April 13, 2007

ライバル関係を超えて

 いったい、この二人の関係をなんと呼べばいいのだろうか。ボストン・レッドソックスの松坂大輔と、シアトル・マリナーズのイチローだ。

 昨日フェンウェイパークで行われたレッドソックス対マリナーズの第2戦。日本球界を沸かせた両雄が7年ぶりに対峙した。
 結果的にはメジャーリーグ(MLB)をも代表するリードオフマンを4打数無安打、1奪三振に切り捨てるも、MLB初黒星を喫した松坂だったが、文字通り日米の野球ファンが両雄の対決に酔いしれた。377f40f2.jpg


 34打数8安打、打率.235
 これが日本球界で残したイチロー(当時オリックスブルーウェーブ)の、松坂(当時西武ライオンズ)との対戦成績だ。成績だけ見れば、松坂は完全にイチローをカモにしている。むしろ、打率.365の記録を残したシカゴ・ホワイトソックスの井口仁資(当時福岡ダイエーホークス)の方が、松坂を打っている。

 だが、野球ファンの記憶には、松坂対イチローの対戦は鮮明に残っている
 ファーストコンタクトは、1999年5月16日。日本中の注目が集まる中、松坂は当時から球界を代表するリーディングヒッターだったイチローを4奪三振に切り捨てた。このとき生まれた明言が、あの「今日で自信が確信に変わった」だ。松坂は「言葉が足りなかった」と当時を振り返っているが、あのイチローを完全に封じ込めたことと、恐れを知らぬルーキーの大胆発言に、松坂旋風にいっそうの拍車がかかった。

 イチローも負けてはいない。初対決から1カ月半後の7月6日。それまで松坂の前に3打数無安打に抑えられていたイチローだったが、4打席目にバックスクリーン横にアーチをかけた。これが、イチローが松坂から唯一放ったホームランだが、このホームランはイチロー自身の第100号アーチ。記録だけではなく、松坂とイチローの対決はファンの記憶にも残った。

 そんな両雄の対決を、世間では「平成の名勝負」と言い、両雄を絶好のライバルと呼んでいる。
 だが、ボクとしては両者にはライバル関係を越えた、ともすれば恋愛感情に似たようなものを感じてならない。

 松坂の脳裏には、常に「天才」の姿があった。
 レッドソックスが交渉権を獲得した昨年11月15日、入団が決まった12月14日の会見の席上で、松坂は対戦したい打者にイチローをあげたが、実はこれが初めてではない。98年のライオンズ入団会見でも、松坂はイチローの名を口にしている。
 また日本でのイチローとの対決では、松坂はリミッターを外し、全身全霊を込めイチローに立ち向かっていた。松坂自身が投球術を覚えたということもあるが、イチローが2000年を最後に海を渡って以来、そんな松坂を見る機会は減った。

 松坂の思いにイチローは応えた。初対戦での4奪三振で怪物の存在を認めると、100号ホームランでは、スタンドに消える打球を追いかけながら、彼には珍しい笑みを浮かべた。松坂がレッドソックス入団会見時に自身の名をあげたときには、「(自身の中で)眠っていたものを呼び覚ましてくれる」と、MLBのリードオフマンが1999年の対決に思いを馳せた。

 そして昨日の7年ぶりの対戦。松坂は「必ずアウトにしたかった」、イチローは「ジーンときた。こういう状況は今までないわけですから。そこに自分がいたことを喜んでいます」と振り返った。

 ここまで相手を思う両雄には、ライバル関係を超えた、恋愛にも似た感情にあるのではなかろうか。

 7年前に日本球界を席巻した両雄は今、全米を巻き込もうとしている。今度はボクらにどんな夢を見させてくれるのだろうか。

yuill at 11:44│Comments(0)TrackBack(1)野球 | メジャー

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1. 怪物VS天才だが騒ぎ過だよ  [ スポーツ瓦版 ]   April 13, 2007 14:41
3 レッドソックスの松坂大輔が本拠地でマリナーズ相手に先発し イチローは抑えるも7回8安打3失点で負け投手になったよ 松坂もイチロー意識し過ぎてる感じで城島に2ベース2本など 悪くは無かったが3失点を取られたのは非常に厳しいと思うね ヘルナンデスがマリナ....

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