e5b49d0b.jpg2006年2月19日(日)WOWOWドラマ放映

キャストは西島秀俊、寺島しのぶ、栗山千明、田口トモロヲ・・・。

吉田修一原作「春、バーニーズで」は読了済み。
市川準監督のドラマ化を鑑賞する。

非常に叙情的な映像だった。
原作も、行間を噛み締めるような間合いが大切な作品だと思うのだけど、
この映像化も、なかなか詩的な感情溢れる作品だった。

青空、待ち行く人波、石を投げた水の波紋・・・。
子供の笑い声、大人の小声の会話・・・。

原作に忠実な夫婦の会話も魅力のひとつだ。
嘘しか言えない‘オオカミ少年ごっこ’は、まさに大人のゲームで、正直者のおじいさんとおばあさんは、その後もずっと幸せに暮らせる・・はずである。

腕時計のエピソードでは、最初から筒井は電車で目的の地へ向かうのだけど、車を運転中に後戻り出来ない行動を取ってしまった原作の方が、ずっと共感できるものがあった。

感情を決して表に剥き出しにはしない主人公筒井の役を演じた西島秀俊も、イメージよりも若干若い気はしたが、いつも冷静でどこか、冷めたような客観的に見える言動も、渋く抑え気味に好演していたと思う。妻を演じる寺島しのぶは、やはり器用な女優だと思う。彼女の演技はいつも安心して好意的に見ているのも確かだけど。
オカマの閻魔ちゃんを演じたのは田口トモロヲ。カメレオン田口は違和感無さ過ぎて、さすがだなと思った。
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