2009年01月19日

ブログ移動のお知らせ

ブログを放置して早1年。
久々のブログの更新ついでに、はてなダイアリーに移ることにしました。

→ はてなダイアリーの 『開拓前線』

今年もよろしくお願いします。



2007年12月20日

バーチャルワールド 『meet-me』 で東京を散歩する

『meet-me』 という日本版メタバース(バーチャルワールド)の試験運営が16日に始まった。約1年以上前の記事 でも紹介した、メタバースの元祖とでも言うべき 『secondlife』 は、一度も盛り上がることなく、もはや過去のものとなってしまったが、その失敗を活かしながら何とか “SNSの次” を生み出そうという試みだ。 『meet-me』 の特徴は、リアルの東京が舞台であるということ。ランドマークの建物や駅、道などの位置関係はリアルに沿って配置され、余ったスペースは売地として、今後の発展のため残してある。試験運用が終われば、貨幣も出回り、ネット上の仮想東京として発展していくのだろう。

当初は1000人限定公開ということで、残念ながら枠に漏れたのだが、とりあえず登録しておいたら枠が拡大したのか、先日、本登録を促すメールが来ていた。

で、さっそく登録してみた。
登録は手順自体は簡単だが、いくつか関門が存在する。
まず、ダウンロードした専用のソフトウェアのアップデートに50分以上かかる。そして、ようやく使えるようになったと思ったら、今度は、 “d3dx9_35.dllが見つからなかったため、アプリケーションを開始できません” とのこと。ここで、専用ソフトウェアをインストールしなおすのは早計で、どうやら必要なのは、 DirectX9.0c のようだ。DirectX End-User Runtime Web Installer から最新の DirectX9.0c をインストールすることで解決した。
さあ、ログインだ。


meet1


ログインすると受付のお姉さんの案内で住民登録をして、自分の部屋をもらう。
ちなみに住所は、東京都渋谷区初台1−17−○ ○○号室。実際に存在する番地だ。
部屋に着くと、お姉さんが上下1着ずつ服をくれると言うので、好みの服に着替える。
顔や髪型、髪の色などもその場で変更可能だ。


meet2


目と顔がデフォルトでかなり大きい。
キャラクター的な感じだが、リアルを追求しようとして気持ち悪くなって失敗した secondlife の反省を活かそうということなのかもしれない。確かに可愛らしいほうが日本人には受けるだろう。そもそもこの手のサービスは女性に受けないとまず流行らない。


meet3


最寄の初台駅にて。
電車の乗り方が分からず、駅前でうろうろしてたら、通りすがりの人が乗り方を教えてくれた(笑)


meet4


品川の道端にて宝箱を発見。残念ながら空。こんな人の通りそうにない辺鄙なところなのに既に誰かが見つけたってことなのか。試験運転ということで、このような遊びをところどころ設けているのかもしれない。


meet5


品川はほとんど何も無かったので、六本木に移動。ミッドタウン前で記念写真。


meet6


ここはどうみても六本木ヒルズだ。
まだ建物の中には入れないようになっているけど、かなり細かく作られている。
本物同様に入り組んでいるが、当然現実通りに動けば全く迷わない。

以上で、本日は終了。
時間が悪いのか(meet-me内の時刻は現実の時刻に則する)、ユーザーの頭数自体少ないのか、初台駅でしか人に会わなかった。secondlife は広すぎて誰もいない場所ばかりになってしまったのが衰退の原因の一つだったみたいだが、この東京もやはり広い。ただ、長距離移動には電車やバスを使うしか方法が無いので、現実と同じようにアクセスの容易な駅付近には人が大勢集まることだろう。
動作は “ロー” で行えば割とスムーズで、secondlifeのように遠くの街並みが見えないということもない。人が集まり始めるとサーバーの負荷が増え、動作は遅くなるだろうが、それに伴ってサーバーも増強していくだろうから、恐らく一定の水準は保たれるだろう。

