【相手の気持ちと、自分の気持ちと。】 

‘もしも、私があなただったら’

どうする?何する?何言う?
なんてことは、正直頻繁に良く考える方だと思う。

幼少の頃から、今は亡き母親に
‘相手の気持ちに成り代わってみなさい’
‘相手の心を読んであげなさい’
などとよく言われたもんだ。
保育園児にしてみれば、それは少々難問だった。

「もしも、私があなただったら」
この白石氏の小説は、成熟した男と女の恋愛の物語だ。
寄り添う二人を見守るように・・ただ静かに読んだ。

正直、登場するこの女性、少々苦手なタイプなのだが、妙にしんみりと心に沁みるセリフを吐いていたりする。

‘さみしさっていうのは、人間を少しずつ弱らせていく味も色もない毒薬だわ’

なるほど、孤独を自覚したときこそ蔓延した毒薬が心身を蝕み
人間を弱らせていくものなのか・・・。

たくさんのしがらみや、大きく膨らんだ過去を持つもの同士の男女でも、互いを思いやり寄り添って生きていける‘二人だけの道’があるものだと、そう、想いたい。