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今年もまた王滝へ行ってきました。もはやライフワークとなりつつあるSDA王滝への参加です。前回はバイクサンドスタッフでもあるNちゃんのアテンドということで、比較的気が楽な42kmでの参加でしたが、今回は100km。ちなみに前回の100kmはおととしの9月でしたが、このときは練習不足も祟ってか、無念の第一CP足切りでした。そういった意味においても今回はMTB'erとしての真価が問われるレースでもありました。

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以前の反省から今回は3カ月くらい前からトレーニングを開始しました。と言っても、なにか特別な事をするわけではありません。週100km程度のサイクリング(ロード)と、バイクに乗れない日はローラー台を約1時間乗るなどして、ペダルを回す感覚を忘れない様に心がけました。ローラー台については、最初の1〜2カ月はゆっくり回し、レース1カ月を切ってからは、インターバル(全力1分レスト3分x10本)を導入し、スピード系のトレーニングにも力を入れました。インターバル練習はホント吐きそうになるのですが、足元に汗の湖を作りながら、気合いで乗り切りました。

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また機材についてですが、今回はクランク周りにROTORのQリング(楕円リング)を導入し(F28T)、コンポもXTRM9000系の1x11sでスプロケットは11-40Tを導入しました。「おじさんは金でタイムを買う!」ではなく、あらゆる布石を打つ!ということで、レースの準備を行いました。

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レース2週間前に風邪をこじらせ、体調面での不安が残りましたが、レース当日までにはなんとか回復。一番大切な最後の追い込みができませんでしたが、そのあたりは経験でカバーということで、レースに挑みました。
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レース当日。王滝の朝の気温は8℃。真冬並みに冷え込んでました。5王はいつもこうです。ただレースが始まると、熱くなるので、服装のチョイスが難しい。ウインドブレーカーを持って行くかで悩みましたが、今回はアームカバーのみで、ウインドブレーカーはクルマにおいて行きました。下半C3Fitを持ってきましたが、膝周りに貼るニューハレテープと機能が被るので、履くのをやめ、今回は生足で臨みました!(笑)

13233045_1052927581449801_3344890332914011251_nスタート前にトイレの前に長蛇の列。王滝の定番の光景です。もよおしてからトイレに行ったのでは間に合わないので、会場へ着いたらとにかく列に並ぶのが正しい方法。列に並んでいるうちに尿意(便意)が現れてくるのを待って用をたすのが正しい王滝スタイルです。

神主さんのお払いとともに御嶽山に二拍二礼して、6時ちょうどにレースが始まりました。最初の4〜5kmはパレードランの区間で、基本追い抜きは禁止なのですが、後方では激しい位置どり合戦が既に始まります。仲間の千葉さんに写真を取って頂いた直後からいよいよオフロードに突入!長い長い戦いが始まりました。





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王滝100kmはゴールするまでに3つのCP(チェックポイント)があります。このCPをを規定時間に通過しないと、足切りで失格となります。前回の100kmは第一CPで失格になった、苦い経験があります。今回の100kmでは第1CPが34.3kmで4時間以内、第2CPが63.9kmで7時間以内、第3CPが75.9kmで8時間以内となっています。最初のうちに貯金を作っておくと、後半楽になるので、そういった意味でも最初のCPまでの道のりが非常に重要でした。ちなみに全体の制限時間は10時間です。距離は100kmですから、平均時速10km/h以上をキープできれば、数値上は完走できる計算となります。

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第一CPまでは大きな山が二つあり、勾配も比較的急です。標高900mのスタート地点から標高1600mの頂上付近まで一気に駆け上がるので、捉え方によっては一番苦しい区間であるかも知れません。ただし写真を見ていただければ分かるように、道は走りやすいです。

