雑板屋

グロ画像に要注意! おかげさまで映画525本、読了本220冊!映評・書評の黒ブログです。

「横道世之介」吉田修一5

好きな作家が、「横道世之介」なる人名をタイトルに、作品を書いている。
誰?それ?そんな声が聞こえてきそうな意味不明な人名である。
はて?何者?いかにも興味をそそるタイトルである。

何のことはない。
19歳。どこにでも転がっていそうな一人の男子大学生の一年間を、
どうってことのないありふれたその日常を切り取りし、
瑞々しく生き生きと書き綴られた小説だ。

あの頃、あの時代、まるっきり青臭いような、懐かしい学生時代を
横道世之介は、少しづつ垢抜けながら隙だらけの自分自身を変えていく・・・
出会った人を大切に、一歩づつ前へ前へとゆっくりと・・・。

この世之介、実は隙だらけの人物である。
時には大声で笑ってしまうくらい間抜けで、とにかく可愛げのある男子なのである。
くだらない漫画を読んで退屈する時間があるなら、是非この横道世之介に会いに行っていただきたい。

この作品を推奨するには、理由がある。
作家、吉田修一の柔軟で穏やかで繊細な筆力は、心を豊かにしてくれる。
読む者を楽しませてくれるに違いない。
裏切りはない。

読後は、少しにやけながらも言いたくなる。
「横道世之介」?知ってるよ!そいつ・・・いいヤツなんだよ・・・全くね。

(2015年4月22日読了)

横道世之介
吉田 修一
毎日新聞社
2012-07-01

「舟を編む」三浦しをん4

辞書を作る、編集する人達の物語。
地味で地道な作業は、それこそ大海原に出て、ひとつひとつの小さな波を乗り超えていく感覚・・・

言葉に繊細で、言葉に愛をもって、言葉を敬うような
そんな心で作り出される辞書に、触れて読んで確かめてみたい。

これまで、辞書に対する気持ちや想いなんて考えたことも、もちろん皆無。
けど、何かが変わる。辞書に対して変わる。
ちょっと世界が変わる物語。

「舟を編む」
このタイトルが粋だと気付いたとき、私は静かに涙を流した。

(2015年4月11日読了)

舟を編む
三浦 しをん
光文社
2011-09-17

「シャーク・ナイト」3

サメもん映画。
夏真っ盛り、バカンスを楽しもうと学生たちが湖を訪れた。
ハメをはずすどころか、いるはずのないサメの恐怖に突如襲われこととなる・・・

サメに襲われるというよりも、襲わされてた彼らがとってもお気の毒・・・
いかにもB級な作風ではあるけれど、サメが好きなら見たほうがいい。

(2015年4月5日鑑賞)

シャーク・ナイト [DVD]
サラ・パクストン
ポニーキャニオン
2012-11-02

「ミシガン・チェーンキラー」3

雪深い離島に休暇を楽しむために訪れた大学生たちを、連続殺人鬼が執拗に追いかけぶった切る。
ま、簡単に言うとこんな感じ。

「テキサス・チェーンソー」「ルール」「スクリーム」などの有名どころを思い出させてくれる作風。
単純に、容赦なく次々と色んな手法で殺人を披露してくれるので、飽きの来ない作りではあった。
まあ、ちゃっかりなB級ホラー。

(2015年4月5日鑑賞)
ミシガン・チェーンキラー [DVD]
スコット・ビッカリオス
トランスフォーマー
2008-07-04

「風が強く吹いている」三浦しをん5

素晴らしかった。
良かった。
感動した。
泣いて、笑って。
笑って、泣いた。

何度も眼鏡を外し置き、滲む涙に触れたのか、わからないくらい・・・
気持ちの高揚が抑え切れなくて。

駅伝が小説になるとこんなに感動するものなのか・・・

「風が強く吹いている」読了ほやほやの逸る気持ちをぶつけてやりたくて、
‘これ最高!’と、この作品を絶賛していた友人にまずは読了報告に向かったくらいだ。

箱根駅伝を走りたい・・・そんな大学生たちの、走ることの苦しみと高揚を共有できたこの喜びを
どう表現すればいいのか・・・。
青春、スポ根、人間ドラマ・・・そんな言葉で書き並べてみてもただ安っぽくなるだけだ。
文字だけで、こんなにも心を動かされて、心身共に浄化されたというのに、
ただもう感動で胸が裂けそうな状態だ。

実は、しをん作品は、これが初読。
出会えて良かった。心からそう思う。
気になる作家がまた一人増えた。

風が強く吹いている (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
2009-06-27

「息もできない」4

一体何なんだ?
悲しい悲しい‘負の連鎖’が暴力の拳となって繋がれていく様は・・・

二人きりで泣くのよね。
二人のときしか泣けないのよね。
孤独が寄り添ったら、心、緩むよね。

二人が流す赤い血の涙は、あまりにも悲しくて切なくて・・・
悲痛の圧力がありました。

二人が寄り添って、幸せに人生をやり直す姿を想像することで、胸が熱くなるくらい。

少々ハードな作品だった。けど見て良かった。

(2015年4月3日鑑賞)

