June 18, 2018
選手、審判員を救う
埼玉西武ライオンズ対中日ドラゴンズ第2回戦で、試合中に倒れた球審の敷田直人審判員を、ライオンズの秋山翔吾と、ドラゴンズの大野奨太が救護する一幕があった。
立場が異なる選手と審判員だが、救急時には話が別。むしろ、迅速な対応を施した秋山と大野を、いち野球ファンとして誇りに思う。
元読売ジャイアンツの山本功児も、審判員のピンチを救ったことがある。
1980年4月に、北九州市民球場で行われた対ヤクルトスワローズ(現在の東京ヤクルトスワローズ)戦でのことだった。
両軍2対2の同点で迎えた9回裏、2死に追い込まれたジャイアンツの長嶋茂雄当時監督は、山倉和博の代打に山本を送った。
球界では当時、3時間の時間制限が設けられていた。
試合時間が3時間を過ぎたら延長戦に入らない、また延長戦でも新しいイニングは行わないという内容だ。
代打を告げられた時点で残り時間は2分を切っており、はたしてこのままゲームセットか、延長戦に突入かはすべて、山本にかかっていた。
すると、球審の柏木敏夫審判員が打席に向かう山本に耳打ちした。
「コウジ。時間が少し余っているんだから、ちょっとは考えてくれよ。バットを多く振ってから出てきてくれ」。
はたして、山本がゆっくりと打席に入る間に3時間が経過。山本もアウトに倒れた。
そして、ゲームセットをコールした柏木審判員は球場内のトイレに駆け込んだ。
なんとか事なきを得た柏木審判員だったが、後日、このことが明るみに出て、3日間の出場停止と厳重戒告を課せられた。