2008年01月02日
自閉症の子どもたち
今日も著書の紹介。
今回はいつもとちょっと中身を変えて、児童心理学の本を読んでみた。
宇部フロンティア大学 人間社会学部 酒木 保 教授の著書「自閉症の子どもたち−心は本当に閉ざされているのか」。
実のところ“心理学”という学問領域には私は、さほど興味・関心はないのだが…
なにしろ私は大学、および大学院にて経済学・経営学・商学の分野を長年に亘り専攻しつづけてきており、心理学とは縁遠い世界にこれまで身を置いてきたわけである。
しかしながら、私自身も今では一企業経営者の身になっており、周囲の先輩経営者の方々から度々『顧客の心理をいかに読むか。そのためには心理学の勉強は必須や。』とアドバイスされたことがあり、また、とりわけ私が手がけているアイドルという未成年者を多く取り扱うビジネスにおいては、児童心理の勉強は今の自分にとって最も必要なことだろうと考えた。
本書は酒木教授が実際に治療に当たった症児のケースを紹介しながら、自閉症の現状をリアルに紹介し、同時にその治療と成果を紹介している。
そのリアルさたるや、思わずゾッとするものがある。小学5年生(当時)の男子症児が紙に書いた文章『生まれてすみません』。また別の症児の母親が『こんな子を産んですみません』と夫や姑に謝っている光景等。想像がつきづらい…というか想像したくない(-。−;)
またP155『過去の失恋を忘れることができなくて、ずっと相手を怨み続けるような場合も、体験的空間が停止してしまった状態といえます。これも「関係の病」の一つといえます。』
…いやぁ〜、私もこの年になってもまだ、10数年前の初恋の相手のことを想い出すことが多いのよねぇ(;´▽`A``
ある種、俺も自閉症なのか(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?
その上で酒木教授はP180『彼らに関われば関わるほど、知れば知るほど、私が「いま」「ここ」にこうして生きていることが、偶然とか奇跡とか呼んでもよいような微妙な関係性の上に成り立っていること、私たちの日常性が自明のものでも揺るぎないものでもないことに、あらためて気づかされます。自閉症は人類の大きな謎とまでいわれます。ですが彼らは決して私たちとかけ離れた異常な存在などではなく、「見えている世界」「感じている現実」が違っているだけなのだということを忘れてはならないと思います。』
現代の日本社会はこれまで以上に“個”を重んじる社会へと変遷しようとしている。そういった時代にあって、彼ら自閉症児の存在はとらえ方によっては人一倍“個”の強い人ということもできるであろう。
むしろそこを上手く活かせれば、ビジネス的にも大きなチャンスととらえることだって可能なのではないだろうかと感じた。
「自閉症の子どもたち−心は本当に閉ざされているのか」