息もできない [DVD]
ヤン・イクチュン
Happinet(SB)(D)
2010-12-03

「シャークネード」3

サメもん映画。
友人J氏からのオススメです。
生き物と災害の融合映画、アニマル&ディザスターパニックムービーと言いましょうか・・・
そんな感じで、実際には有り得ないくらいサメがトンデモなことになっています。
空を飛飛んだり、真っ向から大口開けて対向してきたり。
ロサンゼルスの街は大パニック!
そして、戦う主人公のおっさん、気の強いおねーちゃん、など登場する人物ももちろんパワフル。

B級臭漂うアルバトロス作品だから、‘こんなペラいサメ映画あるかい!’とお怒りの方がいらっしゃるかもしれませんが・・・
内容?薄くて結構!サメが暴れりゃそれでええわ!大興奮な1本でした。

(2015年3月30日鑑賞)

シャークネード [DVD]
アイアン・ジーリング
アルバトロス
2014-01-08

「夜の国のクーパー」伊坂幸太郎3

伊坂の書き下ろし長編。

実は恥ずかしながら、作品読了まで随分時間を要した。
正直、物語の冒頭から状況が上手く脳内で描けない。
だって、猫がしゃべるんだもの・・・。

トムという名の猫の主観で物語は始まり、やがては人間と猫や、猫と鼠までもが会話を始める・・・。
こんなんで、この不思議話についていけるのか・・・?

不安になりながらも、物語は確実に前進する。
私は、それでも伊坂を信じて祈るように文字を目でなぞる。

するとみるみるうちに中盤から一気に面白みが増した。
面白いと思えたのは、それぞれの会話のテンポと猫の描写があまりにも可愛くて愉快で滑稽だったから。
動物好きな私を飽きさせなかったから。
猫が身近な生活をしていた伊坂ならではの観察力。
猫の生態を知り尽くしたかのような描写と表現。嗚呼・・・脱帽。

さて、タイトルにある‘クーパー’って何なんだ?
その謎は勿論、読んだ者にしかわからないのだが・・・
それに多くは決して語れないほど未読者に対しての配慮が必要だ。
敢えて言うなら一言・・・「とんだお騒がせ!」な物語だった。

夜の国のクーパー [ 伊坂幸太郎 ]
夜の国のクーパー [ 伊坂幸太郎 ]

「仙台ぐらし」伊坂幸太郎3

〜物書き、作家の伊坂幸太郎の日常の切り取り〜

好きな作家の初エッセイだなんて、読まずにいられない。
彼の頭の中や日々の行動が覗けるなんて、面白くないわけがない。

お気に入りの喫茶店でパソコンに向かって仕事をする彼の姿は容易に想像できても、
彼の脳内で沸き起こる心配事までは想像を遥かに超える。
心配事が多すぎることを心配するはめになるのだが、
私の周りにも伊坂同様に心配性の人間が多すぎて、そのことが心配になる。
どうやらその厄介な心配性は、簡単に伝染するものなのか・・・私自身にも心配事が勃発することとなるのだ。

開いて干していた青い傘が、数時間後に姿を消していた。
突風が傘をさらっていったに違いない。
傘は開いたまんまだから、飛ばされながらもよその車を傷つけてはいないか、
小さなお子さんを怪我させてはいないか、果ては人をも突き刺す殺人傘に豹変してはいないか・・・
妄想が膨らむばかりで、歩いて動ける近所の範囲をまるで不審者のごとく徘徊したのだが発見に至らず。
この突如湧き出た心配事は、何も手をつけられない非常事態を招き、私をどん底へと突き落とす。

そしてその数時間後。奇跡的に無事に発見!
2軒隣の玄関ポストの真下で私の青い傘は静かに横たわっていた。
しかも傘はちょっと動き疲れたよう見えた。
私も疲れた。心配事とは正直あまり付き合いたくないとさえ思った。


「仙台ぐらし」
読書意欲が軽い気持ちの取っ掛かりではあったものの、忘れてはならないのが、
彼が仙台在住で2011年3月11日、あの東日本大震災の被災者であることを。
そして、ちょうどその4年後このエッセイを読み終えたこと。
ここにこうしておよそ6年ぶりにブログを再開しようと決意したきっかけを作り、
私自身をまともな活字の世界へ伊坂が呼び戻してくれたことを。
ありがとう。感謝の気持ちでいっぱい。

仙台ぐらし [単行本]

「人形霊」3

2004年の韓国ホラーです。全然怖くありません。至って普通です。悲しいくらい普通です。内容も怖いというよりも悲しいです。

舞台となる人形の館、と申しますか人形ギャラリー的には、人形のディスプレイもいい感じではあったと思うのですが・・・。

赤い服着たミナちゃんが、人形風にリアルに可愛くて存在感がありました。
私は、自他認めるほど個人的にモノに執着心と愛着を抱きすぎるので、すぐモノを捨てること(処分)ができる人、すぐモノを紛失してしまう人の気持ちが逆に解らないところがあります。
なので、特に人形ともなれば・・・尚更!かといって実際は歳を重ねれば重ねるほど余分な知識と情報とモノだらけの身辺に少々傷心気味・・・。

ま、今回は韓国ホラー「人形霊」を見て、‘自室に新しい風と気を入れねば!’など廃棄欲を燃やすことができたのでヨシ!としましょう。
本作に興味ある方は、どうぞ軽くご覧ください!