全体の所感としては、もう一歩といったところ。自分の部屋が割り当てられたり、アニメっぽいキャラクターや街並みなどは割と馴染み易いし、東京という地の利がありかつ限られた空間であるという点も評価できる。何処に行けば誰に会えるのかが分かり易い。
ただ、これはメタバースの宿命とでも言うべき点だが、何をするにしても時間がかかりすぎる。今、 mixi にかける時間は1日あたり平均5、6分程度になったが、1年半前のかなり長い時でさえ10分もかけていなかった。一方、『meet-me』 で10分というと、せいぜい待ち合わせ場所に辿り着くのがやっとである。これではコミュニケーションツールとしては時間対効果が非常に低い。ユーザーの大半は “暇人” ということになるだろう。
ならばどうすればよいのかと言うと、一つだけ言えるのは、もっと狭くしろ、ということ。 mixi では、僅か一クリックで友人の部屋に辿り着けるのだから。

来春の本公開で、一般ユーザーがどのような反応をするのか楽しみである。



2007年11月13日

『ネット未来地図』 をユーザー視点で見る

佐々木俊尚の 『ネット未来地図』 を読んだ。論点を、“Amazon”、“Google”、“ネット下流”、“リアル世界” など、20に分け、今ネット上のどこで何が起きているのか、そして何が起ころうとしているのかを網羅的に書いた、まさに地図と称するにふさわしい内容だった。

ただ、この本は主に “ネットをビジネスに活用する” という視点で書かれている。それ故、“わくわくどきどき感” を求めてこの本を読むと、“なんだ。ネットの未来は大して面白くなさそうだ” となってしまうから注意が必要である。

ネットの発展に貢献する割と新しい項目を何点か挙げて、項目ごとに考察を入れたいと思う。

  1. Recommendation
  2. 仮想通貨
  3. ネット下流

1. Recommendation

“Recommendation(お勧め)” と言えば、Amazonの 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」 というお勧め広告が真っ先に思い浮かぶが、佐々木氏は、協調フィルタリングだとかベイズ理論などを引き合いに出して、Recommendation機能の精度がますます洗練されていくと言う。わざわざややこしい説明をする必要は無いと思うが、とりあえず、“圧倒的に的確なお勧め広告” が今後出てくるようになる、ということだ。また、別の箇所では、“行動ターゲティング” というキーワードも出ているが、一消費者でしかない我々としては、今後は “自分の趣味や嗜好や習慣や最近のマイブーム” がシステムに把握され、ついついクリックしてしまうような広告に、あらゆる場面で出くわすようになる、ということを理解しておけば良いだろう。

これくらいであれば容易に想像できる。とある、携帯の使用料が完全に無料になった日の朝、起きて準備をして、さぁ出発するか、と玄関を出た頃に、“今日はいつもより20分出発が早いので、駅前のスタバで新作のコーヒーを飲みながら、いつもと違うフレッシュな朝を迎えてはいかが?” といった文句が携帯に表示されているのを一瞥し、金曜の夕方、同僚と新宿にいると、“居酒屋○○では、オープン一周年記念で生ビール半額! 他にも様々なサービスあり” といった広告が携帯に表示される。そんな未来がいずれ来るのではないかと思っている人は私だけではないだろう。

一方、同じ広告でも、SNSの人間関係とお勧めの融合である、“クチコミ・レコメンデーション” はなかなか興味深い。この著書が出版されたのが10月20日であるが、先日11月8日に、SNS最大手 『Facebook』 で、“Social Ads” という、まさに “SNSの人間関係とお勧めの融合” 広告サービスが発表された。この点についてはアルファブログの一つ、 『IDEA*IDEA』 さんの記事が非常に分かり易い。要は、SNSのマイフレンドの誰々が何処何処へ飯を食べに行って感激しただとか、何々を買って大絶賛しているとか、そういった情報が広告として表示されるということ。

