2013年02月

石井友規写真展【無垢の偶像】

無垢の偶像a





来月下旬にて久々に石井友規写真展を銀座で開催します。

もしお近くまで来られた際にはぜひ足をお運びいただければ嬉しいです。

より詳細な内容はまた近日お伝えします。


<会期>3月19日(火)〜30日(土)
<場所>EIZOガレリア銀座
<住所> 
〒104-0061 東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル1階
<電話>03-3547-7718
<時間>10:00〜18:30(最終日は16:00マデ)
<定休>日曜、月曜および祝日(3/20はお休み)

EIZOガレリア銀座
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cGinza/?tab=5 

鹿猟

IMG_0693




” ガチャッ ” 


銃弾が装填される金属の乾いた音が響き渡ると共に、その張りつめた緊張と重いオーラが雪の上を伝って周りを包み込む。 
<その瞬間>を覚悟した自分は拳を握りしめ汗を滲ませていたが、その人が銃床を肩から離し銃口を下へおろし自分も拳の筋肉が緩んだ。 

『獲物までの距離はおよそ180メートル。ライフル銃であれば十分に弾は届くけれど、スコープの照準を100メートルに合わせているから少し難しい。やめておきましょう。』 

ホッと緊張がほぐれたところでその人は声をかけてくれた。 
我々が立つ尾根から谷を挟んで反対側にある尾根にその獲物はいた。【鹿】である。 
バーコードの縦縞模様のように樹立する樹々のわずかな隙間から目視できる鹿の姿は、肉眼からするとまさに黒ゴマ一粒。それを瞬時に見つけられる能力は長年の経験で培われた感と眼力なのだろう。 
ライフル銃の最大飛距離は3,200メートル。山を一つ飛び越えてしまうその弾丸であれば全く問題とならないが、致命傷を与えることが出来なければその鹿は傷を負ったままどこか遠くへ逃げ、寂しく死んでしまう。 

『銃を使うことで銃声が山に鳴り響き他の鹿は逃げ去ってしまうでしょう。しかし、それ以上に半矢(半端な手負い)にさせることは猟師の本望ではありません』 

その人はそう言うと銃を再び肩に掛け、雪の斜面を登り始めた。 

40代半ばのその人は狩猟を始めて18年。渓流釣りで知り合った【マタギ】に誘われ銃を持った。鹿が増えても猟師は絶滅危惧種と揶揄されるこの世界で、その人は所属するグループで今も最年少。本業の傍ら、猟期である11月から2月の間は毎週一日猟に出かける。 

尾根を登り切ったところで北斜面から南斜面に入り込む。風の流れが変わり、少しだけ空気が生暖かくなる。植生も違う。様子はまったくの別世界だ。 

『鹿たちは普段ここを寝床にしているのでしょう。ほら、足跡がたくさん。雪に残る足跡の形を観察して新しい跡を追って行きましょう』 

今度は自分が先頭に立ち、教えられた通りに足跡を辿ってゆくと鹿の糞の山や、ここで寝ていたであろうと想像できるフカフカの落ち葉のベッドが点在している。鹿の習性で林の境目に潜んでいる事、斜面の上にいる人間の存在にはあまり気が付かない事など教えて頂いた通りに意識し、ちょっとした異変一つも見落とさぬ様に探し求め歩き続ける。 

長いこと歩き続けたのだろう。時間はあっという間に過ぎ去り気が付けばお昼前になっていた。 

『そろそろ下山しましょう。鹿を仕留めることは出来ませんでしたが、鹿の姿を見れただけでもラッキーです。私たちは気楽なものですが、彼らは命がけで逃げていますから』 

その人はそう言うと私たちは来た道を辿り帰路へ付いた。狩猟をする人の中にはやはりどうしてもゲーム感覚で行ってしまう人がいるが、マタギであるならば命を頂く感謝の心があるため無駄な殺生はせず、潔く諦めることが大切なのだそう。だからなのか、その人も今回の猟期ではまだ2頭しか仕留めることが出来ていない。 

『鹿たちもどこかで私たちの姿を見ながら必死に逃げています。でも、鹿と付き合っているといつか鹿の獲り方を鹿たちに教えてもらえるようになります。それまで頑張りましょう』 

その人は満面の笑顔でライフルをケースに入れ山から出た。 
都会に住んでいると、お金を払えば【命】は苦労無しに頂くことに慣れてしまい、その重みを忘れてしまっている。もし今回鹿を仕留めることが出来ればきっとその命は軽いままであっただろう。 
命を頂くことが本来どれだけ難しく、そして有難いものなのか、逆に自分の心が射抜かれてしまった一日であった。

『自転車旅人・西川昌徳 日本帰国記念トークイベント&パネル展』

【子どもたちの夢とともに、世界を走る自転車旅】

度々お知らせしているお馴染みの自転車旅人の西川昌徳さん。
ネパールからスタートして11,000km。今月末にゴールのポルトガルへ到着し日本へ帰国します。
そしてその帰国直後の3月2日(土)、スポンサーでもあるアウトドアメーカー「モンベル」のモンベル渋谷店で帰国記念トークイベント&パネル展を開催します!
旅の様子や出会った人々の思い出はもちろん。旅の各地からスカイプ電話を使い福島と京都の小学生へ振りまいた『夢』の話をたくさん聴くことができます。
世界中の人々と文化。これからの子どもたちに必要なもの。夢、挑戦。今私たちや社会が必要とする心について、西川昌徳さんのお話からたくさん気づくことが出来るかもしれません!


『自転車旅人・西川昌徳 日本帰国記念トークイベント&パネル展

日時:3月2日(土) 14時〜 ※時間は若干の変更の可能性あります。

場所:モンベル渋谷店 5階サロン
http://store.montbell.jp/search/shopinfo/?shop_no=618851


より詳細の情報は追ってお知らせいたします。

自転車、旅、世界、子どもたち etc... 一つでも興味あるキーワードがあればぜひ遊びに来てください!



<自転車旅人の西川昌徳さんのブログ>
http://ameblo.jp/masanori0615/



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プロフィール

地球写真家石井友規

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