前の記事で書いたように、リリとプライベートの関係なるまでは、非常にすんなりだった。
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余談だが、俺は過去記事で、
客がエステ小姐とプライベートの関係になるには、深くて広い谷を乗り越えなければならない、と書いた。
そして、谷の正体とは、多くの場合、我々の猜疑心であると説明した。
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もちろん、すべての小姐との間に深い谷が横たわっているわけではない。
深い谷など存在せずに、簡単に仲良くなれる場合もある。
実際、俺にとってのリリのケースはそうだった。
リリが本気で俺のことを必要としていることはすぐにわかった。
しかし、リリの場合、それからが大変だった。
まるで、中国人との付き合いのむずかしさの見本市みたいなものだった。(笑)
何がどう大変だったか、愚痴みたいになってしまうが、お聞きいただきたいと思う。
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リリは、20代半ばで、容貌は並みだった。
美人とは言えないが、悪くもない。まだ、みずみずしく若々しかった。
大連出身と言っていたが、生まれは田舎のほうで、あとで引っ越してきたという。
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日本に来て半年だったが、日本語はうまかった。
その理由は、大連で日本人相手のカラオケ嬢として働いていたからだ。
これが、ある意味、リリの性格に輪をかけたのかもしれない。
リリは、エステ嬢にしてはおねだり要求が多かった。
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リリは、俺に、いろいろこまごました買い物を要求した。
店にいくときは、あれ買ってこい、これ買ってこいと要求した。
値段的にはそれほどたいしたものでもない。
晩御飯や翌日の朝ごはんの差し入れ程度、1000円~2000円くらいのものだったが。
しかし、エステ代のほかに毎回そのくらい要求された。
それだけならまだよかったのだが・・・。
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あるときリリは俺にこう言った。
「私、気持ち悪いよ。いつも恥ずかしいよ。」
俺が、「何があったの?どうしたの?」とりりに尋ねたら、彼女はこう答えた。
「貴方は、私が、何かを買ってきてと言わないと買ってきてくれない。
 私、気持ち悪いよ。」
つまり、リリが言うには、自分が何も言わなくても、俺に、差し入れを買って持ってこい、ということだった。
「○○ちゃんのお客さんは、○○が何も言わないのに、毎日、何かを買ってくる。
店に来ないときも、差し入れする。
貴方は、私が言わないと買って来ないよ。私、恥ずかしい。」
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言わなくても買ってこい、という意味と、○○ちゃん(彼女の同僚)の客が羨ましい、という面子の問題もあったのかもしれない。
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俺も、彼女の言いたいことはわかったけれど・・・。
さすがに、この考え方にはついて行けなかった。
そこまでカモになれというのだろうか。
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また、あるときこんなことがあった。
日曜日の午前中、リリから、「半日休みが取れたから、デートしよう。」とメールがあった。
昼ごろ、リリと店の近くで待ち合わせ、まずは、食事をした。
そこまではよかった。
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食事のあとで、リリは、ブランド品のウインドーショッピングしたいということで、原宿に一緒に行った。
最初のうちは、リリは俺を連れていくつかの店を見て回ったが・・・。
ブランドに興味のない俺は、退屈だったし、リリも、俺と一緒に見て回るのは面白くなかったようだ。
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リリは、「貴方、ブランド品見てもつまらない、近くに知り合いがいるから、彼女呼んで一緒に見る。貴方、車で待っていて。」
そう言うと、リリは1人で去って行った。
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俺は、一人車に残されたが、戻ってきてから、俺と一緒にどこかに遊びに行けるだろうと思い、辛抱強く待っていた。
結局、2時間近くも待たされた。
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2時間後、リリは、知り合いと一緒に戻ってきた。そして、こう言った。
「これから、彼女と新宿に行く。貴方、新宿まで送ってくれる?」
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えっ?俺は、自分の耳を疑った。俺を1時間以上待たせた上に、これでさよならかよ?
俺とは一緒に過ごしてくれないの?
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2時間待たせた上に、新宿まで送って、それでさよなら、なの?
いくらなんでも、それはひどすぎると思った俺だが。
リリの知り合いも言う、「女の子は買い物が一番大事ね。」
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そして、リリは、普通に俺に新宿まで送らせ、
「またね」といって、2人で去って行った。
2時間待たされて、アッシー君をさせられただけだった・・・。
今にして思えば、ブランド品を買わされなかっただけ、ましだったのかもしれない。(笑)
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リリは待ち合わせに遅れることなどいつもだった。
というか、予定がころころ変わった。
ある日、「今日は午前中で用事が済むから、午後会おう」というので、俺は1時ごろからスタンバっていたのだが。
午後になっても連絡が来ず、ようやく14時半に「もうすぐ終わる」と連絡が来たものの、さらにそれから延々と待たされて。
実際に待ち合わせ場所に現れたのは、17時だった。
こんなことは、日常茶飯事だった。
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リリは、どこでも文句を言った。四六時中不満を口にしていた。
レストランで食事が口に合わないと、「これ、全然おいしくない」
車に乗せても、目的地までちょっとでも遠回りすると、「面倒くさいよ」
仕事でトラブルがあると「ママは頭おかしい」
店で待たされれば、不機嫌になる。
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思ったことを何でも口に出す、という意味では典型的な中国人なのかもしれないし、裏がないというのはいいことかもしれない。
実際、いつも本音で純情なところは、リリの良い面でもあったとは思う。
でも、それも度がすぎると、辟易する。
あまりにもわがままで、それをいつも口に出されたら、俺も萎える。
外に出かけると、気の休まる暇がなかった。
というか、俺にリリを受け止めるだけの人間的な度量がなかったのかもしれない。
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誕生日は、出合って3か月後で、まだ肉体関係もなかったが、当然のようにブランド品を要求された。
どのくらいの予算なのかを事前に尋ねたが、実際に買わされたのは、その倍の値段のものだった。
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食事も、当然ながら安いものは食べなかった。
普通に会ったときでも、最低、寿司、焼き肉レベルはごちそうさせられた。
たまのデートならともかく、毎日のように会っていて、毎度の食事にこのレベルは、俺の財布には痛かった。
もっとも、リリは、なぜかワタミだけはお気に入りで、行く店のないときは、よくワタミに行ったものだ。
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とまあ、愚痴ばっかり書いたけれど
リリとの付き合いは、そんな感じだった。
要は、(前の記事に書いたように)リリとプライベートの関係になるまでは簡単だった。
深くて広い谷は存在しなかった。
しかし、付き合い始めてからの浅い谷は、数知れずだった。
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なんでこんなリリが俺と付き合ったのか。
それには理由があった。
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リリには、同世代の友達がいなかった。
日本にはもちろん、中国にもあまり多くの友達はいないみたかった。
人付き合いが苦手なんだろうと思う。
けして悪意のある子ではないのだが。
ちょっとわがままで、気が短い。
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それはいいとしても、彼女は、他人に対して、自分の心を開くのが下手なようだった。
そして、実は、そこは俺にも似ている。
だから、お互い、惹きつけあったのだろうか。
お互い、気を許せる相手がいない寂しい毎日で(俺には妻子がいるが笑)、唯一甘えられる相手同士だったのかもしれない。
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次回は、そんなりりとの肉体関係について、書いてみる。
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