オランダの過敏性腸症候群(過敏性大腸炎)の患者275人をランダムに3グループに分け、水溶性食物繊維のサイリウム(85人)、不溶性食物繊維の小麦ふすま(97人)、またはプラセボの米粉(93人)のいずれかを一日10g、12週間投与したところ、プラセボ群と比べ、サイリウム群では症状が改善したが、小麦ふすま群では改善が見られなかった。論文はBritish Medical Journalのサイトに2009年8月27日掲載された。

サイリウムはインドオオバコの種皮から取れる食物繊維で、小麦ふすまは小麦の外皮。これらの食物繊維とプラセボの米粉は、ヨーグルトなどの食品に混ぜて摂取してもらった。

症状の改善は、過去4週間のうち2週間以上、腹痛や腹部不調などの症状が十分に軽減したという患者の自己申告で定義した。患者の平均年齢は34.4歳(範囲18-65歳)だった。

サイリウム群、小麦ふすま群、プラセボ群の改善率は、4週間後が57%、40%、35%、8週間後は59%、51%、41%。12週間後は46%、57%、32%だった。4週後と8週後は、プラセボ群と比べ、サイリウム群の改善率が有意に高い一方、小麦ふすま群は有意の改善はなかった。12週後には、プラセボ群に対するサイリウム群の改善傾向は誤差範囲に留まる一方、小麦ふすま群の改善率が有意に高くなったが、これは対象者の脱落の影響を考慮して分析すると誤差範囲に留まる結果だった。

12週間の研究に最後まで脱落せず参加したのは、サイリウム群(54人、64%)、小麦ふすま群(54人、56%)、プラセボ群(56人、60%)で、小麦ふすま群の脱落者が多少多い傾向にあったが、これは小麦ふすま投与による症状悪化での早期脱落が多かった。

著者らによると、これまでに報告された研究の総合評価では、過敏性腸症候群に対する食物繊維の効果を示す知見は限定的で、小麦ふすまのような不溶性繊維はかえって症状を悪化させる可能性が示されていた。過敏性腸症候群の患者の大半は一般医が治療を担当するが、今回の研究は、大学などの高次施設の患者ではなく、一般医の患者で行なわれた最初のランダム化比較試験という。

⇒オランダの一般医がネットワークを組んで過敏性腸症候群のような頻度の高い疾患に対する臨床試験を行い、水溶性食物繊維の効果と不溶性食物繊維の効果の欠如を明らかにしたことが、評価すべき点だ。水溶性食物繊維の効果が12週目に消失した点について、著者らは特に考察をしていないが、水溶性食物繊維の効果が長期間持続するのかどうかについては、今後の課題だろう。

同誌サイトより全文を無料で閲覧できる。

参考:サイリウム種皮、サイリウムシードガム等サイリウムを含む食品又は添加物によるアレルギーの報告について(厚労省1997年通知