生徒さんが別の生徒さんにバトンを渡し、インタビューも行ってしまうというリレーインタ
ビュー、『高橋さん→マミーさん』インタビューの後半です.力の抜き方、他の習い事や
フェルデンクライスを習い始めた経緯の話がでてきます.ではどうぞ〜.

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マミー:考えたらね、スイミングに行っててもね、『力を抜け力を抜け』って言われるんです
よね.で、力が抜けるようになったらうまくなってるんですよね.で、水の中を体が伸びる
んですよ.イアンソープ? あの人がクロールを泳いだ時、シューっと伸びたでしょう?
あれなんですよ.あれ、力が抜けてるからスーッといくんでね
高橋:力を抜くというのは、フェルデンクライスをはじめてからそういう風に・・

マミー:スイミングの先生も言われてました.だから、力が抜けているか抜けていないか
見極めるとしたら、(プールが)20メートルあるんですね、それを何回腕をかいて向こうに
行くかを競うわけですよね.そうしたらレッスンを受けながらでも男の人が泳いだら、いく
つ(かいたか)って見るわけ、だったら私のほうが少ない、ってね.だいたい20メートルし
かないんですよ.気分がよくて今日は行くな、と思ったときは9ぐらい.悪い時で11ぐらい

高橋:きゅう?

マミー:9ぐらいかいたら(向こうに)届く

高橋:9でいきます?

マミー:1回2メートルくらいね.だから9でいったら、今日は力が抜けてるんだなっていう
のが分かるわけね

高橋:それは泳いでても体が軽い感じがするっていうのは・・・

マミー:する時としない時とがありますよ.競争する時は少しでも『エーィ』ってね(笑) そ
うすると11くらいかいてるの、欲が出るとねぇ(笑) やらしいよねー(笑) そうすると11くら
いになる

高橋:バロメーターですね(笑)

マミー:平泳ぎとかバタフライは人よりも回数が多いですね.(力を)入れる箇所はあるか
らね、伸びる時っていうのは力を抜くとスーッといくわけよね.だから『(フェルデンクライス
のレッスンで言われる)そっとそっと』っていうのは力が抜けてないとできないってね(思
う).お習字なんかでも言うんですよ.先生は向こーうの方にいるのよ、(私は)小筆で小っ
ちゃい字を書いたのね、そしたら先生憎らしいのよ.『藤木さん*4力が入ってます』って
ね.力が入ってると『(指の筆を持ってる部分が)白い』って言うのよ.力が入ると押さえる
から白くなるでしょ

高橋:あー、なるほど

マミー:でもそういう(指の色は)遠くからは見えないじゃないですか.だから全体を見てら
したんだなーって思うんですよね.『(キョロキョロしながら、指を必死に隠す素振りをして)
ここは絶対に見えるはずがないっ!』と思いますからね(笑) 80いくつのじいさん*5に絶
対見えるはずがない(笑) だから雰囲気ですよね

高橋:でも実際にそのときは力が入ってた?

マミー:そう.(入っていた)と思いますよ.ここ(フェルデンクライス)の教室に行きだして、力
の抜き方、『力を抜いて書いて』っていうのが分かった.それまでは書けなかったです

高橋:力が入ってるって事も・・・

マミー:分かってなかった.だからリキめば(力が)入るじゃないですか.どうしても、分から
ないこと、不安なことっていうのは力んじゃうんですよ

高橋:でも力が入ってたことに気がついていなかった?

マミー:そうそうそう.字を書くときもいつもね.それから(フェルデンクライスでは)意識をし
なさいって言われるでしょ.だから今までの気の使い方、意識の持ち方、っていうのは、
これには反してたんだなって思うのね.だから(皆さんは)まだ若いからいいけど、学ぶこ
とはいっぱいありますよね

高橋:なるほどー.じゃあ、意識の向けかたとか力の抜け方っていうのがうまくなって
きた?

