【たくさんの微笑ましいお話】

またしてもヤたれた。
重松さんの作品に・・・。
とてもとても微笑ましいたくさんのお話に・・・。

自分の幼い頃を思い浮かべても小学校時代なんて、陰湿ないじめなんてものはほとんど存在しなかった・・・と思う。
みんなの仲も良かったし、適当に自然にグループが出来上がっていて、そのグループ自体もぶつかり合うようなこともなかった。
今思えば、いかに純粋で単純だったのか・・・。

この連作短編小説の中に存在する子供たちは、まるっきりイマドキなのかもしれないけれど、それなりに幼いながらも自己の考えや主義主張や、悩みや苦悩なんかも抱えていて、内なる自己と戦ってたりする。
そんな様子がとてもいじらしくて、もどかしくて、微笑ましくて・・・。
決して甘すぎない人間関係を、ヘタをすれば大人以上にずる賢くて残忍な思考をするような汚い友情さえも、妙に関心して深く読み込もうとして夢中になる。

素敵なお話がたくさんあった。
恵美ちゃんと由香ちゃんのお話には、どうしても堪え切れない涙が溢れたし、ブンとモトの友情には憧れもするし・・・。
中心となる‘きみ’が次々と入れ替わってお話の主人公になり、‘きみ’を語る人間が誰なのか?ずっと謎を残したまま最終話を迎えることとなる。

読後・・幸せな気分を味わった。
こんなにたくさんの微笑ましいお話もいいなぁと思った。

きみの友だち「きみの友だち」重松清