2012年06月19日

【雑感】悲しいけど、これ現実


自殺するのは「若者」ではなく「おまえら」:国内自殺者3万人の実態

(村上福之の誠にデジタルな話より)

日本に自殺が多い本当の理由は、オッサンの居場所も仕事も無いことだと思ってます。若者が生きづらいとかそんなのは関係ないです。それより、無職のオッサンが生きづらいのです。


メンバーシップ型の日本型雇用(この辺りは「日本の雇用と労働法:著者濱口桂一郎」参照)が崩れて定年までの雇用は約束されないようになり、一旦職を失うと、市場における極端な雇用弱者であるオッサンへの社会保障が生活保護くらいしかなく、その生活保護の捕捉率も3割程度だってんだから、オッサンの自殺率が高いのも不思議じゃない。




就職できないのは努力が足りないんだと言う方もいるけど、

http://anond.hatelabo.jp/20120619004756

(はてな匿名ダイアリーより)

にあるように、オッサンの努力では補えない現実があることを知ったほうがいい。



パートやアルバイトだってそう。

募集要件から年齢制限が外されたとしても、サービス系なら見た目等の問題(オッサンより若い方によるサービスのほうがいいよね)で、ガテン系なら体力の問題(歳くえば体力は衰えるんだよ)で職を手に入れにくい。


「悲しいけど、これ現実なのよね~」と、スレッガー中尉には代弁していただけそうな事実です。


ちと脇にそれるかもしれんけど・・・、

求人における年齢制限撤廃は、求人募集されてる仕事の性格によっては問題が隠される制度(経理等事務職では問題になりづらいとは思う)で、問題が見えにくくなるという面だけでなく、先に挙げたはてな匿名ダイアリーの内容に見られるようにフィルタリングしてる箇所にストレスを課す制度だと思う。



また、職業訓練して求人をと真面目に求職活動しても、オッサンだと雇用への敷居がとても高くなるのが現実だとオッサンは知ってるから何が何でも現職・現組織に留まろうとする。



若者の求人が少ないと嘆いても、オッサンが離職しても生活苦しまないように捨扶持を渡すくらいの気持ちがないとオッサンは席を明け渡さないから席は空かないだろう。



要は、生活保護でもBIでも何でもいいが生活最低保障制度が無ければ、職を失ったから家業(農業や自営業等)手伝って細々と生活するか・・・といった選択肢が失われた現状では、現職・所属する企業にしがみつくしかない。別の仕事探せってのは、少なくとも現時点では、多くのオッサンにとって現実的ではないんだよね。



市場が市場らしく機能するから市場に参入できない方を市場は作る。

市場の機能に沿って淘汰されるのが消費者に求められていない製品・企業であるのは様々な面で望ましいとは思うが、だからといって生産や企業活動に従事していた方が社会から淘汰されていいわけではない。



人権がどうとかの綺麗事の理由以前に、貧困者が増えると社会が殺伐として比較的安全な日本社会が失われるって。貧困地域が身近にあり、貧困者がなりふり構わず生きようとする姿を少年期見てたから確信してる。



市場競争は市場競争で必要だが、同時に市場から退場させられた方へのセーフティネットも必要。
社会保障制度だけ見て世代間対立を感じる方は多いだろうけど、雇用問題や所得・資産等とあわせて考えると、世代間だけじゃなく労働市場強者vs労働市場弱者・中高所得者vs無・低所得者の問題も見えてきて、高齢者の社会保障費をただ削って若年者へ渡せばいいという話ではなくなる。社会保障を絡めた一体改革を行おうとすれば、税だけじゃなく労働行政が深く絡んでくるので、社会のあり方の議論が必要なんだけどなぁと「今や消費税増税さえ通れば後はどうでもいいんでしょレベルの社保税一体改革」とやらを見てる。


まぁ・・・・ここまではコンセンサスあると思うので、モラルハザードを極力防ぎ、市場から退場した方が一時退場で済むような制度、再入場できない方への保障の制度設計議論をどんどん進めたいもんだ。国民が必要だと理解すれば増税なんてのは受け入れられると思うよ。



若い方も、そんなのは自分にとって遠い先の話でその時にはなんとかなってるだろ・・・などと考えてたら、すぐ40歳になり50歳を迎えちゃうよ~(・・・・私や私の周囲見てるとそうだから(笑))




余談:
私がポスドク問題に関心あるから感じることかもしれないのだが・・・・。 

昨今の若年世代の非正規雇用増とその後の問題ってのは、一般の方がポスドクの置かれてる環境に近づいてきた話と感じる。ですので、ポスドク問題に注目し解決を模索するってのは非正規雇用問題の解決にも繋がるんじゃないかと思う今日この頃です。



yukemuriippai at 06:00│Comments(9)TrackBack(0)日記 | 政治(社会保障・福祉)

