【さて、夜市で何を手に入れようか・・・】

第12回日本ホラー小説大賞受賞作
「夜市」恒川光太郎著。
発表されたばかりの直木賞候補の作品でもある。

まずは表題作の「夜市」
全てのものが手に入るという不思議で幻想的で非現実的な夜市。幼い頃に迷い込んだことのある男は、昔、弟と引き換えにあるものを手に入れるのだが・・・。

まるで、見世物小屋のようにフリークス系の異型がよたよたと登場し、ダークでファンタジックな世界観はちょっとした期待感を持たせてくれる。
ホラーと呼ぶには若干違和感も感じるのだけど・・・。
日本ホラー小説大賞は、その点に我ながら理解がありながら気になる存在でつい読みたくなる。これも不思議な魅力ということか・・・。

夜も更ける静かな時間に、この「夜市」・・・ちょっと迷い込んでみてはいかがだろう。

表題作に次ぐ「風の古道」
こちらの方が断然好みだ。
死人が彷徨い、化け物が行列を成して浮遊する古道。
古道に入り込んでしまった少年二人。
その古道を永遠に旅する男。

「この世には不思議なことなど何もないのだ」・・・そんな気持ちが、この古道を歩いてみたいという欲望を生み出す。

恒川光太郎氏・・・次回は果てしなく長い旅にでも連れて行ってもらいたいと思う。長編希望!
夜市