オーストラリアにプロ野球リーグが設立される。ロイター通信が伝えた。オーストラリア政府と米メジャーリーグ(MLB)が援助し、早ければ来年にも始まる。
オーストラリアの最初のプロ野球リーグは10年間続いたが、1999年に経営悪化のため打ち切りとなっていた。新リーグには8〜10チームが参加する予定という。
MLBが今回、オーストラリアでの新リーグ設立を支援する背景には、MLBの世界戦略が見え隠れしている。
世界戦略の1つが、市場の拡大だ。アメリカでは「ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)」に位置付けられているMLBだが、市場環境は芳しくない。NFL(アメリカンフットボール)・NBA(バスケットボール)・NHL(アイスホッケー)といった、他のプロスポーツリーグとの競争を強いられている。試合時間が重なったことで、MLBがスケジュールを調整することもある。
また、ここに来てアメリカは歴史的な大不況に陥っている。MLBは、縮小する市場を巡り、NFLなどと争わなくてはならなくなった。
世界戦略の2つ目が、有望な選手の確保だ。以前にも書いたが、MLBに所属する選手の平均年俸は、この20年間で10倍も増加した。
一方オーストラリアは今日まで、マイケル中村、エイドリアン・バーンサイド(ともに読売ジャイアンツ)、ジェフ・ウィリアムス(阪神タイガース)、ライアン・ローランドスミス(シアトル・マリナーズ)、ジャスティン・フーバー(カンザスシティ・ロイヤルズ)といった選手を輩出している。
MLBは今回、オーストラリアに進出することで、新たなファンを獲得すると同時に、将来のメジャーリーガー候補を廉価で獲得できるようになる。
MLBが世界進出に本腰を入れるのは、今回が初めてではない。すでに、経済成長著しい中国にも、その触手を伸ばしている。
春先に行われたWBC(World Baseball Classic)も、MLBの世界戦略の一環だ。わが国の野球ファンは、日本代表チームの連覇に沸いたが、その裏ではMLBが世界制覇にまた一歩進んでいたのだ。
MLBが世界に舵を取る中、日本野球機構(NPB)は何をしていたか。
先日、就任から1年間が経過した加藤良三コミッショナーが会見し、「(コミッショナー職への)情熱は変わらないつもりです」と今後の熱意を語ったが、NPBにはWBCで連覇に成功した以外に大きな発展はない。いや、むしろ後退していると言った方が妥当かもしれない。
その最たる例が、毎年秋に開催されていたアジアシリーズの見直しだ。アジアシリーズは、日本・韓国・中国・台湾でそれぞれのリーグチャンピオンが一堂に介しアジアのナンバー1を決める大会だが、NPBは採算を確保できないことを理由に、大会の見直しを検討している。現状では、アジアシリーズを廃止し、日韓戦に置き換える方向で話を進めている。
一連の見直しは、短期的には収益性の向上に繋がるだろう。だが、今ここでアジアシリーズを廃止すれば、わが国は中国市場をMLBに明け渡すことになる。
先に紹介したMLBの世界戦略だが、その中にはわが国も入っている。未確認情報だが、MLBはアジア・大洋州で新リーグを設立し、既存のアメリカンリーグ、ナショナルリーグのチームと戦わせることを検討している。新リーグには、現在NPBに所属しているプロ野球チームも入っている。
新リーグの実現には、時差などの問題が立ちはだかっている。「世界最強の労働組合」と呼ばれるMLB選手会が、半日も時差のある移動を受け入れるとは思えない。
だが、裏を返せば、スケジュールの調整で時差の問題を解消できれば、新リーグの実現に大きく前進するのだ。
現状の資金力では、NPBはMLBに太刀打ちできない。NPBがMLBに対抗するには、アジア諸国のプロ野球リーグと協力しなくてはならないのだが、NPBはアジアシリーズの見直しにより、そのチャンスを自ら手放そうとしている。それどことか、MLBがアジア・大洋州に根を下ろそうとしている。
