雑板屋

グロ画像に要注意! おかげさまで映画525本、読了本220冊!映評・書評の黒ブログです。

本多孝好

「ALONE TOGETHER」本多孝好

【重なる波長の静寂】

本多孝好氏の美しく流れるような文章に惚れ込んだのは、前作の「MISSING」に触れていた最中である。
叙情的で、簡潔な・・それでいてインパクトのある文体。
気に入ったフレーズは何度も、繰り返し読み返したりして・・・。
‘こんな文章が書きたい!’と厚かましくも思ったくらい、自分にはしっくりくることが多く、嬉しく感じていた。

そして今回は初の長編「ALONE TOGETHER」
文章の美しさは健在で、心にすんなりと沁みて来るその加減が、心地良かったりするのである。

物語の展開、特に男女の恋愛関係の表現は、理想とするような曖昧さを持ち、本多孝好氏の描く男と女の‘欲望から始まる愛情’のような
性の貪欲さも素直に受け入れられるほど、寛容な自分に驚く。

きっと・・たぶん・・
そんな曖昧な男女の関係や、様々な欲望を剥き出せる関係を肯定し、活字の世界で垣間見ることのできる、ひとつの恋愛論みたいなものに安堵している自分が存在するのだろう。

著書の中に描かれる人物たちの孤独感やそこから溢れてくるそれぞれのエゴイズムに触れてみれば、誰もが人間孤独でありながら、独りでは生きられないことを物語っているように感じる。

この世界観が・・・やはり好きだ。

(2004年夏読了)
ALONE TOGETHER

「MISSING」本多孝好 

43ed5b76.jpg【残された喪失感】

‘眠りの海’‘祈灯’‘蝉の証’‘瑠璃’‘彼の棲む場所’
これらの5つの短編集。

本多孝好氏の著書は初読であったが、心地よく流れるような表現力が
とにかく気に入った。
ほんとにとても語りが美しいのだ。
それにどの話も男性が主人公で、心の中の語りがどなたも、自分好みの人とくれば、これはもうたまらない!

話の筋も流れが美しくて、中でも‘眠りの海’と‘瑠璃’は愛した人を亡くしてしまうのだが、その喪失感の中にも、希望を見出しているような気がして、痛くも切ない。
男性の心がこんなにも繊細で、そしてまたチカラ強くて・・・
心盗まれるとはこういう事なのだと・・・。

男性達の心に生き続ける女性達・・・。
ほんとに美しい物語を堪能できたように思う。

(2003年秋読了)

「MOMENTO」 本多孝好

< 病院の噂話の物語 >

〜あの病院にはね、以前から語り継がれている一つの噂話があったんだ・・・〜

死を目前にした人間の願い事を一つだけ実現してくれるというそんなありがたい人間が病院内に存在している・・というそんな噂。

しかもその噂を耳にすることができるということは、死がまもなく間違いなく己に迫ってくるというわけで、実は本当は凄く生々しく無情で冷酷な話なのだと思うのだが・・・。

4つのエピソードからなるそんな物語り「MOMENT」
淡々と冷酷に、そして優しくも暖かくも、人間の弱さや脆さを吐き出した物語。
死と向き合う人間の最後に振り絞る力強さや生命力も魅力的に感じる。生と死の葛藤みたいなもの。

いつもながら、本多孝好氏ならではの繊細で味のある表現は、とても心地がよかった。

MOMENT

「真夜中の五分前 side-B」本多孝好氏 最新刊

side-Aに続き、side-Bをじっくり味わう。
一言思うに・・・恋愛小説というジャンルの枠はきちんと超えている・・と思う。

26歳の会社員主人公、僕。
過去の恋人たちを思い返し、己に言い聞かせるように・・過ぎ去ったその過去を‘すでに通り過ぎた場所だ’と冷静に受け止めることができる。
そんな彼が、ほんとは不器用なくせに、器用で冷静なフリをしているように感じ、少し頑張りすぎているのが痛くもあり、またそんな弱さも随分卑怯な魅力である。

そんな彼の魅力を年相応の一人の青年としての魅力を引き出しているのが年上女上司の存在。
彼女のようにそんな彼を優秀な部下に育てつつ、共に仕事を共有し、
結果と成果を残していけたら・・とふと我が現状を垣間見てみたり・・。

登場する人物たちの魅力。それぞれの優しさや力強さ・・・そんなもの。
高齢の渋谷のバーのマスターとや、高額サラリーを支払ってくれる雇い主、年上女上司や、友人夫婦。
それぞれの会話の中に、それぞれにそっと光る持論や感性が散りばめられていて、優しい会話、あるいは激しい会話が実に心地良い。

「真夜中の五分前」・・・その五分の空間で時を静止し、時には己自身を見つめ直したいと・・そう思った。


真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B

 「真夜中の五分前side-A」 本多孝好氏 最新刊

およそ2時間20分ほどのじっくり時間をかけて、本多孝好氏「真夜中の五分前side-A」をゲラでまずは読了。

何故だろう?いつもそうだ。
本多作品に触れるといつもそう・・。
・・読後はいつも頭ン中と胸ン中がパンパンに膨らむ気がする。
色んな思考がぐるんぐるん走りまわる感覚。なので作品に触れた後、抱いた感情を即刻その場でアウトプットしないと、苦しい・・。
ほんと息苦しい・・。

本多氏の文体は相変わらず美しい。
どこをどう切り取ってもスマートで繊細で・・それでいて実に男らしい。それだから、いつも作中の主人公男性に多いに魅力を感じ、憧れたり惚れたりするのだ。
それはまるで高純度の常習性の強い麻薬のように・・・本多作品を次々求めたくなる理由でもある・・とそう思う。

今秋発売予定の最新刊「真夜中の五分前 side-A」に早速触れてみる。
主人公の僕。直属の上司。過去の恋人達。そして現恋人?
この主人公が様々な人間と交差する中で、彼は真実の愛を掴むことができるのでしょうか?

続きはside-Bにその結末を委ねるとしよう。


真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A
Archives
カウンター









Recent Comments
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
よくお邪魔するBloggerさんたち
よくお邪魔するBloggerさんたち

雑板屋について
映画と読書について、時々美術やアートについても書いています。
映画はジャンルと製作国に問わずどんな作品でも・・。
グロ・スプラッタ・ホラーも大好物!‘ホラーウィーク’と題しストレス発散のため集中鑑賞もします。なので時々グロ画像も掲載しますのでご注意を!!!
読書傾向は男性作家が多く、活字ネクロフィリア系ノンフィクションは大好物です!
その他にも最近激増の、ベストセラー小説の映画化は、原作読了後に映画鑑賞することも楽しみのひとつです。
Profile

ゆきち

ブログランキング
よろしければ、ポチっとしてね♪
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 トラックバックテーマ ホラー映画へ
ホラー映画
にほんブログ村 トラックバックテーマ フランス映画へ
フランス映画
にほんブログ村 トラックバックテーマ 香港映画へ
香港映画


ゆきちのヤフオク出品リスト↓
マイ・オークションをごらんください




Blog内検索記事ランキング
アクセス解析
  • ライブドアブログ