2. 仮想通貨

本書では、“エディ” や “スイカ” や “ANAマイレージ” などに代表される電子マネーやポイントが、“今後日本国内で年間20兆円ある広告費と販促費の一定部分を吸収していく可能性が高い”、と述べている。その根拠として、電子マネーやポイントは、“顧客の属性と行動の履歴を把握することができ、有効な広告を提示できる” という発行側の利点と、“現在、ポイントを相互に交換できるインフラが整いつつある” という消費者側の利便性の向上を挙げている。

この電子マネー、ポイントプログラムは、本書 「論点18」 で述べられている、“「リスペクト」がネットの無料経済を収益化する” という点にも関わってくる。これは良いと思ったサイトの著者に少額のポイントを送付できるという “投げ銭システム” を導入している 『Hatena』 “はてなポイント” や、Amazon等のアフィリエイトの広告収入などが、“個人と個人がつながるソーシャルな世界” における “コンテンツ創出” の基盤となる、という。つまり、GoogleやAmazonなどネット企業がサービスの対価として収益を得るシステムはかなり完成しているが、今後は、我々個人が、とある記事や動画を発信することで対価を得るシステムを整えることが重要になってくる、ということなのではないかと思われる。今はボランティアで秀逸な記事を書いたり、ネタ動画を作ったりしているユーザーに対し、僅かながらでも報酬が支払われれば、更なるコンテンツ創出のモチベーションとなる、ということだろう。“投げ銭” やアフィリエイト程度では、労働に見合った報酬が得られることは無いだろうが、金額よりも、他者からの“リスペクト”がそこに表れていることが重要なようだ。

また、企業ごとのポイントを相互に交換できるインフラを整えると同時に、“消費者同士がポイントを自由に交換できる” ようにすると、新たな利用形態が生まれるのではないかと佐々木氏は述べている。具体的な利用形態としては、“地域コミュニティの活性化” などを挙げているが、これは地域通貨と位置付けとしては大差ないのではないか。電子マネーというと、実際の通貨と同等の位置付けで捉えてしまうので、その将来性をイメージするのが非常に難しい。上記の “はてなポイント” のようなものが、全インターネットユーザーが利用できる形態になり、非常に簡単に相互に交換できるようになった状態、という程度が、かろうじてイメージ可能な範囲だ。

3. ネット下流

“ネット下流” とは、“携帯電話からインターネットを利用する層” のことらしい。携帯ネット利用者には、中高生や大学生、フリーターなどの10代から20代前半の若者がいる。彼らは必ずしも都会に住んでいるわけではなく、むしろ地方在住の者達が増えつつあると言う。彼らは何を求めて携帯からネット世界へ入るのか。佐々木氏によると、そのモチベーションは “つながり” にあるようだ。佐々木氏は、インターネットのサービスとして “情報収集” “つながり” があるが、独り言で他者と繋がる 『Twitter』 や、自己紹介サイト 『プロフ』 が携帯ネット利用者に人気であるため、彼らは “情報収集” よりも “つながり” を求めているのではないかと考える。納得である。

この傾向が更に進むと、恐らくネット世界が二層に分かれてしまうだろう。ユーザーの目的は大きく分けて “情報収集” と “つながり” の二つがある。情報収集に便利なサービスとして、GoogleやRSS、ブックマークなどがあり、つながりに便利なサービスとしてSNSやTwitter、掲示板などがあるわけだ。後者を下流向けのサービスと呼ぶのであれば、今後のネット世界は、上流と下流に分かれていくのではないか。新しいサービスが始まったら、それが上流なのか下流なのかを見分けるクセをつけた方が良いかもしれない。そう考えると、『Secondlife』 の失敗も何となく納得が行く。Secondlifeは明らかに “つながり” のためのサービスだが、操作性の難しさや容量の重さから察するに、高スペックのPCを持ち、割とITスキルの高い人向けの構成になっている。だが、そのような人はどちらかというとビジネスマンに多く、ネット世界で “つながり” を求めて時間を消費するほど暇ではないのではないか。学生が “つながり” を求めてネットに繋がるのは、他にやることがなく暇だからだろう。つまり、Secondlifeは、下流向けのサービスであるのに、下流の人々が入り込むには敷居が高すぎる、という矛盾を抱えていたわけだ。