マミー:うまくはないと思いますよ.今、気がついたっていうだけ

高橋:でも気がついたっていうのは第一歩ですよね

マミー:うん.知らなければね.忘れるのと知らないのとでは全然違うからね.知らないっ
てことはいつまでたっても分からないじゃないですか.忘れたっていうのは思い出したら
ね(いいから).でも、それも完全に忘れる時があるからね(笑)、(自分で)バカーって思うん
だけどね(笑)

高橋:マミーはいくつ習い事をやってるんですか?

マミー:今? 今はここの教室いれて3つ

高橋:ここと、水泳とお習字?

マミー:はい.随分省いた.最初5つくらい行ってたんですよね.最後、表具師、展覧会の
時頼むのもあれだから自分で作ってもおもしろいなと思ってね.でもね先生のムカッとす
る言葉1つでね、全部放って帰ってその後行ってない.教材ね5万円くらい買ってね、教
室においたままでね

高橋:えーっ、もったいない

マミー:そういう時はね、見たくない.その人はね、決して悪気で言ったんじゃないんだけ
どね、カチーンときたのね.今会ってもね、もう顔忘れて分からない

高橋:でも何かおもしろいね.今のお習字と水泳の話、それからフェルデンクライスの.
後は、何だろう・・・.

マミー:どんなこと聞きたいわけ?

高橋:今けっこういいことばっかり言ってもらったんですけど、フェルデンクライスをやって
て何かここは違うんじゃないかなとか・・・

マミー:(即答して)そこまで(私は)成長してない.分かってない

高橋:あら

マミー:言われたことを素直にやってるだけ

高橋:素晴らしい

マミー:それしかないでしょう? ある?

高橋:うん.私けっこう・・・

マミー:あった? お利口さんね

高橋:おばかさんだからいっぱいあるの.マミーはお利口さんだからないのよ

マミー:鈍いだけよ(笑)

高橋:でもマミーの動きは本当にやさしくてゆっくりでしなやかじゃない?

マミー:鈍いだけよ

高橋:そんなことないよ

kon:動きによってはマミーが一番柔らかいってことがあるわけですよ.ねじりの動きとか
ですね.それは教室を運営する側からすると、やっぱり、いいんですよ.というのは『私、
昔から苦手で』とか、『年だからできない』っていう言い訳が通用しないわけです.そうい
う人達が言えなくなる.だいたいみんな言い訳を探すんですよね.そういう時にマミーが
すごくやさしく、動きによっては一番柔らかい.10代の子よりも柔らかく動く.するとみん
なが真剣に考え始める

高橋:私なんかは教室でマミーとペアを組んでやることが多いじゃない? だからそうい
う時にいつも思うんだけど、マミーはすごく優しい動きで・・

マミー;心根(こころね)が出るのよ

一同:ハハハー

マミー:あら、笑った、感じ悪ーい(笑)

kon:でも実際、自分1人で動いていると雑に動いているのが分からなくても、マミーの動
きを見たり、それこそマミーと一緒にチームになってやるとよく分かるんですね.自分が
いかに雑な動きをしていたかとか・・・

高橋:それからマミーね、動く時だけじゃなくて、手がものすごく・・、(マミーの手をとり)こ
の柔らかい、ふかふかの手で、いろんなところを気づかせてくれるんですよ

マミー:全部、食べたものの栄養がここ(手)にいくんですよ(笑).いっとう最初に会った人
なんかにねよく言われるのね、『(家事などを)何にもしないでしょう』 この人どういう人に
見える?って言われたら、『年配のご主人』でね、何を言ってもいいよいいよって許してく
れて、何でも好きなことさせてくれてね、お手伝いさんがいてって.全部私が1人でしてお
りますって言うのよね.朝から夜までやっててもこれ(この手)なんですよ.手入れとかも
全然しないんですよ

高橋:この手、ふかふかでね、しっとりしててね〜

kon:しっとりはいいですけど『ふかふか』って表現、どうかと思いますけど(笑) この前、
飲み屋にみんなで行った時、飲み屋のマスターが最後マミーと握手して『あっこの手仕
事してない手だね』って(笑)

高橋:でも、他人の家の料理もするし

マミー:するよね〜? するよー

高橋:料理をするともっと手が荒れてたりするけど・・・.何かつけてたりするんですか?

