October 21, 2006

配球への自信と迷い

 2006年日本シリーズの第1戦は、中日ドラゴンズが4対2で北海道日本ファイターズを下し、シリーズの先手を取った。
 2対2の同点で迎えた3回裏、ドラゴンズの攻撃。2死2、3塁のチャンスを作ると、井上がダルビッシュの5球目をレフト前に弾き返し、ドラゴンズが勝ち越しに成功。さらに8回裏には1死3塁からアレックスのフェンス直撃の2ベースヒットが飛び出しドラゴンズが突き放すと、最後は守護神の岩瀬が3人で締めた。

 投手戦が予想された今日の試合だが、予想に反してファイターズ先発のダルビッシュが2回に2失点。ドラゴンズの川上も、味方の援護があった直後の3回に2点を失った。

 両先発投手の明暗を分けたのは、2点を失った次のイニングでの投球だろう。
 ダルビッシュは3回に3安打でさらに1点を失った。本人は無死1塁での森野の何でもない投手ゴロを判断に誤り内安打にしてしまったことを悔やんでいるが、それよりもこの回のダルビッシュ―鶴岡バッテリーの配球には迷いが見られた。
 1、2回はストレートを主体にピッチングを組み立てていたが、2回にはストレートにシュート回転が目立ち始め、ダルビッシュ―鶴岡バッテリーは2点を失った。そこで3回からは変化球主体に切り替えた。福留・ウッズ・森野に投じた13球のうち、ストレートはわずかに3球。バッテリーはスライダー、カーブなどの変化球を織り交ぜ、打者に的を絞らせない投球を見せた。
 それ自体は悪くはない。先にあげたように森野の打球の処理さえ誤っていなければ、この回は無失点で切り抜けた可能性が高かった。
 しかし、2死2、3塁で迎えた井上の打席で、バッテリーは再びストレート主体の投球に切り替えてしまう。5球のうち3球がストレート。シュート回転は直っていない。結局5球目、左打者の井上から見て外角にシュートする低めのストレートを痛打され、バッテリーはドラゴンズに勝ち越しを許した。4球目も同様へのストレートだっただけに、変化球で緩急をつけるか、せめてコースを変えていれば結果は違ったことだろう。

 一方の川上―谷繁のドラゴンズバッテリーは、自分たちの配球を貫き、結果的にはそれが奏功した。2回まで39球を投じた川上だが、このうち14球が得意のカットボール。1安打2四球でピンチを招くも、無失点に抑えていた。
 そのカットボールが捕まったのは3回。2安打2四球で2失点、ファイターズに同点に追いつかれるが、このうち3打席でカットボールで安打、四球を許した。
 通常のバッテリーならここで投球の軸を変えるか、カットボールの球数を減らすのだが、それでも配球を変えないのはエース川上とベテラン谷繁のなせるわざだろう。結局、8回2失点で勝利投手に輝いた川上だが、全131球のうち51球がカットボール。特に小笠原・セギノール・稲葉といったファイターズの主軸には60球のうち36球もカットボールを投じ、9打数2安打にファイターズのクリンナップを抑えた。

 日本シリーズという独特の雰囲気に飲まれつつある中、配球術に悩みを見せたダルビッシュ―鶴岡バッテリーと、レギュラーシーズンを勝ち抜いてきたカットボールに絶大な信頼を寄せた川上―谷繁バッテリー。両バッテリーの経験と自信の差が、点数になって表われた。

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