2015年09月25日13:17有田信一先生のお話
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9月の健康イベントは「乳幼児の心と口の機能/形態の育ち」と題して長崎のありた小児・矯正歯科院長の有田信一先生にご講演いただきました。私は長崎の出身で大学を卒業して20代の頃に有田先生のクリニックにお邪魔して勉強させていただいた経験があります。その当時から長崎の小児歯科を牽引されている先生でしたが、今や全国区でのご活躍で大きな学会などで講演されている先生です。

その見学の時、まだ歯科医師になって経験も浅く治療技術の習得にアップアップしている頃ですが、健康教育が治療と同等に大事なんだということがストンと私の中に芽生えました。有田先生のクリニックを見学してかけていただいた言葉はその後20年、ずっと私の臨床の信念となっています。今、こうやって毎月健康イベントをやっているのも実はその一つなんです・・・有田先生の臨床を見せていただく機会があったことにとても感謝しています。そして巡り巡って今回、有田先生に健康イベントの講師をしていただいたことは非常に感慨深いものがあります。


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今日は講演前にスタッフや健康イベントに参加の衛生士さんたちと食事会をしました。玄米をクリニックで炊いて毎年、仕込んでいるお味噌でお味噌汁、おかずは正食料理教室でお世話になっている玄米食 おひさまにお願いして持ってきていただきました。ヘルシーですが食べ応えのある美味しいお料理でしたよ〜



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講演前の様子〜お子さんにもとっても優しい有田先生・・・



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まずは歯の基本知識から・・・全般的に学問的なお話を易しくかみ砕いて話してくださったので、非常にわかりやすく、今日は歯科医師の先生や歯科衛生士さんもたくさん参加されていたし、子育て中のお母さんもいて専門家と一般の方が混じっている中でのお話しでしたが、どちらも理解を深めることができ、有田先生の講師としての器量に脱帽でした・・・



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今日のメインのお話は家庭での育児や生活の中で支援をして、口の機能や形態を育てること、矯正治療の前段階での予防矯正の取り組みについて教えていただきました。赤ちゃんの歯はお母さんのお腹の中で胎生7〜8Wというとても早い段階からでき始めます。心豊かにお母さんが妊娠期を過ごせるように支援することから取り組みは始まります。すべての子どもたちが健康でそして良い歯並びになることを目指してできることをみんなで学びました。



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たくさん教えていただいた中でポイントをお伝えします。月齢によって食べるものを選択するのではなく、歯が生えているのかどうかによって判断するのも目安になります。前歯はかみ切るためにあります。奥歯はすり潰すためにあります。糸切り歯は肉を引きちぎるためにあります。ですから肉を食べるのは糸切り歯が生えてからというのを一つの判断基準にできます。また、お米は奥歯ですり潰さないと食べることができません。この写真のように奥歯がまだかみ合っていない時期はご飯をすり潰すことが難しい時期ですから柔らかく炊いたご飯をあげた方がメリットが多く、奥歯がかみ合う前に大人と同じ硬さのご飯にしてしまっている人が多くみられるのでご飯の硬さに注意を払っていくと、噛まずに飲み込む、丸飲みしてしまうという悩みが減り、噛んで飲み込むという機能を身につけやすく、それが顎の発育に関わっていくことを教えていただきました。奥歯が生えてきているのか?生えてきてかみ合っているのか?歯磨きの時に確認してみてくださいね。



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さて、ポイント2・・・赤ちゃんは原始反射というもともと備わっている反射があります。これがあるために生まれてすぐからおっぱいを飲むことができるのですが、この反射が消えてこないと食べることには支障をきたします。ですから、離乳食を開始しようか、スプーンを使用しようかという一つの目安に原始反射について知っておくと役に立ちます。原始反射の一つでおっぱいを飲むときには舌を前の方に出して飲みますが、おっぱい以外のもの、例えばスプーンで食べたり飲んだりするときには舌で押し返してしまいます。あんまり舌で押し返すときはまだ、この反射が強いため離乳食開始時期をもう少し後にずらすのも手ですし、少しずつ反射は消えていくものですから今はその過渡期なんだなあとお母さんが知っていれば押し返されても気持ちを楽に持てますね。


また、長く授乳を続けていれば、この反射も長く残りやすいので舌の動きが歯の萌出時期を遅らせることがあります。そういうことも知っておくと授乳とご飯の硬さを考えながら進めることができます。



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ポイント3・・・子どもの発育には感覚が発達したり、全身の筋肉のコントロールができるようになったり、また心の発育などさまざまなものが育っていきます。個人差はあるものの一通り赤ちゃんというのはこういう時期を経験するんだという知識を持って接すると若いパパやママの心の安定につながりそうです。例えば専門的には肛門期と呼ばれる1歳から2歳半ぐらいにかけて全身の筋肉をコントロールすることを学ぶ時期があります。おむつにお世話になっていた時期からトイレで排泄できるようになってくるこの時期はためて、緩めるという筋肉のコントロールを学習しています。食べるというのも口の中に取り込み、口の中に貯めて、噛んで、飲み込むという動作を学習する必要がありますが、ちょうどこのような全身の筋肉のコントロールができる時期が獲得しやすいそうです。


また、心の発育は主に母親との関係を通じて、正常な自閉期→正常な共生期→分化期→練習期→再接近期→個体性の確立期と成長していきます。この再接近期というのがちょうど2歳頃にあたるのですが自我が芽生えもう一度母親との関係を築くとき、もう一度母親にべたっとくっつく時期だそうです。ですからちょうどその頃に卒乳を試みようとすると大変な時期になります。その頃はそれなりの対応が必要な時です。1歳頃だとすっと卒乳ができる子がいたり、2歳頃だとこだわりが出て卒乳が大変そうに感じられる時期なんかがあったりするわけです。心の発育に合わせて行動も変えていくとすんなりいきやすいかもしれませんね。



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・・・とこんな感じで皆さんにお伝えしたいことが満載の健康イベントでした。まだ一部しかアップできていませんが当院では1歳になるまではマザークラスでそれ以降の方は個別にお子さんを見ながらお伝えしていくようにしますので一緒に育児を楽しんでお子さんたちの健康を守っていきましょう。


有田先生のお話の中でも食 呼吸 姿勢のこの3つが大事だよと何回も強調されていました。積極的に矯正治療をするわけではなくて、こういった生活の中での改善を行って歯並びが改善する例は3割程度もあるとのことです。これはすごい数値ですね。その3割に達しなくても問題が軽減するわけですし、良い生活習慣が身につくことはこれから先の一生、自分の身を守ることにつながります。乳歯列の垂直的な高さ以外の幅や長径は3歳以上は大きくなりません。ですから、3歳までの食 呼吸 姿勢 に特に気を付けていくことにとても大きな意味があることをぜひ、知っておいて欲しいなと思います。自分は子育ては終わったよという方もぜひ、周りの方に伝えてください。地域で子どもたちを育てていくこともとても大切なことだと考えています。

























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