人形霊イム・ウンギョン
人形霊イム・ウンギョン

「アジアンタムブルー」3

「アジアンタムブルー」
それを乗りこえた時、
初めて手にできるものがあるー。

原作の著者、大崎善生氏の直筆の言葉・・・私の大切にしているサイン本に書かれたフレーズです。

原作は、愛する人を失い、何もかもがただ真っ白に時が止まってしまっても・・
今を生き続けようと、自分を変えようとする再生の物語です。
初読は2004年春。
喪失することを深く受け入れながら、ただ一人朝方に・・・

大泣き。
絶えられなくなって。

さて勇気を持って本作の鑑賞。
仕事にも人生にもどこかなげやりで不器用な男と、明るくマイペースだけど心の強さを持ち自然体であり続けられる女性の純粋な恋愛。
阿部寛はとても器用に不器用な男を演じ、松下奈緒は初々しくも好感の持てる演技でした。
ただ残念なことに・・・映像から痛く感じられたのは‘死があまりにも美しすぎる’こと。
映像的に物語としての安っぽさが全面的に出ていることが残念。例えば彼女が全く病人に見えなかったり、二人の行動は現実からかけ離れ過ぎていて‘死からの逃避’はまるでちっぽけなおとぎ話のようで・・・
そこが小説と映画の雲泥の差を感じてしまった理由です。
自分でも可笑しな矛盾を感じたのですが、残される人間の阿部寛の演技に胸を打たれて‘私が死んでも優しい人でいてね’なんてセリフを私が愛する人には絶対に言わない!と・・・。
1分でも1秒でも、彼より先には逝けない!と・・・。
そんなわけで・・・
原作を読んだ4年前よりも・・・確かな自分の逞しさを感じたようです。

アジアンタムブルー / 阿部寛/松下奈緒
アジアンタムブルー / 阿部寛/松下奈緒



「cherry pie チェリーパイ 」3

このテの恋愛映画、嫌いじゃないです。
しかもあんまりお金かけてなさそうな作品に見えて、とても素朴な感じがしたし音楽も良かった。

実は個人的に主演の北川景子ちゃん目当ての鑑賞なんですが、申し分なく彼女の泣きのシーンがたまらなく良かったです。
女性キャスト陣も個性溢れる面々で、作品の雰囲気にぴったりのベストメンバーだったと思うけど、その分、男性陣は影に隠れた脇役存在。

何度も何度も繰り返し登場する厨房でのチェリーパイの調理シーン・・・片手鍋の中に煮詰まるチェリーの美味しそうなこと!
甘酸っぱいスイーツの香り漂う、甘くてほろ苦い恋愛映画でした。

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「私がクマにキレた理由(ワケ) 」3

もっとブチキレた方がいい。というかもっと暴れたおしてやってもいい。
私なら、どうなっていることか・・・。シッターの仕事って生半可な気持ちでやれないだろうから、決して選ばないけど。
コレが一部のアメリカ上流家庭のセレブな実態(原作はベストセラーとのこと)であるなら、尚更むかつく。
子育てすること、できることの幸せを知らない両親・・・。それはそれで悲しいこと。
需要と供給という関係でビジネスとして成立するこのシステム。
特に日本ではあまり馴染みがないと思えるけれど、確かにベビーシッターのバイトをする友人もいたし。
幼児教育と言う意味での、家族というカテゴリーを越えて初めて社会の第一歩を一般的に経験することになると思う幼稚園や保育所の存在も勿論大切だし、自分も通園したわけだし。
でも、作品の夫婦のように自分都合ばかりの親があまりに不憫でならない。
子役の男児は、子供らしくなくてその演技も鼻に付くくらいだったけど、少しずつナニーと子供の二人の距離が縮まる課程は微笑ましかった。
一種の社会風刺であるこの作品、同情とか共感だとかそんな感情はないけれど、色んな事を考えた。
さて主役のスカーレット・ヨハンソン、おパンツ丸出しや、国旗ドレスのまぬけ面・・・色んな顔を見せてくれて、自然に無難にこなす彼女の魅力は満載だった。

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映画と読書について、時々美術やアートについても書いています。
映画はジャンルと製作国に問わずどんな作品でも・・。
グロ・スプラッタ・ホラーも大好物!‘ホラーウィーク’と題しストレス発散のため集中鑑賞もします。なので時々グロ画像も掲載しますのでご注意を!!!
読書傾向は男性作家が多く、活字ネクロフィリア系ノンフィクションは大好物です!
その他にも最近激増の、ベストセラー小説の映画化は、原作読了後に映画鑑賞することも楽しみのひとつです。
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