このままでは、NPBは極東のプロ野球リーグに陥るどころか、MLBに属するリーグの1つになってしまうだろう。
オーストラリアの最初のプロ野球リーグは10年間続いたが、1999年に経営悪化のため打ち切りとなっていた。新リーグには8〜10チームが参加する予定という。
MLBが今回、オーストラリアでの新リーグ設立を支援する背景には、MLBの世界戦略が見え隠れしている。世界戦略の1つが、市場の拡大だ。アメリカでは「ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)」に位置付けられているMLBだが、市場環境は芳しくない。NFL(アメリカンフットボール)・NBA(バスケットボール)・NHL(アイスホッケー)といった、他のプロスポーツリーグとの競争を強いられている。試合時間が重なったことで、MLBがスケジュールを調整することもある。
また、ここに来てアメリカは歴史的な大不況に陥っている。MLBは、縮小する市場を巡り、NFLなどと争わなくてはならなくなった。
世界戦略の2つ目が、有望な選手の確保だ。以前にも書いたが、MLBに所属する選手の平均年俸は、この20年間で10倍も増加した。
一方オーストラリアは今日まで、マイケル中村、エイドリアン・バーンサイド(ともに読売ジャイアンツ)、ジェフ・ウィリアムス(阪神タイガース)、ライアン・ローランドスミス(シアトル・マリナーズ)、ジャスティン・フーバー(カンザスシティ・ロイヤルズ)といった選手を輩出している。
MLBは今回、オーストラリアに進出することで、新たなファンを獲得すると同時に、将来のメジャーリーガー候補を廉価で獲得できるようになる。
MLBが世界進出に本腰を入れるのは、今回が初めてではない。すでに、経済成長著しい中国にも、その触手を伸ばしている。
春先に行われたWBC(World Baseball Classic)も、MLBの世界戦略の一環だ。わが国の野球ファンは、日本代表チームの連覇に沸いたが、その裏ではMLBが世界制覇にまた一歩進んでいたのだ。
MLBが世界に舵を取る中、日本野球機構(NPB)は何をしていたか。
先日、就任から1年間が経過した加藤良三コミッショナーが会見し、「(コミッショナー職への)情熱は変わらないつもりです」と今後の熱意を語ったが、NPBにはWBCで連覇に成功した以外に大きな発展はない。いや、むしろ後退していると言った方が妥当かもしれない。
その最たる例が、毎年秋に開催されていたアジアシリーズの見直しだ。アジアシリーズは、日本・韓国・中国・台湾でそれぞれのリーグチャンピオンが一堂に介しアジアのナンバー1を決める大会だが、NPBは採算を確保できないことを理由に、大会の見直しを検討している。現状では、アジアシリーズを廃止し、日韓戦に置き換える方向で話を進めている。
一連の見直しは、短期的には収益性の向上に繋がるだろう。だが、今ここでアジアシリーズを廃止すれば、わが国は中国市場をMLBに明け渡すことになる。
先に紹介したMLBの世界戦略だが、その中にはわが国も入っている。未確認情報だが、MLBはアジア・大洋州で新リーグを設立し、既存のアメリカンリーグ、ナショナルリーグのチームと戦わせることを検討している。新リーグには、現在NPBに所属しているプロ野球チームも入っている。
新リーグの実現には、時差などの問題が立ちはだかっている。「世界最強の労働組合」と呼ばれるMLB選手会が、半日も時差のある移動を受け入れるとは思えない。
だが、裏を返せば、スケジュールの調整で時差の問題を解消できれば、新リーグの実現に大きく前進するのだ。
現状の資金力では、NPBはMLBに太刀打ちできない。NPBがMLBに対抗するには、アジア諸国のプロ野球リーグと協力しなくてはならないのだが、NPBはアジアシリーズの見直しにより、そのチャンスを自ら手放そうとしている。それどことか、MLBがアジア・大洋州に根を下ろそうとしている。
このままでは、NPBは極東のプロ野球リーグに陥るどころか、MLBに属するリーグの1つになってしまうだろう。