だが、やはり佐々木氏も指摘するように、ネットを収益化するのであれば、下流向けのサービスは中々に将来性が高いだろう。最近は定額制が進んでいるが、彼らは、以前は携帯のメールや通話など、1通数円、1分数円の単位で、他者とつながっていたのだ。携帯からのmixiの閲覧を1回5円にしても、かなり需要はあるだろう。目の肥えた上流の人々向けのサービスを開発するよりも、暇でケチ臭くない下流の彼らを相手にするのは意外と合理的なのかもしれない。

以上が本書を読んだ感想だが、やはり興奮は無い。確かに、本書が予想する未来が構築されていけば、“収益性” や “便利さ” や “つながり易さ” は向上していくだろうが、Googleが新サービスをどしどし公開していった時期や、世界の人々と繋がるという意志を持ってSNSが発足した時期や、誰もがプチ監督になる可能性を切り開いたYouTube発足時のような興奮は得られそうにない。やはり、こんなことまでできるようになったのか! と驚くような、“不可能” を “可能” にするサービスこそが発展して欲しいものだ。

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2007年11月08日

ねばちっこい経営とは

夕学講座で株式会社ローランド・ベルガー会長の “遠藤功” 氏のサテライト講演を聞いてきた。

 

ローランド・ベルガーは戦略コンサルティング・ファームであり、本社をドイツに置く欧州最大のファームだ。日本で耳にする戦略コンサルファームの大半がアメリカに本拠地を置いているので、ヨーロッパ発、というのは貴重である。その、ローランド・ベルガー日本法人の会長であり、かつドイツ本社の経営監査委員会のメンバーでもある遠藤氏が講演するというのであれば、これは聞かないわけにはいかない。

 

遠藤氏は、早稲田大学大学院の教授で、早稲田大学ビジネススクールで教鞭をとりながらも、執筆活動を行っている。代表的な著書は、 『現場力を鍛える』 、 『見える化』 、などで、どちらも高く評価されているようだ。講演活動も盛んに行っている他、“自身のホームページ” まで持っている。“見える化”を強く訴えているだけあって、自身のメディアへの露出度も高いようだ。

 

演題は、『ねばちっこい経営』。内容はシンプルで、“現場力”“粘り強さ”の重要さを強く主張していた。遠藤氏が言うには、企業の生み出す価値には、“絶対価値” “相対価値” があるそうだ。特許や規制で守られていたり、ブランド名が圧倒的な場合は、購買時に客には他の選択肢が存在しないので、商品には “絶対価値” が存在する。だが、そのような商品を持った会社はほんの一握りで、大半の会社は、“相対価値” で勝負をしているという。 “相対価値” とは、類似の商品やサービスはいくらでもあるが、ちょっと安かったり、ちょっと品質がよかったりという、僅かな差で生まれる価値のことだ。そして、この相対価値を生み出しているのが “現場” だという。

 

“現場力” とは何か?

“現場力” とは

  • 自ら問題を発見し、自ら解決する問題解決力があること

  • 組織が良いクセを持っており、また各業務が連結して発想できる組織能力があること

  •  

    トップダウンで現場に改善命令を出すのではなく、現場が常日頃から現場の問題を意識し、思考トレーニングを続け、少しずつ改善、改良していける現場が、“現場力” のある現場とのこと。この現場力が相対価値を生み出す他、考える現場では大きなトラブルが起きないため、リスクマネジメントにもなるようだ。では、どうすれば強い現場をつくることができるのか。

     

  • 現場のリーダーの品質を高める

  • 成功の「型」や標準を作ることで問題を浮かび上がらせ、改善に繋げる

  • 20%が変われば組織が変わる(5,20,100の理論)

