2010年09月09日

【税制】税制等雑感

消費税の引き上げは日本には不要である

リチャード・カッツ(1)(東洋経済より)

上記コラムを読みながら思ったことをつらつらと・・・。

 

「税の抜本的改革」という言葉が、民主党からも自民党からも発せられる。「抜本的改革」とは具体的に何を意味しているのか、正直判らないのだが・・・。

 

税は、税の3原則「簡素・中立・公正」に沿ったものであるべきなのだが、今の日本の税が税の3原則に合致しているのか見直す必要があるだろう。抜本的改革とは、複雑化した現状をこの3原則に照らして見直すというものなのか明確にしていただきたいと思う。

 

 

また、メディアが揃って主張している消費税増税に関して、「中小企業のことを考え、消費税増税するなら制度設計に細心の注意を払って欲しい選択」だと指摘しておきたい。

 

応益負担で、所得把握の必要が無い消費税は、簡単に導入しやすいが、その実、商品価格に増税分が転嫁されづらく、中小企業が増税分を呑んでいる、もしくは呑まされているので応益負担になりづらい。消費税増税分だけ中小企業の利益を圧迫しがちなのが実状だ。

 

販売価格の競争力を確保するために、大手は仕入れ価格を抑えようとする、中小企業からの納入価格を抑えようとする。同様に価格競争力において不利になりがちな中小企業は、消費税増税分を価格に極力反映せずに販売して価格競争力を確保しようとする。

 

中小企業の利益減、結果、消費税滞納増に繋がっているのが実状だ。実際の経済活動で何が生じているのかを慎重に調査して、現在生じている弊害を除去するのでなければ、財政出動もしづらい多額の財政赤字を抱え、経済成長もままならない現状では、消費税増税など自殺行為に等しいと思う。

 

輸出事業がメインの企業は「輸出戻し税」があるから、日本国内で消費税があがっても、さほど痛くも痒くもない。それどころか円高状況下では消費税増税率が上がれば上がるほど利益となることすらある

(仰げば尊しさんご指摘により修正:

「仕入れ元に支払った消費税-消費税の還付分」だから得はしない

「輸出先に消費税に相当する税が有る場合、現地にて課税され、現地にて納税される」)

 

消費税に関しては、机上では判らない・・・いろんな問題が隠れているので、かなり慎重な制度の見直しと設計が必要になると思う。

 

様々な点に注意せず、社会保障目的だからいいだろう・・・などと安易に消費税増税しては、中小零細企業の倒産や海外移転を進めるだけです。中小企業が日本の雇用の7割を支えていることを考えると、雇用と税源減少になるだけだろうと思う。雇用調整助成金などという失業の先送り対策なんか、何の意味もなさなくなる。

 

もちろん国民全体のことを考え、消費税増税が必要であると判断するならば、それはそれでいいが、特定の層にしわ寄せが来ないよう、税の3原則に沿った制度設計していただきたいと思います。

 

 

話は逸れるが・・自民党から出た「緊急経済危機対策について」を見た。

その中に『中小企業と大企業間の公平・公正な取引環境が確保できるよう「下請代金支払遅延防止法」「適正取引推進ガイドライン」の運用強化』という項目があり、内容次第では賛同してもいいのだが、製造業大手企業の生産拠点が海外移転化が進んでいる中では、さほど効果の無い対応に終わる可能性も高い。

 

同資料に『EPAFTAの促進』『グローバルトップ特別区』などがあるが、EPAFTAの促進などは、民主党から農業票の奪取を目論んでいる自民党にできるのか疑問だし、今までも散々掲げてきたが実現させていないではないか?という感想だ。また企業誘致特別区などというレベルの話は今更感がある。その辺りどうよ?と思ってるのだが・・。

 

 

消費税増税を主張している方々は、国内の経済活動を慎重に見ていただきたい。社会保障政策用財源が必要だと考えるのであれば、安定的かつ公正に持続して財源として見込めるよう、中小零細企業等の特定層にしわ寄せの来ない制度と、国内企業が国内に留まり、なおかつ海外企業が参入するように・・・企業への負担が少なく、自由度の高い市場になるように考えていただきたい。

 

まぁ・・・少なくとも民主党の方針・能力ではダメだから、多少は自民党に期待したいところではあるが・・・・どうなんだろうなぁといったところですね。



yukemuriippai at 09:00│Comments(4)TrackBack(1)日記 | 景気対策

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1. 役立つブログまとめ(ブログ意見集): 税制の抜本改革を実施 by Good↑or Bad↓  [ 役立つブログまとめ(ブログ意見集)(投稿募集中)by Good↑or Bad↓ ]   2010年09月10日 09:25
「税制の抜本改革を実施」に関するブロガーの意見で、みんなの参考になりそうなブログ記事を集めています。自薦による投稿も受け付けているので、オリジナルな意見のブログ記事があったら、どしどし投稿してください。

この記事へのコメント

1. Posted by 故郷求めて   2010年09月09日 09:20
税制の一番まずいところは複雑すぎること。だから、どこをどう直せばよいのかすらわからない。簡素にすれば、社会状況の変化に合わせて改革するのも簡単になる。

複雑すぎるから、様々な専門家が税の徴収や計算のために費やされる。全て余分な経費です。税の種類、控除の種類だけでもどれだけあるのか、思いつかないくらい沢山ある。馬鹿らしいとしか言いようがありませんね。
2. Posted by 湯煙   2010年09月09日 10:04
故郷求めてさん、こんにちは~

 仰る通りです。社会保障も同様です。無くすことはできないだろうから、どうせならBIで一本化しちゃったほうがいいんじゃないかと思うこと多いですわww
3. Posted by 仰げば尊し   2010年09月09日 21:15
こんばんは

輸出戻し税に関してだけコメントです。
輸出産業が戻し税で得をするとするならば、同じ理論で消費税の高率な国への輸出はその国での消費税圧力で輸出価格を下げざる得ず同様に損をする事になるのでは?もちろん現実的にありそうもないですが、輸出戻し税で得をしたと思うのも想像力の欠如だと思います。輸出でなければ課税売上で入ってきた分が入ってないのだから得したわけではないでしょ
う。

消費税の高率な国の人たちにとって日本でものを買うのはかなりの円高であっても『うまみ』があるのではないかと思います。国際的消費税の低率は円安に振れる阻害要因では?
4. Posted by 湯煙   2010年09月09日 21:58
仰げば尊しさん、こんばんは~

おお・・・俗説にながされてました。ご指摘の通りですね。
仕入れ分にかかる消費税の還付ですから、輸出時点で中立になるんだ・・・。
ご指摘ありがとうございます。

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