大小迫 つむぎの家

よみがえれ! 大小迫の里山、人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

2010年、定年と共に岩手県大船渡市三陸町の故郷にUターンし、里山暮らしを始めました。
長い間放置し、荒廃した里山の再生を目指してすぐに「大小迫 つむぎの家」を立ち上げました。
築150年の母屋を中心とした、田んぼや畑、山林に囲まれた里地・里山です。
この地で無農薬栽培による米作りや山林の整備をしながら、生き物で賑わう自然と共にある暮らしを目指しています。
里山は地域に開放し、子どもたちの稲作体験や遊びの場にもなっています。
家族は、夫婦とヤギ5頭です。

植樹地の下草刈り中、タニウツギの葉裏に泥で作った巣を見つけました。狩りバチのヒメベッコウの巣で、巣穴の様子からすでに羽化した用済みの巣でしたので、持ち帰って観察してみました。
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葉裏に泥で作られたヒメベッコウの巣
ヒメベッコウは、クモを狩り、育房で卵から孵った幼虫の餌にします。
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巣を作ったタニウツギの葉をはがしてみると、いくつかの育室があり、中からクモの亡骸が見えています。
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育室を分解してみると、足が動いているクモがいて、体液を吸われても動くクモの生命力に驚きました。
ヒメベッコウは、狩ったクモの脚を数本切断し、麻酔をかけて死なないようにして幼虫の餌にするので8本揃ったクモはいませんが、クモの体は縮んでいました。

数年前に見つけたヒメベッコウの巣は、狩りをしたクモを育室で囲い、そこに卵を産み付け羽化する前の状態で、麻酔をかけられ幼虫の餌としてじっと待つクモたちの姿に、狩りバチの神秘を感じたことを思い出します。
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折しも、その後にヤギ小屋でクモを狩るヒメベッコウを目撃しました。
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人の気配に危険を感じたのかヒメベッコウは、仕留めたクモを置いて立ち去り、姿が見えなくなりました。でも、すでに麻酔をかけられたクモは、逃げることはできませんので、必ずクモを取りにやってくると目を離さずにいました。
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すると、数秒後に姿を現し、あっという間に咥えて飛び去りました。
ヒメベッコウの体よりも大きなクモで見事な狩りでした。 

ヒメベッコウの巣を見つけたのは2度目で、生態についてはまだわからないことばかりです。
葉裏での巣作りは、タニウツギという大きな葉を選んだとはいえ、雨をしのげても落葉する危険性もあるのになぜだろうという疑問や越冬形態は、幼虫や蛹は考えられず、成虫での越冬と思われるが、どのようにして冬を越すのかなど、また次の出会いに期待したいと思います。

防護ネットで囲まれた少し高台にあるソバ畑の草刈りを終えて、ネットを出ようとしたときの夕方、入るときには気づかなかった昆虫がネットにしがみついているではありませんか。
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オオツノトンボ(ツノトンボ科)
体は「トンボ」に似ていますが、チョウのような触角をもつ、アミメカゲロウ目です。
ちょうど十年前に、稲に止まっていたツノトンボを初めて見て、腹部を直角上げて静止した”体操の名選手”と感動した姿が目に焼き付いていました。
いつまでたってもこの姿勢を解きほぐすことはなく、指を差し出してみました。
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すると、すんなりと手に乗ってきました。まるで触角の長いトンボです。
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体熱を感知したのか、弱々しく飛び上がり、近くの枯れ枝に移りました。
瞬間、腹部が白銀色に光り、神々しく見えました。
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まもなく、翅をたたんで腹部を上げる姿勢に変わりました。
十年前に見たのはツノトンボで、今回はオオツノトンボで初めての出会いです。

久しぶりのツノトンボ科との出会いに、暑さも疲れも吹っ飛び、ワクワクした気分で畑を後にしました。

毎年、アカガエルの卵塊(里山モニター)をカウントしていますが、今年はとても少ないと感じる年でした。原因の一つは、アカガエルの産卵期に、池や田んぼでアオサギが頻繁に活動していたことやアナグマが異常に増え、産卵のために水辺に下りてきたカエルを仕留めて食べていたことに加え、つむぎの家に住み着いているカラスたちの絶好の食糧だったことが考えられます。
アカカエルが減ったせいか、里山に多いシマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウ、マムシなども、目にする機会が減りましたが、今年は、里山暮らし初の赤マムシに出会うことができました。
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夕方、ヤギ小屋の傍にある池の中を泳ぐ赤マムシ
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水面に映ったシルエットの三角形の頭が特徴的。
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これまに出会ったのは、ずんぐりとした黒褐色の銭形模様のマムシでした。
今回は、比較的スリムな体形で 赤褐色のあでやかな色彩が印象的でした。

人には嫌われがちなヘビですが、里山にはなくてはならない存在で、ネズミの駆除には欠かせません。マムシがビニールハウスを居場所に活動していた頃には、ネズミの害はありませんでしたが、いなくなってからは、ハウス下にトンネルを掘り、ハウス内に出てきて枝豆、スイカ、メロンと食害が続きました。ハウスには、シマヘビやヤマカガシ、今年はアオダイショウといろんなヘビが出入りしていますが、マムシのように長く滞在することはありません。それでもヘビの存在は大きく、野菜の栽培に貢献してくれます。
マムシは毒を持っているとはいえ、何も危害を与えなければ、襲うことも噛みつくこともなく、そっと見守っていると自ら遠ざかります。

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