【ひとりくんにちょこっと感動のツボを動かされてしまいました】 

・道草
・拝啓、僕のアイドル様
・ピンボケな私
・Over run
・鳴き砂を歩く犬

劇団ひとりくんの著書「陰日向に咲く」は、気の利いたちょっとした連作短編小説になっている。

登場する人物が、絶妙なタイミングでそれぞれの別のエピソードにひょっこり登場するのだから、読んでいてもとても楽しかったりするわけで・・・。

一人ひとりの人物を大切にしているというか、愛情を注いでいるというか・・・そんなひとりくんの自分の生み出した人物たちに優しさや愛情みたいなものを感じた。

時代設定も、現在もあれば過去もあって、若かりし頃、年老いた頃など、時の流れる部分も様々だけど、人と人との繋がりやすれ違いなど人生の一部分でしかない場面でさえも、もしかしたら色んな偶然だとか奇跡だとかを感じないではいられないような・・・そんなお話。

ホームレスに憧れてるサラリーマンだとか、一人のアイドルを追いかけてる純粋な青年だとか、ロクに稼ぎもしないのに一攫千金狙いを恐れもなしにやってしまうヤツだとか、調子に乗ってつい友人同士の男の子たちと寝てしまう女の子だとか、ストリッパーに恋焦がれてる売れない芸人だとか・・・。

登場人物は、どちらかと言えばダメっぷりがお見事だけど、平凡で極普通の人々。
多少弱い面もあるけれど、ほんとはまともに明るく前向きに生きたいと願う人々。
それでも、頑張って生きてる。とにかく生きてる。やっぱり生きてる。
・・・・そんな感じ。

読後はとても温かい気持ちになれたし、優しい自分にもなれた。読後の感情って、自分にとってはとても大切。
だから、こんな小説って読んだ方が・・出会えた方が幸せだって思う。

ひとりくんの次回作を期待する人間がここにもひとり!

陰日向に咲く「陰日向に咲く」劇団ひとり