  • チャレンジング・スピリットを鼓舞するため、褒める仕組みをつくる

  •  

    リーダーの質を高めるということに関しては今更あえて言うまでもないだろう。二番目の項目は、標準、基準を設定すると、現状がその基準からどれだけ乖離しているかが分かり、問題発見に繋がる、ということである。また、理想との乖離を埋めることが改善に繋がるわけだ。 5,20,100の理論” については初耳だったが、どうも、組織の中には5%の意識の高い人がいるので、その5%をお手本にして、20%の社員を変えてしまえば、後は自然と全体まで変化が浸透していくということらしい。後は、“褒める仕組み” だ。上層部が、現場をリスペクトすることで、現場にプライドが生まれ、改善や改良の文化が生まれる、という。これを遠藤氏は R-P-K(リスペクト-プライド-カイゼン)の法則” と呼び、非常に強く主張してもいた。確かに、褒めるという報酬が現場のモチベーションや意識の高さに繋がることは容易に想像できる。

     

    さて、その “現場力” と並んで重要だとされるのが、 “粘着力” だ。 “粘着力” は、現場力と違い、上層部も含めた全社が常に意識しなければならない問題だ。社長が飽きっぽければ、現場まで飽きっぽさは伝染する。新しいもの好きであったり、あれもこれも主義であったりする社長は、粘着力欠乏症であり要注意だと遠藤氏は言う。

     

    粘着力を強くするためには、PDCA から、 CAPDへ、行動の流れを変える必要がある。PlanDoCheckAction だと、どうしても Plan 重視になってしまい、新しい企画ばかりを考えて、学習(Check)がなく、改善や改良のクセが身に付かないそうだ。そこで、CheckActionPlanDo へと、流れを変える。これで学習する組織へと変化する。後は、学習を繰り返していくことで、少しずつやり方などを変えて改善を続ける。緩やかな進化を続けていくうちに、ブレークスルーなど、革新的な発想が生まれ、急激な成長が見込めるという。

     

    また、“行動の粘着力” を高めるためには、まず “意志の粘着力” が必要、とのこと。退路を断ったり、使命感を持つことで、 “思考の粘着力”“伝達の粘着力” 、そして “行動の粘着力” が身に付く。深く考えるようになり、コミュニケーションを必死で行うようになると、行動にもしつこさが表れ、諦めない粘り強さが獲得できるようだ。これは、組織の粘着力というだけではなく、個人にも十分通じる内容だ。遠藤氏は、 “個人の粘着力” にも重点を当て、 “一日一日の地道な努力を積み上げていくことこそが能力向上の唯一の道である” と述べている。講演の最後に遠藤氏が紹介した映画監督の橋本忍氏の言葉が、その本質をついているだろう。 「才能なんてあると思うな。才能というものがもしあるとすれば、それはどれだけ忍耐力があるかということなんだ」 、と。

     

    以上が、今回の遠藤氏の講演内容である。 “現場力” と “粘着力” 。講演を聞いていても感じたが、何となく “きらびやか” でなく、 “泥臭い” イメージがするキーワードだ。今は、転職が当たり前の時代であり、短いスパンで次々と職を変えていく若者もいる。これは、粘着力、即ち継続力とは明らかに逆の流れだ。実際、時代の流れと逆行する話の内容に、何となく納得いっていないのではないかと感じられた質問が会場でも上がっていた。だが、遠藤氏の話はどこも間違っていないだろう。後は、いかに若者の会社への定着率が低いこの状況で、現場力と、現場の粘着力を高めていくか、という妥協点を探る作業になるのだろう。恐らく克服は可能だと思われる。リクルートなどの営業の現場力は目を見張るものがあるが、リクルートの社員の定着率は低い。個人の改善の努力を、成果としてしっかりと認めるシステムが整っており、かつリーダーのレベルが高ければ、部下が入れ替わってもすぐに教育と評価が可能である。現場力と粘着力を有していながらも、よりスピード感があり、社員の能力と売上が急成長する状況をつくり出すことも不可能ではないと思うのだ。


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