October 18, 2010

城郭ファンから見た櫻山改悪問題

 よくこのブログでも取り上げている盛岡内丸の桜山地域が、突如市役所からここの建物を取り壊したうえで新しく勘定所風の施設を作るという計画が報道され、風雲急を告げている。これについて、少ししてから半数は再開発を支持しているという市からのアンケートデータも公表されたものの、内丸で生活する市民はもちろんそこにくるお客さんなど聞こえる声としてはこの計画に関して反対の意見が多い。
 私もtwitteである程度話しているのですが、この計画に関しては反対である。城好きならこういう施設を作るというのは結構賛成することが多いわけだが、盛岡に関しては事情が違う。この地域が現時点でも観光や生活、都市機能としてまだまだ魅力的な地域である、また周囲からこのように評価されている地域であるからである。
 観光という意味では、じゃじゃ麺発祥の地としてや、昭和30年代の風情を持つ町並み、そこに点在する趣のあるカフェや居酒屋と五感を満足させる観光資源がある。史跡的にも鐘突き台や2つの堀だけでも充分城跡ということを明確に示すことができている。これが勘定所のような建物でお土産物屋を建ててるだけとなると、殺風景になって魅力的なものにならない。現状よりも低下する。むしろ会津若松のように天守閣の再建の方から始めてそれから付け加えていく方が、有効的な観光資源や歴史ファンとしての評価が上がる。
 都市機能という意味では、官庁街の中の休憩地域としての機能、盛岡駅から八幡町へと続く歓楽街の繋ぎの地として大きな役割を果たしている。この効果によって盛岡市街地が他の自治体よりも繁栄できている要素となっているというのを都市計画の研究者が評価している。今回の計画はその役割を無視したものになっている。
 文化という意味では、そのレトロで堀に囲まれた水のある街の風景から若い人たちがこの地に新しくお店を建てて生計を立てている。これも従来あるお店にもいい刺激を受けており、活力のある町が形成されている。言うなればシリコンバレーのような場所になっている。そのような良質の産業が醸成されている場所をつぶすような形にして果たしていいのだろうか。
 このような観点から、櫻山地域の歴史的建造物を中心とした再開発には反対であり、現状維持を求める。しかしながら櫻山問題に関して、一番の背景となっているのが市と土地所有者との権利関係を示した契約が3年後に契約満了になること。厄介な話まで進めると、それ以降についてをある程度のシナリオを立てた上で、さらに言えば街の反対意見をも軽視した上でこの開発の方向に強引に進めていこうとしていることだ。そこまでやっているのかどうかはまずは報道も市民への報告もしているわけではないので分からないが、ここまで勘ぐっている人もいる。事実ならこれは民主主義ではなく、行政の横暴にしか見えない。
 話を戻すが、アンケートの内容に関しても疑問に思う。盛岡市民といってもかなり広範囲にさまざまな人が住んでいる。これが桜山に遠い人たちからアンケートを取ったとしたならば、本当に地元の意見を尊重したアンケートではないと思う。この辺平成の大合併によって肥大化した基礎自治体の弱点であり、地方自治の研究家として危惧しているところであるが、この話はおいおいしたい。
 ともあれ、この問題をどうすればいいのかについては、桜山の地に新しい歴史施設を建てるのは別として、この地域の土地の権利関係を、市・地区会・史跡の管轄である文化庁・さらに言えば予算を出す財務省・一般市民を通じて協議する場を持つことがまず大事だと思う。そこで昭和30年代の建物が歴史的評価を持つものとして成長している点、地域として産業・文化の先端地域になっている点、並びに市の計画では国の財政を無駄に使うことになる点を示していけば、桜山は保存できるのではないかと思いたい。それがならないとしたならば、ちょっとしたウルトラCを使えそうかなと思うことがあるのですが、それはまたしばらくしてから。最後に内丸で居酒屋を経営している人のtwitterから抜粋した言葉を紹介します。私もこの保存運動に一助ができればこの上ありません。

「この場所が好き。この場所を残したい」ただそれだけで舟を出そうと思います。署名などの際、皆様の協力をお願いします。

yukikawa08 at 00:21│Comments(0)TrackBack(0)

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