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最初のパレードランで20km/h前後で比較的軽快に走れていたペースも、オフロードに入るとガクッと落ちます。僕のバイクは29erなので、0~5%程度の緩やかな登りは、持ち前の推進力でグイグイ進んでいきますが、5%を超えると、僕自身の体重のせいで、ガクッとペースが落ちます。10km過ぎくらいからやや勾配が上がり始め、15km過ぎには平均7%前後の坂になりました。車速はアベレージ5km前後で、どんどん後続のライダーに抜かれて行きます。途中平坦になることもあるのですが、CPまではほぼ登り基調なので、20km過ぎからは、早くもだれてきました・・・

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「あぁ・・・半分どころかまだ80kmも登るのか・・・藤沢と世田谷の往復と同じくらいじゃん・・・(ToT)」と泣きが入ってきました。

25km付近で一度下った後、さらにまた長い登りが始まったのですが、ここで早くも足が攣ってきてしまいました。ふくらはぎとハムのあたり。これには自分自身も驚きました。いつもは「100km以上乗っても足なんて攣ったこともないのに・・・」と愚痴りながらも、だましだまし足を回し続けました。メダリストを持っていたので、水分を多めに取りながら、メダリストを口に含み、咳こみながらもペダルを回し続けました。

スタート時は8℃だった気温も走りだした後には急上昇。最初の登りでアームカバーを外し、以降は半袖短パンの真夏のスタイル。この日は手持ちのサイクルコンピューターの気温計の数字で最高が33℃。非常に寒暖差の激しい1日でしたね。

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這う這うの体で第一CPにたどり着いたのは3時間半。足切りの30分前でした。今回補給食はかなり多めに持ってきましたが、体重があるので、必要なカロ リーは摂取しなければならず、予定通り30分に1回のジェル補給。1本のフラスクボトルにはジェル3袋と水を溶かしてありますが、これを2時間で全部飲み 切ります。今回フラスクボトルは4本持って行きましたが、結果的にすべて飲み切りました。ジェルの袋に換算すると12袋ですね!(笑)これ以外にべスパを 2時間半に一袋。パワーバーやクリフなどの固形物も2枚食べました。皆さん驚きますが90kgの体重を支えるにはこのくらい摂取しないと、ハンガーノック になります。結果今回はすべて完食しました!(笑)

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第一CPに仲間の矢野さんがいたので、ここからは2人で第二CPをめざしました。ひとりでは寂しいレースも、二人だと気が楽?というか、楽しいいつものライド気分で走れるので不思議なものです。CPを通過できた安心感もあって、ちょっとした景色で写真をとったり、天然エイドステーションで掛け水をしたりと、少し余裕ができ、王滝のレースを満喫しました。

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第一CP〜第二CPの間には平坦区間と無限坂区間があります。平坦区間は三浦ダム湖の湖畔を巡るコースで、50km手前くらいで約10kmくらいひたすら走ります。平坦とは言え道はガレガレなので、気を抜くとパンクするし、ペダルを緩めると、すぐにバイクは止まってしまうので、アベ20km/hくらいでひたすらこぎ続けました。50km過ぎから第二CPまでは登っては下りをくり返しながら、標高1600mまで駆け上がる無限坂区間。なぜ無限坂というと、まず自分が走っている坂の終点が見えるわけです。そして根性でそこまで辿りつくと、カーブがあってまた同じような登りが続いています。前を走っている人が豆粒のようにみえるので、「あぁ・・・あそこまで登らないといけないのか・・・」と、心が折れます。そしてそのような坂が3度、4度と続くのです。上にたどり着くときに、「よし!次こそは下りだ!」って思いながら、また坂が出てくるそのさまは、本当に心が折れました・・・(ToT)

