January 13, 2007

2ちゃんねる、存続の危機か?

 数々の訴訟に敗訴しながら賠償命令を無視し続けてきた「2ちゃんねる」の管理人、西村博之氏 (30)の全財産が仮差し押さえされると、12日、ZAKZAKが報じた。ネット界に様々な影響を与え、『電車男』など数々のムーブメントを巻き起こしてきた2ちゃんねるが今、存続の危機に立たされている−−。

 今回の仮差し押さえは債権者が東京地裁に申し立てたもので、対象となるのは西村氏の銀行口座、軽自動車、パソコン、さらにネット上の住所にあたるドメイン『2ch.net』にまで及ぶ見込み。このまま執行されれば、掲示板が一時停止するのは必至とされる。

 仮差し押さえを申し立てたのは、西村氏に約500万円の債権を持つ東京都の男性会社員(35)。
 男性は2ちゃんねる上で自身や家族の実名、住所を晒され、「人間の屑」「ネットストーカー」などと中傷された。このため昨年8月、西村氏を相手取り、東京地裁に書き込み者の情報開示を求める申し立てをした。

 しかし西村氏が出廷してこないまま同9月に開示を命じる仮処分となり、その後全く対応が得られないために間接強制として1日5万円ずつ制裁金を科すこととなった。それでも西村氏の法廷無視は継続、決定から100日を経て債権は500万円に膨れあがった。

 今回に限らず、西村氏は一切の賠償命令を無視している。昨年の講演会では「子供の養育費の踏み倒しと同じ。賠償金を払わせる方法はこれ以上ない。イヤなら法律をつくればいい」と発言、非難の声も挙がっていた。

 このような発言の背景には、固定資産を持たず給与の流れも不明なので、一般的な差し押さえは無理であるということからくる自信があるようだ。実際、弁護士が銀行口座を探り当てるなどしてきたが、西村氏も海外に資産を移すなど対抗策を講じてしまい、どの債権者も手をこまねいているのが現状。関係者によれば「(西村氏は)時効成立まで逃げ切るつもり」だという。

 男性も西村氏が所有する車の標識番号や銀行口座など、差し押さえられるものを突き止めた。申し立てに際しては「返り血を浴びる」「ネットで叩かれる」と周囲にたしなめられたが、日頃から「年収1億円」と放言する西村氏を見て意を決したという。
 「被害者はみな、高い弁護士費用をかけながら賠償金を取ることもできない。当の西村氏は悠然と賠償命令を無視して億単位を稼ぎ、『賠償金が取れない法律に問題がある』と開き直っている。 だから恨み言や批判を言うのはやめて、法律にのっとって被害者の痛みを少しでも知ってもらう」
 今後、西村氏の異議申立期間もある。しかしこれまでと同様に出廷しない場合、早ければ再来週にも強制執行が始まる見通しだ。

 今回の仮差し押さえは、西村氏個人はもとより巨大掲示板である2ちゃんねるユーザーにも大きな影響を及ぼす公算が大きい。ユーザーは1000万人ともされており、閉鎖となればネット界に大きな衝撃が走る。

 機能停止や閉鎖が予想されているのは、東京地裁の「値段がつくものは差し押さえ可能」との判断から「日本国内では前代未聞」(ドメイン登録機関)とされるドメインの仮差し押さえも行われるからだ。

 手続きが進んでドメインの所有権が移り、2ちゃんねるというサイトがネット上の住所を失ってしまうと、ユーザーが従来の『2ch.net』にアクセスしても、閲覧は不可能なのだ。

 運営側が掲示板の継続を望むなら、新たなドメインを取得して全システムを引っ越す必要があるが、これは難しいという。何故なら2ちゃんねるはリスク分散のために50台のサーバーが各自独立しており、データ書き換えが困難なのだ。そのため新規再開までには最低2週間かかり、さらに新ドメインを周知する必要もある。

 男性は「西村氏の収入源は2ちゃんねる上の広告なので、すぐに新しい掲示板をつくるだろうが、いたちごっこは望むところ。次は自分以外の債権者が同じ手段に訴えてくれるはず」と、泣き寝入り状態にある全国の債権者に共闘を呼びかけている。


 2ちゃんねらー(ねらー)と呼ばれるユーザーには、大きな衝撃が走っている。


◇関連スレッドの驚異的な伸び

 所謂『祭』状態で、もはや関係のない書き込みが多数見受けられる様相。

◇再び会社員を特定しようとする流れ

 会社員を割り出し、サイト閉鎖を阻止しようとするユーザーがスレッドを立てている。

◇他の掲示板へ『避難』する流れ

 3ちゃんねる、4ちゃんねるといった、同種の掲示板へ避難を呼びかける書き込み(コピペ)がなされている。
 3ちゃんねるは嫌気か、一方4ちゃんねるは囲い込みに向けトップページに『2ちゃんねるのみなさん』を歓迎するメッセージを掲載。



 いずれにしても、悪意のある書き込みをしたのは西村氏ではないが、訴訟を放置したのはやはり問題だ。ユーザー重視の姿勢をとるならば、むしろ問題が起きた時にしっかりと解決しておくべきだったとも言える。

 あれほどまでに巨大化した掲示板を、完全に管理できるかどうかは難しい話だ。しかしながら、管理人として情報開示に協力することが、そんなに難しいものなのか。

 暴走しすぎたユーザーを庇うあまり、その他大勢のユーザーに不利益が生じてしまうならば、やはりそれはよろしくない。

 2ちゃんねるの雑多性こそが魅力、と語っていた西村氏。しかしそれが根こそぎ失われてしまっては、元も子もないのではなかろうか。

 書き込みをした人間がその責任を取る。そういうシステムが必要だ。元々はそのための情報開示訴訟だったわけであろうし、大きな騒ぎになったことで様々な状況が整備されていくことをのぞみたい。


◇最新情報◇

 2ちゃんねるは海外の会社がドメインを登録しており、差し押さえは不可能との話もある。

yukari_clover at 01:16│Comments(2)clip!

この記事へのコメント

1. Posted by ばうちん   January 13, 2007 08:54
そっかぁ、海外の会社相手だと、訴訟するにもいろいろ大変だろうな。
どうなんだろうな、2ちゃんをある程度使うので、これをどう考えるか…。
西村氏の考えもわかる部分もあるし、といって、ずさんとも考えるし。

個人を完全特定する書き込みに対し、何らかの処置が下せる何か…
うわぁ、考えればキリがないけど、ガイドライン的なものは必要かな。
2ちゃん好きだし、あの雑多がすきなんで・・・
2. Posted by しずく@管理人   January 13, 2007 10:55
そうですね、ガイドラインが緩すぎたのと、事後対応が杜撰なのは致命的ですね。ツッコまれても大丈夫なように、環境はもっと調えるべきだったかと。

 自分や家族が晒されて、喜ぶ人なんていないでしょうから。

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