理沙さんは、私が間もなく極みに達することを察すると、脇に置いてあったティッシュを何枚か手に取りました。
吐き出される精を受け止めるため、ローションにまみれた茎の先端へと重ねます。

私は眩い快楽に震える脚で必死に体を支え、理沙さんの背中にまわした手で彼女を抱き寄せました。髪から漂う大人の女性の香りが鼻腔に纏わり、悦楽の坂を登り続ける私を更なる高みへといざないます。

理沙さんは柔らかな指にローションを纏わらせ、艶めかしい粘液の膜に包まれた茎の火照りを繰り返し滑らせました。熱い精の溜まりが迸りの出口を求めて、強張りの根元を開け広げようとします。

それまで小刻みに繰り返していた熱い息が詰まり、真上に向けた口からは掠れた喘ぎが溢れます。全身を押し上げるような激しい快楽が突き抜けると同時に、下腹部が波打つように震えたのです。


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それは私が初めて女性を相手とした射精を遂げた瞬間でした。
眩しい恍惚が吐精の脈となって茎の中を流れ、亀頭を包むティッシュの中へと幾度も迸りました。体の奥深くから溢れ出る止めどない欲望が、白く粘る液に溶け入る飛沫となって散りばめられたのです。

瞼に映った光の束が一塊となった後、やがて輝きを失いながら闇の中へと消えていきます。私はゆっくりと肩で息を繰り返し、昇りつめた恍惚の坂を下り落ちたのです。

理沙さんは鼓動に包まれた胸に顔を埋め、小さな声で優しい言葉をかけてくれました。茎から放たれた精が染み込んだテイッシュを開き、愛くるしい戯れの笑みを浮かべます。何人もの男性を射精に導いた彼女にとって、それは単なる欲望の溜まりに過ぎないのかも知れません。
しかし私にとっては、その場限りの出来事であっても、初めて目の前の女性を想いながら放った精だったのです。

彼女はお絞りで、茎を白く濡らす粘液を拭き取ってくれました。立ったまま彼女の姿を見下ろしていると、さっきまで快楽の陰に隠されていた羞恥が再び蘇ってきます。
下ろしたジーンズに慌てて手をかけようとする私を彼女が制しました。

「まだたくさん付いているから… あとはこれを使って自分で… ね」

理沙さんは私に別のお絞りを渡すと、ドアを静かに開けて個室から出て行ったのです。

私は独りになった部屋の中で、微かに残る彼女の香りを胸の奥まで吸い込みました。一時の快楽が彼女によって導かれたものであることを確かめるように、儚い余韻に浸ったのです。

流れ続ける音楽の合間から、隣の個室をノックする小さな音が聞こえました。既に次の男が、理沙さんによって眩い快楽の果てへ誘われようとしています。
彼女にとって私は、何人もいる客の一人に過ぎないことは判っていました。きっと私の存在すら、一瞬の間に過去のものになる筈です。

それでも10代だった頃の私には、たとえ短い時間の出来事であっても、初めて女性に対して射精した眩い記憶の一片として残り続けるのでしょう。


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あれから何年か過ぎ、私は由香里と結婚しました。あるきっかけで知り合った少年に、性の相手として妻を与えた私は、当時の自分が想い描いた理想を彼によって遂げようとしたのです。
あどけない少年が妻と結ばれ、若く白い精を放つ姿を見つめながら、セックスの体験を待ちわびた過去の自分が叶えられなかった願いを彼に託したのかも知れません。

祐希という名前の少年と妻との出来事を、私が書いている別のブログ「妻を愛した少年」に綴っています。
もし、お時間のある時にお読みくだされば嬉しいです。