「大阪マラソン試走2回目」「妙見山頂までラン」

2013年10月11日

「そして父になる」4

b2cdc646bad95cbb6a70f2b8c87dcbecカンヌ映画祭で審査員特別賞を獲得した作品です。是枝監督といえば、「誰も知らない」で賞をとりましたが、私はこの映画半分くらいから涙が止まりませんでした。

主人公の良多(福山雅治)はエリートサラリーマンで東京の高級マンションで妻みどり(尾野真千子)と6歳の息子慶多と暮らしています。息子を私立小学校に通わすため、お受験の塾に行かしていますが、ほとんど子育ては妻にまかせっきりです。
子供が産まれた病院から連絡があり、息子が病院で取り違えられた可能性があるという。DNA検査の結果、慶多は自分の子供でないことが判明。相手は小さな電気屋を営む雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木よう子)だと解る。病院側はこういうケースは100%血のつながりを選ぶので早い方がいいと促されます。病院側を訴えた事で、実は取り違えは看護師の嫉妬から生じた事が解るのです。
2組の夫婦はたびたびお互いの子供を交えて会いながら、交流を深めますが、結論はなかなか出ません。

ドラマティックはお話ですが、映画は実に静かに進んでいきます。良多とみどりの苦悩がどんどん深まっていく様が描かれます。福山雅治演じる良多は完全なる悪役。リリー・フランキーに「負けを知らない男!」と言われるような実に嫌な奴です。仕事が一番!子供と接する時間もなく、妻の一家だって見下してる感じです。私だったら絶対、友達にならないぞというタイプです。
一方のリリー・フランキーは下品な町の電気屋。そして妻の真木よう子のキップの良い姉御です。対照的夫婦です。
どちらを選ぶのか・・・・1人の看護師の嫉妬から4人の苦しみが観客の私も胸が痛みます。でも、親も苦しいけれど、子供たちももっと苦しいはずです。どちらを選んでも、身を切られます。静かな映画が緊迫感に溢れます。
子役も上手いし、でも、尾野真千子、真木よう子、リリ−・フランキーの3人も達者な役者なので、少し福山雅治は損かもしれません。
6年間育てた息子を取り替えられるか?・・・・自分の立場から考えたら結論を出すのが苦しい。でも、母親と父親は少し違うかも。母親はお腹の中で育ててますから。
最後の最後、結局結論が出ないまま、映画は終わります。
そこが又辛かった。

感動作というより、グッとくる映画です。


yukipy1954 at 23:49│Comments(4)TrackBack(1) 日本映画 | サ行の映画

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1. 『そして父になる』  [ こねたみっくす ]   2013年10月13日 12:21
6年間育てた息子を、本当に他人の子と言えますか。 第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したこの作品は、是枝裕和監督らしい静かに語り、じわじわと心に響く今年の邦画を代表 ...

この記事へのコメント

1. Posted by WAKA   2013年10月12日 21:30
この映画、よかったよね。最後ははっきり言わないので、思わず夫に、こうなるんだよね?って確認しちゃいました(^-^; 夫は、今までは福山が単なる生物学的父だったのが、最後には本当の意味の父になったんだね、って言ってくれて、お〜、そうだ〜と嬉しくなりました♪福山君、悪役だったからねぇ。淡々とした映画なのに、眠くならず、いい映画でした。ほっこりしますね(^-^)
2. Posted by YUKkO   2013年10月13日 08:37
wakaさん、最後ねえ。私は最後に又一層の苦しみを描いて欲しかったな。辛い映画でしたが、生物的に親というか父ってのはあいまいなんだななんて思いました。是枝監督ってやはり子供の使い方が上手いですね。
3. Posted by にゃむばなな   2013年10月13日 12:20
結論は既に出ていると思いますよ。それは交換お泊りの初日に見せた親の行動で。
恐らくこの2家族は交換せずに交流という形で2人の息子を育てていくことでしょうね。
私はそう思いましたよ。
4. Posted by YUKKO   2013年10月13日 18:59
にゃむばななさん、そうですね。結論はそれしかないです。でも、やはり辛いです。

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