大小迫 つむぎの家

よみがえれ! 大小迫の里山、人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

2010年、定年と共に岩手県大船渡市三陸町の故郷にUターンし、里山暮らしを始めました。
長い間放置し、荒廃した里山の再生を目指してすぐに「大小迫 つむぎの家」を立ち上げました。
築140年の母屋を中心とした、田んぼや畑、山林に囲まれた里地・里山です。
この地で無農薬栽培による米作りや山林の整備をしながら、生き物で賑わう自然と共にある暮らしを目指しています。
里山は地域に開放し、子どもたちの稲作体験や遊びの場にもなっています。
家族は、夫婦と犬一匹、ヤギ一頭です。

一昨日は、つむぎの家で綾里小6年生の”森林環境学習”を行いました。
学習の目的は、冬の里山散策をしながら一年前に植樹した木々や山の様子を観察し、森林の大切さやふるさとのよさを学ぶことがねらいです。
この日は朝から雪がちらつく寒い一日でしたが、冬の里山観察には絶好の日より、子どもたちは全員長靴姿で元気よくやってきました。
五感1
まず、定例の朝の挨拶の中で、1時間ほど里山を歩き、その後は、つむぎの家での室内学習に入るスケジュールを説明し、今日は”五感をフルに使って里山観察をしましょう”と投げかけました。
そこで、五感とは何か?についてみんなで意見を出しあいました。
さすが6年生、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚と即座に答えが返ってきました。さらには"第六感"もありそれも使おうという意見も出て、氏神コースから昨年植樹した山へと向かって里山観察に出発しました。
街並み2
高学年になると、つむぎの家に遊びに来ることも少なくなります。子どもたちは、冬の里山に興味津々。
氏神下の展望台から綾里の街を見下ろすと、うっすらと雪化粧した街の様子が飛び込んできました。
その中で、ひときわ映えるピンク色の綾里小の姿に歓声を上げていました。
糞
植樹地へと向かう林道には、真新しい動物の糞がありました。
コロコロしたニホンジカの糞は至る所にあるのですが、植樹地の登り口に細くて小さな一本だけの糞を見つけました。早速、集まって何の動物だろうと糞を観察しています。
おそらくテンの糞ではないかと思いますが、形や色だけではなく、地面にはいつくばって匂いを嗅いでいる子もいるほど、探求心旺盛な子どもたちです。
植樹地4
林道を上っていくと、いよいよ植樹地に到着。
そこは、昨年の6月、5年生の時植樹した時の緑いっぱいの山の風景とは一変し、茶褐色の冬枯れです。
まず、植樹地全体を見渡し、ヘキサチューブから上に伸びたところが、シカに折られていたり、葉を食べられていたりと、食害のひどさに驚いている様子で、自分が植えた木は大丈夫かと不安げに見上げていました。
多少の食害はあっても苗はしっかりと根付き、全員の木が順調に育っていることを確認し、木を植え、豊かな森を創るには、継続的な山の整備や管理が大切であることをお話ししました。
冬芽5
降り積もった落ち葉を踏みしめながら植樹地を一巡。
落葉した木々の冬景色は寂しく眠っているように見えますが、よく見ると枯れたような木にも、春を待ちわびる小さな芽がついています。小枝を手に取って、枝先を見るとかわいい芽がついていることに気づいたようです。

子どもたちが手にしている枝はクロモジで、4年時に、鉛筆ホルダーを作った木です。木の匂いを嗅いで2年前のクラフトを思い出したようで、それぞれ大事そうに枝をもって植樹地を後にしました。
木登り
つむぎの家に戻る途中には、柿畑があります。そこで、雪を被った柿の実を取って味わってみることにしました。
三陸地方では甘柿はできませんのですべて渋柿ですが、渋柿もこの時期は、木熟して渋味が取れ、ねっとりとした甘くておいしい柿になります。
塾柿5
早速、自分たちで採った柿をほおばってみることにしました。
初めは恐るおそる口にする子、がぶりと咬みつく子、戸惑っている子、いろいろでしたが、口にすると「甘くておいしい!」と笑顔になり、寒さを忘れて真冬の自然の恵みを味わっていました。
観察6
次は室内での学習です。
まずは山で採ってきた枝の葉芽を分解し、冬芽は、どのようにして寒さや乾燥から身を守り、あたたかな春を待っているのか、芽鱗を数え、厳しい冬を乗り切るための冬芽の知恵について学びました。
パワーポイント7
その後は、冬の里山散策を振り返りながら、パワーポイントでつむぎの家を立ち上げた経緯やそのねらいを解説し、里山の森林を守り、多様な生き物が暮らす自然環境を守り育てていくことの大切さについて話し合いました。
そして、最後は”生まれ育ったふるさとの良さを誇りに、さまざまな生き物とともに暮らす里山を、次世代へとつないでいきたい”と、私どもの思いを伝え、森林環境学習を締めくくりました。

