2007年08月15日

指の先の血管が見える機械という物がある。その顕微鏡のような物に薬指をおいてみるのだが、見る人が見れば、その人の生活環境や食事の取り方、体調からどこが悪いかまで分かってしまうそうだ。

ある機会に、専門の人に指の先の血管を見てもらった。健康な人間は、血管がまっすぐにキレイに伸びていると言うのである。私は自信があったのである。お肉中心の食生活を捨て、なるべくお魚を食べ、野菜を食み、我慢を重ねてこうしてやってきたのであったからだ。

思えばあまからでは演出が団員の食事にまでちょっかいを出してくる。肉を食いましょうと言えば、肉は体に良くないから魚を食い給えとか、私は春菊が苦手なのですからお鍋に入れるのは勘弁してくださいというと、春菊が一番体に良いのだからと、私の小鉢に春菊ばかり入れるのである。

演出の言う体によい食事をしていたのだから、私の血管は美しくて至極当然なのである。自信を持って私は訪ねた。

「先生、どうでしょうか?」
「うむ、はっきり言った方がよいかね?それとも・・・」

私はドキッとした。私の体に異常があるなどと露にも思わなかったからだ。

「はっきりおっしゃってください!」
「キミの血管は細すぎるのぅ。普通、キミぐらいの年の頃は獣をバリバリ食べて血は濃く、血管も太いはずなのだが、見た前キミの血管を!細くて、血液も薄いではないか!」

その晩は、焼鳥屋でたらふく食べた。

(19:47)

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