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この記事へのコメント

1. Posted by 仰げば尊し   2012年06月19日 10:08
こんにちは
量的拡大が頭打ち縮小で国内市場競争の前に優先する市場の囲い込みが顕在化し質的な市場活動ができない閉塞した時代ではないかと。
2. Posted by 湯煙   2012年06月20日 01:37
仰げば尊しさん、こんばんは~


> 量的拡大が頭打ち縮小で国内市場競争の前に優先する市場の囲い込みが顕在化し質的な市場活動ができない閉塞した時代ではないかと。

仰るような色があるのだろうと思います。
新たな社会への転換期となるための苦しみをどのように緩和するべきか?というところの議論が必要なのかもしれません。
3. Posted by 仰げば尊し   2012年06月20日 02:11
こんばんは
個人に事業所得税を十分の一くらいにして商売をやりやすくし消費税は20%水準で納めてもらう。法人ではなく。私企業でもなく公企業にもしないのが狙い。
4. Posted by オハイオより   2012年06月20日 05:32
雇用や労働環境は、日本は直すのには大変なとこまで行ってしまったように思います。

非正規が三分の一というのも異常だし(正社員、ここでいうオッサンを守るために非正規にしわ寄せ、またパートも質がいいから企業も甘えている)、若者の半数以上が3年で辞めるというのも異常だし、企業内失業(雇用調整金をもらって雇用を維持)が5%といわれるのも異常。(日本は失業率が5%だと言ってまだましだと言われますが、この5%を足すとアメリカよりひどい)
過労死も問題で、多くの企業で長時間労働が当たり前のように行われています。

これらの問題はいずれ継続困難になるのは明白ですね。20年位前から、ずっと労働市場の流動化、セーフティーネットなどと言いながら、大して変えてこなかったツケは大きいですね。
悲しいかな自分らでは変えられない国民性だとも思います。(今度は財政破たんかなー?)
5. Posted by 湯煙   2012年06月20日 06:26
仰げば尊しさん、おはようございます

> 個人に事業所得税を十分の一くらいにして商売をやりやすくし消費税は20%水準で納めてもらう。法人ではなく。私企業でもなく公企業にもしないのが狙い。

小規模企業の起業促進を考えられてるのでしょうか?
具体的にイメージできないのでコメントは難しいのですが、ある程度の市場占有率(国内・グローバル)を持つ企業が新陳代謝しつつも国内から生まれるほうが望ましい気がします。
6. Posted by 湯煙   2012年06月20日 06:29
オハイオよりさん、おはようございます

労働行政と社会保障制度の議論をしっかとすべき時だと思います。
社会全体が少しでも望ましい方向(全世代が極力安心して活発に活動できる方向)を模索しなきゃいかんと本当に思います
7. Posted by 湯煙   2012年06月21日 20:22
仰げば尊しさん、こんばんは~

ウーン、業種や組織形態で税を分けることには消極的なんですよ。
線引き近辺でインセンティブが生じて歪みがちでいろいろ面倒だし・・・。
税収は所得税や相続税・消費税に整理して、法人税なんかゼロでいいじゃないかとしばしば思っております。


8. Posted by 仰げば尊し   2012年06月22日 00:09
こんばんは
①業種で税率変えるなんて言ってません。②事業所得が優遇されると小さな企業で雇用問題及び社会保障の解決につながるかという観点です。③法人税一般は税率をもっと下げてもいいとは思いますが、ここでは別の問題です。④有限責任を利用する法人制度の悪用が小さな企業の優遇を悪用したらいけないので、あえて個人企業に限定したわけです。
9. Posted by 湯煙   2012年06月22日 05:26
①業種で税率変えるなんて言ってません。
個人企業に限定すると、個人でできる業種という形で、結果、業種によって税率が変わることになるのではないでしょうか?

②事業所得が優遇されると小さな企業で雇用問題及び社会保障の解決につながるかという観点です。
ここはよく判りませんので保留

③法人税一般は税率をもっと下げてもいいとは思いますが、ここでは別の問題です。
雇用は経済政策で極力カバーすべきと思ってます。あくまでも極力です。
ですので、雇用や税や社会保障の問題を考える際、企業活動の活発化という側面での法人税軽減は「別の問題」にならないのではないかと考えます

④有限責任を利用する法人制度の悪用が小さな企業の優遇を悪用したらいけないので、あえて個人企業に限定したわけです。
ここもいまいち理解できません。「小さな企業が有利な制度」を作れば、大企業も小さな企業に分社化した経営するのではないでしょうか?大きな一企業ではなく企業体にすればいいのですから。また分社化してもメリットの無いほどの個人企業ですと、更に優遇するメリットが判らないのです。
仰ることのイメージがやはり掴めてないと思うので保留にします。

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