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スタバではグランデを買え! 〜価格と生活の経済学〜 吉本佳生
2007/9/14に発売されてベストセラーになったものなんだけど、今年の1月に文庫本が発売されてて、気になったので買った!
生活に身近なテーマを経済学の面から分かりやすく説明してる本。
その中からいくつか取り上げて書こうと思う。

まず、この本で最も重要視してるのが「取引コスト」って言葉。
取引コストって言うのは、ものの原価とは別に、かかる費用のことで、時間とか労力とか。
例えば、100円ショップって原価が安いものもあるけど、他の店だともっと高く売ってるのに100円!?ってものもあるよね。
なのに何で一律100円で売ることが出来るかとか分かる?
この理由が「取引コスト」が安く済んでるからなのね。
 例えばある商品を考えたとき、小さい店とかだと少量の注文が数回あるだけとか、売れなかったら返品されて戻ってきたりするから、そのリスクを考えた分高めの値段に設定して店側に提供しないといけない。
けど100円ショップは一度にたくさんの注文をするし、全て完全買い取りという形で返品の心配もないから、工場側は安心してその分安く提供できる。
 あと例えばコンビニでは新商品のお菓子とかが日々入れ替わり売られてるよね。
このお菓子は売れそうにないって分かると消えていってると思うんだけど、こういったお菓子は倉庫に保管するのにもコストがかかるし、廃棄するのにもお金がかかる。こういったことが新商品が生まれるたびに起こってるんだけど、そこで大きな販売力がある100円ショップがこれらのお菓子を割安で購入することが出来る。 
他にも100円ショップは店に在庫がないものを取り寄せたりしないし(一個だけ取り寄せると割高な運送コストがかかる)、宣伝もほとんどしない。また一つ100円ということで値札を貼る必要がなかったりレジも楽だし仕事のほとんどをアルバイトに任せて人件費も削減してる。
 だから他では100円以上で売ってるものでも、100円均一で売ることが出来る。
そういった「取引コスト」の面から色々なことについて説明してる本!
本のタイトルの「スタバではグランデを買え!」もここから来てる。
世の中に流通してるものの値段の大半は運送費とか人件費。
スタバではSサイズ(ショート)240CCとGサイズ(グランデ)480CCがあるけど、これは量が倍になるのに、値段は+100円しか変わらない。
例えばコーヒーSサイズが280円だとしたら、Gサイズは380円。
量が倍に増えてるのに、値段は100円多く払うだけで良い。
ここにはもちろん取引コストが関係してて、実際にコーヒーにかかってるお金は、運送費とか含めてもわずか。
最も高くかかってるのは、売ってる人の人件費とか、その店舗の家賃なのね。 
だから店側としては、同じ手間だけかかるなら、より多くのお金をお客さんに落としてもらいたい。
SサイズでもGサイズでも淹れるのにかかる時間はほぼ変わらないから、店側からしたら大きいサイズを買ってもらいたい。
だから倍の量にするのに+100円しかかからないようにしてる。
客側からしても、量飲みたい人にとっては+100円で倍の量飲めるのはお得。
だから大きいサイズを頼むのは、店側にとってもお客側にとってもお得!
もちろん俺らがカフェに行くときはコーヒー自体よりも店の雰囲気を味わったりサービスを受けたりとか、ゆっくりしたいとか、 そういう面を欲してる場合が多いけど、量を考えたらお得だし、ちょっと頭の隅にこの考え方をおいといてもいいかも。

他にもなるほどと思ったのが、「子供の医療費の無料化は本当に子育て支援になるのか?」ということ。
 知事や市長などが選挙で、当選したら子供の医療費を無料にします、と演説してることがある。
もちろん子を持つ親からしたらこれは嬉しいことだし、子育てにプラスに働く・・・と一見思われる。
けど実際に無料化したらどうなるかを考えてみると、それにより、さほど必要がないのに病院に通う人が増える。
薬局で市販の薬を買うよりも病院で診てもらい薬をもらう方が安いってのもある(無料だしね)。
 とにかく病院に連れて行く親が増えるのは自然に予想される。
救急車でもそういう面があると思う。
で、ただでさえ小児科医が減少して不足してる状態なのに、その患者が増えるとどうなるか。
普段は30分しか待たなくて済んだのに、多くの人が来るせいで3時間も待たなければならないといった状況が起こってしまう。
もう一つ、無料化によって不公平が生じてしまう。
全員が無料なのだから公平と思うかもしれないが、この本の「取引コスト」の考え方から言うと違う。 
例えば無料化により、治療の所要時間が3時間になったとする。
 年金暮らしの祖母が孫を病院に連れて行く場合は、その時間コストはほぼゼロなので問題はない。
しかし、忙しく働く母親が子供を病院に連れて行く場合、母親は仕事を休んで病院に連れて行くことになる。
そのときにかかるコストはかなり高くなってしまう(この時間働いていたら稼げることを考えると、時間コストは高くつく)。
このように、無料化により損を被るひとが出てくる。
また、医療費の無料化は地方自治体の財政赤字を増やし、そのツケをその子供たちが返すことになる。
さらに混雑のために本当に治療が必要な患者への治療が遅れたりと、悪い面も多い。
このように、一見魅力的な政策でも、実際はデメリットの方が多い場合もある。

こんなところかな!
例えばもっと調べれば安いのも見つかるかもしれないのに、何も考えないから高くつくってこともあるよね。
こういうのは時間コストを節約して、その分お金を高く払ってるってことだから、一応合理的なんだよね。
普段生活の中で時間コストを意識することはないけど、ここをちゃんと考えないと損な場合が多いと思う。
 例えば簡単な例になるけど、ラーメンが一杯100円で食べられるとする。でもそのために2時間並ばなきゃいけないってなったら、損だよね。
こういう風な考え方を身につけたらもっと世の中のことを経済の面から考えられるのかなって思った。
総評としては、5年前の本だから内容がちょっと古かった!
分かりやすい本だったと思う。けどそこまでオススメではないかな。
そんなところです!