米メジャーリーグではこのほど、ジョー・ウェスト審判員がメジャーリーグ機構から3試合の職務停止処分を受けた。
 選手批判が原因。USAトゥデー紙で、「最も文句の多い選手は、テキサス・レンジャーズのエイドリアン・ベルトレだろう。ストライクとコールすれば、いつでも『あれれ?』と口にするし、最近の試合ではど真ん中の球を『外角に外れている』と言っていた。だからオレは『キミは素晴らしい選手かもしれないが、最悪の審判だろうな』と言ってやったよ」と明かしていた。
 一方、世界審判協会はこの処分に強く抗議。「審判と選手の間で冗談を言い合うのは野球の一部。ウェスト審判に対する処分に強い異議を唱えます」との声明を発表した。


 問題はまさに、グラウンドの外にまで飛び火してしまったが、わが国でも田中俊幸元審判員が場内放送を間違えたことで罰金を科せられたことがある。 

 事件が起きたのは、1996年6月のヤクルトスワローズ阪神タイガース戦で、タイガースの嶋田哲也がスワローズの古田敦也に対し、3度ビーンボールを投げた。
 はたして両軍入り乱れての大乱闘に発展。嶋田・古田両選手には退場罰金が科せられたが、その際に3塁塁審だった田中審判員は「阪神タイガースの嶋田選手と、ヤクルトアトムズの古田選手を、暴力行為で退場にします」と、誤った場内放送をしてしまった。アトムズはスワローズの前身だ。
 このミスで、田中審判員には厳重注意罰金3万円川島廣守セリーグ会長に5万円渋沢良一事務局長に2万円山本文男審判部長には1万円が科せられた。
 審判団には、なんとも痛いミスになった。