子どもたちは、パワーポイントを前に、熱心にメモを取りながら学習していた姿が印象的でした。

宮古から戻った翌朝(ユキの発情が始まった2日目)は、夜が明けきらぬ早朝からメェーメェーと絞り出すようなユキの鳴き声が聞こえてきました。
どうやら、発情のピークを迎えたようです。初日同様に、トラックにユキを載せて牧場へと向かいました。
ユキオ君1
牧場の駐車場に到着し、トラックからユキを下ろすと、ユキは、ユキオ君がいたヤギ舎の見える方向に歩き出し、下を見下ろしていました。
ユキの見つめる先には、ユキオ君が待っていました。
ユキ2
すると、ユキは、率先してユキオ君に向かって坂を下りていきました。
受け入れ (3)
ユキオ君に近づくと、前日と違い、拒否的な様子はみられず、ユキオ君の匂い付けを受け入れています。
愛撫を受けたユキは、おだやかな顔でユキオ君と戯れ始めました。
スキンシップ
ユキオ君も、安心しきった表情でユキと触れ合っていました。
ユキオ君の顔は、勇壮なオスヤギというよりもお母さんヤギに寄り添い甘えているような表情にも思えます。
消極的
ユキは、前日のようにユキオ君を回避するような行動は見られず、受け入れている様子ですが、残念ながら当のユキオ君に積極的な意欲が見られません。
2回ほどユキの背中に乗ったのですが、交尾の成功には至らず、その後はただユキと戯れるだけです。
どうやら、ユキオ君は昨日のユキの攻撃に恐れをなしたのか、あるいは、ユキに母性と威厳を感じたのか、それ以降、交尾行動をとることはありませんでした。
ユキの方も、触れ合って楽しんでいるだけでした。

チャンピオン (2)
そこで、ヤギ牧場のボス、チャンピオンの"お父さん"に登場していただきました。
メスヤギ20頭を従えて、姿を現した"お父さん"は精悍そのものです。
お父さん
牧場の人が、"お父さん"を外に出し、ユキの所に連れてきてくれました。
ユキも、興味津々近寄って行きましたが、尻尾は下に下げた防御態勢を取っており、積極的態度ではありません。
覚めている
"お父さん"の方は、ユキの態度にお構いなしに、背中に乗りましたが、スルリとユキに回避されてしまいました。
その後、二度ほど交尾を試みましたが、ユキは尻尾を下げたままでした。
”お父さん”は人目を意識しているようで、ユキにそれ以上の積極的なアタックはしませんでした。

今回、二日間に渡ってユキの自然交配を試みましたが、受精の確率はひとけた台です。
考えられることは、搾乳を一日2回行っており、発情は来たものの本能的に搾乳(授乳)が優先され、オスに対する防御行動が出たのではと思われます。
ヤギの生態を理解し、行動を読み解くようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。

一昨日、ヤギのユキが発情を迎え、自然交配のためにオスヤギのいる宮古の牧場に連れて行きました。
ユキが最初に訪れた今年2月、当時は、まだ生後9か月だったオスのユキオ君は立派に成長し、ユキよりも大きな体格になっていました。
再会1
牧場に着き、ユキオ君を見つけたユキは、自ら積極的にユキオ君に近づいていきました。
ユキオ君も嬉しそうにユキに近づき、鼻を摺り寄せ、ご挨拶を始めました。
でも、ユキの方はあまり嬉しそうではないようです。
愛撫2
ユキオ君の方は、お構いなしに"匂い付け"をしながら、ユキにしきりに愛撫し、仲よくなろうしていますが・・・・、
当のユキは、視線をそらし気乗りしない様子・・・・。

ユキとユキオ3
ユキオ君の積極的な行動に、ユキは”私好みじゃない!”とでも言っているようなそっけない態度でなかなか受け入れようとしません。
戯れ
でも、少し遊ばせれば互いにふれあいながら、愛を深めていくだろうと期待し、しばし様子をうかがっていました。

ユキオ君は、ユキと戯れながらユキの後ろに回って背中に乗ろうとするのですが、ユキの方はそれを察知すると、逃げるように動き回り、尻尾を下げて拒否の態度を取り、なかなか受け入れようとはしません。
むしろ、相手を威嚇する"頭突き"の態勢を取り始めました。
ユキオ君は、その頭突きを軽くあしらっているようでした。
挑む5
しばらく2頭の様子を見ていると、ユキは、ユキオ君を受け入れるどころか、次第に挑戦的な態度になり、ユキオ君を相手に前足を上げ、立ち向かっていきました。
こんなユキの姿を見るのは初めてです。
怒り6
ユキが、耳をピンと立て前足を高く掲げて、頭突きする攻撃態勢は絶頂になり、ユキの攻撃を受けたユキオ君はたじたじの様子でした。
もう、ユキオ君は交配する気配は無くなり、ただユキに寄り添うようなしぐさになりました。
ここまでくると、ユキはユキオ君との相性が合わないのではとあきらめました。
パンチ君
それではと、牧場ではもう一頭のオスの"パンチ君"に会わせてくれました。
頭の天然パーマが名前の由来だそうで、とてもチャーミングなヤギです。
パンチ君は、最初は積極的にユキに近づいて行ったのですが、生後9か月と体が小さいこともあってか、ユキの体の大きさと頭突きの洗礼を受けると、あっさりと逃げ出し、二度とユキに近づこうとしませんでした。

ユキは搾乳していることもあり、発情初日のこの日は、弱い発情のため相手を受け入れようとはしないのではないかと判断し、発情がピークになる翌日に再度出直すことにしました。



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