マミー:(左手で右手を撫でて)かわいそうな子、何にもつけてもらってない.いたわらない
とねぇ.ごめんねぇ(笑)

高橋:何にもしないでこんなにふかふかなんだ〜.マミーの手は本当に癒し系なの.どう
したらこんな手みたいになれるのかなーっと思って

マミー:お勉強なさい(笑) 女らしくなさい(笑)

高橋:はい(笑) ところで、takaさんはマミーに何か質問ありますか?

taka:(もごもごと) マミーのね、そういうね、いわゆるひとつの美学ですかそれは、そうい
うものとね、この曙クラスで行われているフェルデンクライ・・・

kon:takaさん、はっきりしゃべってくださいよ(笑) 僕らにも聞こえませんよ(笑)

taka:その美学から見て、教室はどういう風に見えてるんですか

マミー:楽しくて、好きだから行ってる.うん.行ってるということが全てよ.嫌だったらすぐ
行かなくなる

よっしぃ:ハッキリしてるでしょ〜.行かないと悪いから何となく行く、なんて、そんなお義
理は一切ない.仕事だったらどんな嫌なところでも(マミーは)行くよけどね

マミー:今までね、どんなに嫌なことも、どんなに嫌なことでも、してきたわけね.だから、
もうしない、というのがあるわけ

kon:教室に来てる人達や教室の雰囲気についてはどう思われますか?

マミー:うん.嫌いな人とは物言わないから.いいでしょ、それで

kon:はぁ

マミー:(ごますりのポーズをしながら)これが、嫌いなんですよ私

よっしぃ:仕事を辞めてからますますしなくなり・・・

マミー:(先生に対して)無礼なことはしてないつもりだけどね

一同:ハハハハハー

マミー:(心臓を押さえながら)痛ててててっ(笑) 先生に悪いからしてない・・・・・・けどね.
(再び心臓を押さえながら)痛ててててっ(笑)

高橋:身に覚えがあるんだ?

マミー:うん

一同:笑

よっしぃ:でもね、一番最初、マミーが教室に来る前、全然別の場所でコンラッドさんに会
ったわけなんだけど、そのとき、私(よっしー)が習いに行ってる人だとは知らなかったの.
でも話をしているうちに『あらあなただったの?』ってことになって、私はそのとき家にいた
んだけど電話がかかってきて、『今ね、すごく珍しい人に会ったの』 えっ誰? って言っ
たら『ハンサムでさわやかでお行儀がいい先生に習ってたのね』って.『ハンサム』が最
初にきたのよ

マミー:ちょっとね、お酒が入ってたの(笑)

よっしぃ:(笑) でもね、お行儀がいいって言うのはマミーにとってはすごいほめ言葉な
のね.こんなにわがままで、自分のやりたいことを全うする、だからこそ、マミーはとって
もお行儀にうるさいんですよ.だから私のお友達に会わせるでしょ? すると『あんなに
かわいらしくって』って言われるのよ

マミー:えー、私大嫌いなのよね.『かわいい』なんていわれると、ウソー!って

よっしぃ:でも本当にかわいらしい、(ちょっと大げさに)たたずまいなのっ!

マミー:私(かわいいふりなんて)しないよー

一同:あー、それ分かってないんだ、自分で(笑)

マミー:やらしーねー(笑) 私大嫌いそういうの

一同:今、分かりました.自分で分かってないんですね

マミー:私嫌い、そんなの.

kon:ぶりっ子って言ってるんじゃないんですよ

マミー:控えてるのよ、私それ、控えてるのよ

一同:自分のチャーミングさを分かってないんですね〜

マミー:だから最初に言ったじゃない.自分の欠点は一番分かってないって(笑) 最初に
言ったよー

高橋:ありがとうございました.じゃあ、次はマミーがインタビューする人を決めないと

マミー:じゃあ、コロコロ*6

kon:あー、僕かー、来ると思った(笑)

一同:ありがとうございました



*4藤木さん・・・マミーの本名です
*5マミーはこう言ってますが、一番尊敬している書道家の先生です
*6コロコロ・・・マミーは、コンラッドと言えないので(?)コロコロと言ってます