしてくれました。

日本では虚礼廃止だの、チープでシックなギフト選びの達人だのが評価されたりもしますが、中国人の「思い切りの良さ」、ギフトに対する気合にはスケールの大きさを感じます。


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ysworth2000 at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国 | 日本人とマナー