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無限坂の途中で完全に足が終わり、ビキビキ足が攣って、困ってる最中にカバンの中をまさぐると、昨年の9王の時に仲間から分けていただいたツムラの芍薬が出てきました!「どうしても足が攣ったときはこれを飲みなさい!」とお守り代わりにいただいた芍薬を飲んで、元気復活!?なんとか第二CPまでたどり着きました。ここまでの時間は6時間半。足切りまでギリギリ30分ありました。かろうじてセーフ。だけれどこの後には最大の山場が待っており、時間的な余裕も無かったので、第二CPは給水も行わず、そのままスルーしました。結果的にはこれがこのレース最大にピンチに繋がりました。

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第二CP~第三CPの間は距離にして12~3kmですが、制限時間は1hです。僕は30分のアドバンテージがありましたが、ここには超えげつない山がひとつあり、100kmレースの最大の難所ともいえる区間なのです。距離にしたら12~3kmですが、今の体力でこの山を越えられるのだろうか?いや超えるしかない・・・結局次の第三CPで足切りになるにしても、この山は越えなければならないわけで、辛いことに変わりはない・・・ということで、第三CPに向けて走り始めました。

そして悪夢・・・この山は本当にえげつないです。まず勾配が常に5~10%の間で非常にきついこと。そして何より、道が完全なガレ場でまともに乗れない・・・体力があれば、頑張って登れるんでしょうが、すでに70km登ってきた身体には、ここを登りきる体力は殆ど残っていませんでした。

ここまでは遅いなりにも乗車率100%で押し歩きはありませんでした。ところが走り始めて30分くらい経ったときに・・・ハイドレーションの中の水が底をつきました。「え?マジ???」内容量はまだ相当残ってると踏んで、第二CPで給水行わずスルーしたのですが、まさかここで無くなるとは・・・想像以上の暑さに、多めに水を飲んでいたのでしょう。予備のボトルの水は、さきほど余りの暑さで掛け水に使ってしまいありません。よりによって、一番きつい区間で、水無し状態に陥るとは・・・自分自身の甘さを呪いました。

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しかも運の悪いことに前後に誰も人がおらず、天然給水エイド(湧水)もまったくありません。のどがカラカラでペダルを回す力も出ず、ついに自転車を降りてしまいました・・・(T_T)歩き出した途端に完走への執念もプツっと途切れ・・・終わった感が自分の中で漂い始めました。第三CPのカットオフまであと45分。坂道はまだまだ続くし、足は攣り気味だし・・・もうだめか・・・

と思った矢先に足元に山肌からシミ出てる湧水が・・・地面にそのまま流れ落ち、泥水になってるけど・・・

ええい!仕方ない!

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というわけで、人生初?あまりの苦しさに、泥水をすすって飲み、なんとか喉の渇きをいやしました。ちょっとすっぱくて、決しておいしくはありませんが、切羽詰まると、人間なんでもできるものです。その後何度か水が染み出ているところがあったので、そのたびに止まって、泥水をすすりながら、根性でバイクを押しました。足切りまであと20分となったところで、ついに山の山頂へ辿り着きました。あと20分あれば、もしかしたら間に合うかも・・・

そう思った時の人間は強いもので、この日最高の50km/hを超える速度で、第三CPまでぶっ飛ばし、足切り10分前でギリギリCPを通過することができました。いやはや奇跡とはこのことか?第三CPで新鮮な水をたっぷりと給水し、ゴールをめざしました。一度は諦めた完走のふた文字がふたたび脳裏に戻ってきました。

第三CPの80km過ぎから90kmまでもさらにもうひと山辛い坂があって、ここでも押し歩きを強いられましたが、ゴールまで2時間あったので、なんとか余裕を持って走りきることができました。

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トータル9時間37分。総合602位でなんとか完走することができました。

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満面の笑みとはこのことか?(笑)

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千葉さんが撮ってくれた裏ももの写真がなぜかお気に入り!(笑)

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それよりなにより嬉しかったのは一緒に行った仲間がそれぞれ年代別で優勝と3位入賞という好成績だったこと。自分の完走よりも嬉しかったですね〜〜

小野さん、なずきちゃん、本当におめでとうございます!!

さて、9月はどうしましょう?